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2024.05.08

〈ヨガで辛い眼精疲労をやわらげる2つの方法〉マツヤアーサナとトラータカ

ヨガジャーナルオンライン

私たちの日常は仕事ではデスクワーク、プライベートタイムにはスマホを長時間見続けるというコンピューター画面から離れられない生活です。そんな中、眼精疲労を訴える人が多くなっています。今回はヨガのアーサナクリヤという浄化法で眼精疲労を改善する方法をご紹介します。

マツヤアーサナ

前述したようにパソコンやスマホの凝視によって眼精疲労を起こす原因として、頭を前に倒した状態が長く続くことで後頭下筋群という頭と首をつなぐ筋肉群が過緊張を起こします。それが頭痛を引き起こし眼球運動に影響を与え眼精疲労の症状につながります。マツヤアーサナは肩回りと胸を開き頸椎の正常なカーブを促し首の筋肉をほぐします

プレワーク

腰の後ろで手の指を絡めひじを曲げた状態で上腕骨頭を十分後ろに引き、腕を徐々に伸ばす。首が前に倒れないようにまっすぐ前を見ながら数呼吸する。

やり方

マットに仰向けになり肘を曲げる。肘で床を押し、胸の中心を床から引き上げる。胸につられるように頭を床から持ち上げ首を返して頭頂部を優しく床につく。肘で床を押しながら呼吸を観察する。

ボルスターを使った簡易ポーズ

写真のようにボルスターや座布団を何枚か積み重ねた上に仰向けになり頭頂を優しく床におろす。この時前腕が床につくようにブランケットなどを腕の下に引いて高さを調整する。

ポイント

肩回りと胸を十分に開いてから首を返すように注意する。

トラータカ

ヨガにはクリヤと呼ばれる6つの浄化法があります。これは身体を通して精神を鍛え浄化し、よりサットヴァな状態に近づいて瞑想に入ることでヨガの最終目的であるサマーディに至るためです。トラータカはそのうちの一つでハタヨガの重要な経典である“ハタヨガプラディーピカ“によると炎の凝視には目の病を癒し目の疲れをとる働きがあるという記述があります。また集中力を高め心の浄化を行うことに加え、脳神経を鎮める効果もあります。

やり方

ロウソクを準備します。安全に行うために土台の安定した高さの低いものやオイルランプがおすすめです。ロウソクが目の高さにくるように1メートルほど離れたところにクッションや座布団などを用意し座ります。部屋を暗くし風が入ってこないように窓や扉を閉めてロウソクの炎が安定するようにしましょう。1分ほど目を閉じ呼吸を観察し心と体の緊張をほどきます。目を開けて瞬きせずに1分間炎を見て集中します。途中で心がさまよっても気づいたら戻ってきましょう。涙が出ても拭わず炎を見続けます。時計は見ませんが1分経ったと思う頃に両目を閉じて瞼をリラックスさせます。目を閉じたまま眉間を見るように炎の残像を観察し消えるまで待ちます。残像が消えたら次の凝視を行います。3回凝視を行いますが最初は数十秒からはじめ、慣れてきたら少しずつ時間を延ばし、最終的に30分まで延ばします。

パーミング

3回凝視を終えたら手のひらをこすり合わせて摩擦熱を作り手のひらが目につかないように丸めた手のひらで目を覆います。手のひらの温かさと暗闇の中で目を優しくリラックスして終わります。

昔、人間が自然の中で暮らしていた頃は見るものは、川や海、大地、火、空、木々などの壮大な自然や遠くにあるもの。現代の私たちが見るものは作られたものや近くにあるものばかりで私たちの姿勢が変わりそれが体に影響を及ぼしていることがわかります。ヨガの智慧は何千年も前から変わっていません。ヨガで視界をクリアにする2つの方法を実践して輝く世界を取り戻しましょう。

AUTHOR

ヨガインストラクター、食養生コーディネーター。幼少期からクラシックバレエ、ダンスなどの身体活動を経験、2004年よりヨガを練習し始める。ヨガの呼吸とバランスの取れた動きと疲れた心身を回復する絶大な効果に感銘を受け、ヨガをライフワークにするためにインストラクターとなる。2005年~2021年までの間スタジオを中心にヨガインストラクターとして活動。現在はオンラインのグループレッスンとプライベートレッスン、対面の産後ヨガ、シニア向けのヨガを教えている。専門は「女性のためのヨガ」であり、女性の様々なライフステージをヨガでサポートするためのクラスやワークショップを開催。精神の学びにはまず体と心の健康が欠かせないという気づきから、食養生とアーユルヴェーダを学び実践中。真の健康と美しさを探求している。

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