2022.10.14
はちみつとメープルシロップ、カロリーが低いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.67】
パンケーキやワッフルなどに欠かせないのが、はちみつやメープルシロップです。ヘルシーなイメージがあり、なんとなく似ている2つですが、その製法も栄養も全く違うんですよ。
今回は、はちみつとメープルシロップの違いについてみてみましょう。
はちみつとメープルシロップ、カロリーが低いのはどっち?
正解は、メープルシロップ
似ているようで似ていないのが、はちみつとメープルシロップです。はちみつはご存知の通り、ミツバチが集めた花の蜜からできています。一方のメープルシロップは、サトウカエデなどの樹木から出る樹液を煮詰めたものになります。
100g中のカロリーで比較すると、はちみつは329kcal、メープルシロップは266kcalと、メープルシロップの方が低カロリーです。
ちなみに、砂糖(上白糖)は391kcal。はちみつとメープルシロップは砂糖よりもカロリーが低いため、ヘルシーというイメージがあるのかもしれません。
健康にいいのはどっち?
はちみつとメープルシロップがヘルシーだと思われるのは、カロリーだけではありません。この2つには、砂糖にはほとんど含まれないビタミンやミネラルが含まれています。
違いとしては、はちみつにはビタミンの方が、メープルシロップにはミネラルの方が多いというのが特徴です。特にメープルシロップには、余分な塩分を排出するカリウムがはちみつの3.5倍、そしてカルシウムは約19倍多く含まれます。
一方はちみつは、メープルシロップにないベータカロテンを含む他、ビタミンB群がバランス良く含まれています。また、はちみつは整腸作用があることで知られていますが、これは腸内のビフィズス菌のエサになるオリゴ糖やグルコン酸が含まれているからです。
注意!はちみつは、1歳未満の赤ちゃんにNG
はちみつについてはひとつ注意が必要です。1歳未満の赤ちゃんは、ボツリヌス菌による汚染の可能性があるため、はちみつ及びはちみつを含む食品は与えないようにしてください。仮に食べてしまった場合は、乳児ボツリヌス症にかかることがあります。
赤ちゃんはまだ腸内環境が整っていないため、ボツリヌス菌が腸内で増えてしまうと、便秘やほ乳力の低下、元気の消失などの症状を引き起こすことがあります。ほとんどの場合は適切な治療により治癒しますが、まれに亡くなることもあります。
ただ1歳以上であれば、はちみつはリスクの高い食品ではありません。また、妊婦ははちみつを食べても大丈夫です。
スイーツに使うことの多いはちみつとメープルシロップですが、これからの季節の煮込み料理にもおすすめです。例えば肉じゃがの砂糖の代わりに、またカレーの隠し味になどに使ってみてください。栄養についてもどちらのほうがより良いというわけではないので、用途や好みに応じて幅広く活用してみてくださいね。
▼参考文献
過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから
著者プロフィール
■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。