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2022.03.23

花粉症ケアに試してみて。症状を和らげてくれるお茶【ちょっと茶話#18】

kencom公式:料理研究家・りんひろこ

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暖かくなると過ごしやすい反面、花粉症がツラい季節。

薬で症状を抑えている方も多いと思いますが、実はハーブティの中にも花粉症の症状を和らげてくれるものがあります。
薬やマスクを併用しつつ、普段の飲み物をハーブティに変えてみると、少し生活しやすくなるかもしれません。

花粉が飛ぶ時期に飲みたいお茶

甜茶

花粉症状を緩和するといわれる「甜茶(てんちゃ)」は、本来は甘味のある中国茶の総称。古来より中国では春節の時期に一年の幸せを願って飲む習慣があります。

甜茶にはいくつか種類があるのですが、その中でも花粉症によいとされるのは、バラ科キイチゴ属の甜葉懸鉤子(てんようけんこうし)という種類のものに限られます。

この甜茶には、アレルギー抑制作用があるということが分かっています。
スギ花粉症患者に対して、花粉が飛散し始める約1ヵ月前から甜茶エキス飴をなめてもらうと、中等度以上の症状改善が半数以上、軽度以上の改善を含めると8割近くになったという報告もあります。(※1)

ただ、発症2週間以上前から飲むのが肝心で、発症後に飲んだグループの症状改善はとても少ない(6.7%)という報告もあります。できれば、毎年症状が出てくる前から飲むようにしたいですね。(※2)

べにふうき(緑茶の一種)

通常、緑茶の茶葉には「カテキン」というポリフェノールが含まれています。

緑茶のなかでも「べにふうき」という品種には、カテキン以上に強力な「メチル化カテキン」が含まれていて、抗アレルギー性があるといわれています。
特にべにふうき茶は、より強力なアレルギー抑制作用があるといわれており、花粉飛散時期に飲んでいると花粉症の薬の量を少なくできるなどの報告もあり、補完的に対策として有用といわれます。(※3)

ハーブティ

レモンバーム

ロズマリン酸は、ローズマリーから発見されたポリフェノールの一種で、レモンバームやスペアミント等のハーブに多く含まれる成分です。
抗酸化作用や抗炎症作用があり、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンの放出を抑える作用があるといわれています。

エルダーフラワー

マスカットのような甘い風味のあるエルダーフラワーティー。

エルダーフラワーにはポリフェノールの一種であるフラボノイドを多く含み、くしゃみや鼻水、目のかゆみを和らげるといわれます。

ローズヒップ

ローズヒップとはバラ科の果実の総称です。ハーブティにすると赤色がとても鮮やかで、甘さとフルーティな酸味があり、女性にも人気です。
ビタミンCを豊富に含んでおり、炎症を予防し、粘膜を保護するとされます。

ペパーミント

ミントらしい清涼感のあるペパーミントティー(いわゆるミントティー)は、粘膜を保護し鼻の通りをよくするとされています。

※1 鵜飼幸太郎,通年性鼻アレルギーに対する甜茶エキスキャンディーの臨床的検討,耳鼻咽喉科展望,1995
※2 鵜飼幸太郎他,スギ花粉症に対する甜茶飲料の臨床的検討,耳鼻咽喉科展望,1999
※3 岸川禮子ほか,べにふうきのスギ花粉症に対する効果比較試験,日本補完代替医療学会誌,2007

りんひろこ

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料理研究家、フードコーディネーター
京都で学んだ懐石料理や、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。著書に『作りおきで毎日おいしい! NYスタイルのジャーサラダレシピ』『ジャースチームレシピ』(世界文化社)がある。

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