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2020.04.04

気になる口の乾きや臭い。医師に聞くドライマウスQ&A

kencom公式ライター:森下千佳

「口の中がネバネバして気持ちが悪い」「口臭が気になる…」など、年齢を重ねるにつれて増えるお口のトラブル。もしかしたら、ドライマウスが原因かも?
そんなお口の悩みを、ドライマウスの専門家である鶴見大学歯学部付属病院准教授・中川先生に伺いました。

ドライマウスに関する4つの疑問

Q.最近口がよく乾きます。水分をよく飲むようにすれば治りますか?

A.原因によります。十分な水分の補給ができていなくて脱水状態になり、ドライマウスになってしまった方は水分補給で治ります。しかし、水を飲めば唾液の量が増えるわけではないので、他に原因がある場合は治りません。後編で紹介したセルフケア方法を試しても改善しない場合は、背景に病気がある可能性もあるので医療機関で調べてもらいましょう。ドライマウスの原因を明らかにすることが大切です。

Q.最近、口臭が気になります。ドライマウスでしょうか?

A.唾液の量が減ることにより、口の中の細菌が増殖し、口の臭いがきつくなることはあります。ただし、唾液の量が正常でも口臭が強い人は、他に疾患を抱えている場合があるので、口臭がどれくらいの強さか、唾液の量が正常かどうかなどを医療機関で調べてもらいましょう。

Q.ガムを噛むことは、ドライマウス予防になりますか?

A.ものをよく噛まない人、柔らかいものばかり食べている人の中には、噛む回数が減っているために、唾液の量が減ってしまっている場合があるので、ガムを噛んで、咀嚼刺激することは良いことだと思います。唾液腺が刺激されて、唾液分泌量を増やす効果があると考えられます。また、普段の食事も、意識的に固い食べ物をとるようにし、なるべく噛む回数を増やすように心がけることも必要です。

Q.飲酒やタバコは、ドライマウスの原因になりますか?

A.タバコは様々な不調の原因とされますが、ドライマウスの原因にはなりません。ただ、アルコールは極度の脱水作用があるので、口腔乾燥を進めてしまいます。さらに、アルコールの飲用により筋肉が緩んでしまうので、寝ている間に舌が喉の方に落ち込み、鼻で呼吸出来ずに口呼吸になってしまいます。その結果、口の中が乾いてしまうことがあります。飲酒はほどほどにしましょう。

▼中川先生によるドライマウスに関する記事はこちら

中川 洋一(なかがわ・よういち)先生

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鶴見大学歯学部附属病院准教授 
1980年鶴見大学歯学部卒業。同病院のドライマウス外来、口臭外来、口腔粘膜、舌痛外来の主任も務める。専門は、ドライマウス、口臭、口腔粘膜疾患、口腔外科疾患全般。日本口腔外科学会認定専門医・指導医。

著者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
フリーエディター。お茶の水女子大学理学部卒。テレビ局に入社し、報道部記者として事件・事故を取材。女性ならではの目線で、取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。退社後、ニューヨークに移住。当時、日本ではなかなか手に入らなかったオーガニック商品を日本に届けるベンチャー企業の立ち上げに関わる。帰国後、子宮頸がん検診の啓発活動を手がける一般社団法人の理事を経て現職。一児の母。

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