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2020.03.25

花粉症の悩みを解決!医師Q&A

kencom公式ライター:森下千佳

花粉症のありがちなお悩みを専門家である永倉仁人先生にお聞きしました!
生活習慣の中で取り入れられる内容なので、ぜひご一読を。

気になる花粉症の悩み4問

Q 花粉症は、放っておけばいつか治りますか?

A 基本的には良くなりません。特に子供は早めの対処が必要です。

たまに軽くなる方もいますが、基本的には良くなりません。 マスクをする、窓を開けないなど、なるべく花粉を体内に入れないような対策をしたり、病院に行って薬で治療することが良いと思います。

特に子供の場合は、花粉症がきっかけとなってアレルギーマーチ(アレルギーになりやすい子どもが、いろいろなアレルギー疾患に順番にかかっていくこと)に進展することもあるので、早めの対処が必要です。

Q 子どもを花粉症にさせないために、何かできることはありますか?

A 花粉の大量飛散日は、なるべく室内で遊ばせる、ベビーカーのカバーをかけるなどの工夫をしましょう

子供の花粉症は年々増えていて、最近では2歳頃から症状がで始める子もいます。花粉症は遺伝の影響も強いので、ご両親のどちらかが花粉症を持っている場合は特に、赤ちゃんのうちから花粉を回避する対策をとっておきましょう。

よく晴れた日は、公園などの外遊びをさせたくなりますが、花粉の時期だけはなるべく室内で遊ばせたり、マスクをさせる、昼前後のピーク時を避けるなどの工夫が必要です。

赤ちゃんの公園デビューは、花粉の飛散時期は避け、外出時にはベビーカーにカバーをかけておくと良いでしょう。また、室内に花粉を持ち込まない、掃除を徹底することなども大切です。

Q 鼻がつまり、喉が痛い。この症状は、花粉症なのでしょうか? 風邪と花粉症の見分け方を教えてください

A 高熱が出たら風邪か、インフルエンザを疑いましょう。

目のかゆみが出るようであれば、アレルギー症状の疑いが濃厚です。

症状の現れ方に重なるところもありますが、よくよく見ると症状には少し違いがあります。まず、大きな違いは高熱が出るかどうかです。高熱の場合は、インフルエンザか風邪の疑いがあります。花粉症でも発熱することがありますが、ほとんどが37度前後の微熱です。

また、花粉症の場合の鼻水はさらさらですが、風邪の場合は黄色っぽく、粘性のついたネバネバした鼻水になります。花粉症でも、喉の痛みが出ることともありますが、それほどひどくはなりません。また、目や鼻のかゆみが出るようであれば、アレルギー症状の疑いが濃厚です。

Q 花粉症の時期は、お風呂に入った方が症状が改善すると聞いたことがあります。本当ですか?

A 蒸気を吸うと鼻が通りやすくなるので、一定期間、症状を軽減してくれます。

お風呂の蒸気を吸うと、鼻の中が加湿され、血行もよくなり、鼻が通りやすくなります。長時間効果が持続するものではありませんが、薬が使えない妊婦さんや、薬でも症状が改善されない方などにはお勧めします。

温かい蒸しタオルを当てるのも同じ効果があります。また、目のかゆみには、氷水で濡らした冷たいタオルを当てると楽になることもあります。

永倉仁人(ながくら・ひとし)先生

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ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック院長

昭和57年東京慈恵会医科大学卒業。国立成育医療センター・免疫アレルギー研究部にてアレルギー治療について研究。環境庁国立環境研究所研究員として、アレルギー性疾患増加の原因について、学位取得。文部科学省委託「スギ花粉症克服に向けた総合研究」に参加し、スギ・ヒノキ花粉症の調査に当たる。現在、最新の治療法として、ペプチド療法、舌下免疫療法などの研究に従事している。

筆者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
フリーエディター。お茶の水女子大学理学部卒。テレビ局に入社し、報道部記者として事件・事故を取材。女性ならではの目線で、取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。退社後、ニューヨークに移住。当時、日本ではなかなか手に入らなかった、オーガニック商品を日本に届けるベンチャー企業の立ち上げに関わる。帰国し、子宮頸がん検診の啓発活動を手がける一般社団法人の理事を経て、現職。一児の母。

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