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2020.03.14

今日の眠りは何点だった?スマートウォッチで睡眠の質を計測してみた

kencom公式ライター:大貫翔子

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良い一日は、良い目覚めから。良い目覚めは、良い睡眠から。規則正しい生活は、健康的な暮らしの基本です。
……ということはわかっているものの、ついつい夜更かしや二度寝をしてしまうわたし。正直これまで、睡眠の質について考えたことはありませんでした。

今回はそんなわたしがスマートウォッチ「Fitbit Versa2」を使って睡眠の質の改善に取り組んだレポートをお届けします。果たして完全夜型人間のわたしが、生活を変えることはできるのでしょうか。

Fitbitでは睡眠中の心拍数や動きを検知し、全体の睡眠時間、深い睡眠とレム睡眠に費やした時間、睡眠中のリラックス度によって「睡眠スコア」を表示します。

今回はこの睡眠スコアを軸に、生活習慣と睡眠の質の関係について探りました。

生活改善で睡眠の質は向上するか?

フリーランスにありがちな夜型生活

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筆者のもともとの生活パターンは、午前2時前後に眠りにつき、朝のスタートも遅めという完全夜型生活。フリーランスで時間の制限がないとはいえ、「改善しなきゃなぁ……」とは思っていました。また、定期的な運動の習慣がなく、夕食時にお酒を飲むことも。健康的とは言えない生活習慣です。

検証1:普段通りの睡眠スコアは?

睡眠スコアはこのように週単位で見ることができます。こちらは1週目です。

睡眠スコアはこのように週単位で見ることができます。こちらは1週目です。

睡眠の質を改善する前に、まずは現状を把握するため睡眠データを計測してみました。寝る時間を特に定めず、週の半分はお酒を飲み、寝る直前までテレビやパソコンと向き合っているという、恥ずかしながら不健康そのものの生活です。

これはかなり悲惨なのでは……と思いながら計測してみると、初日の睡眠スコアは、なんと「80(良い)」。乱れた生活を送っている割には意外といいじゃん!という印象でした。しかし、翌日以降続けてみると、睡眠スコアは10以上も下がってしまい、週の平均スコアは68という結果になってしまいました。やはり、不規則な生活は良い睡眠を生まないようです。

初日のデータ。何度か覚醒状態を挟みながら浅い睡眠・深い睡眠を繰り返し、後半にレム睡眠となっています。

初日のデータ。何度か覚醒状態を挟みながら浅い睡眠・深い睡眠を繰り返し、後半にレム睡眠となっています。

2週間計測してみてじっくりとデータを見てみると、スコアを左右する要素に気づきました。それは、「目覚めた状態」の長さです。

例えば、ある日の睡眠(スコア80:良い)では睡眠時間は6時間未満ですが、浅い睡眠・深い睡眠・レム睡眠を繰り返し、目覚めた状態は就寝時と起床時だけでした。それに対して別の日(スコア60:やや低い)では7時間以上寝ているのに、特に後半に覚醒状態が増え、レム睡眠が少ないことがわかりました。

つまり、長く寝れば良いというわけではないのです。これこそが睡眠の質を高めるポイントであると考えました。

左はスコア80(良い)、左はスコア60(やや低い)の睡眠データ。グラフの形状に明らかな差があります。

左はスコア80(良い)、左はスコア60(やや低い)の睡眠データ。グラフの形状に明らかな差があります。

検証2:お酒を控えてみる

3週目から少しずつ改善に取り組みました。まずはお酒の量を減らすことからです。

お酒を飲んで眠くなるということは誰しも経験していると思います。わたしも実際、飲んで帰ってきた日はすぐ寝てしまったり、眠れない時に1~2杯飲んで布団に入るということもありました。しかし、実はこうした習慣がかえって睡眠の質を下げているといいます。

言われてみれば、深酒をした日に限って夜中に目覚めるなど、思い当たる節が……ということで、試しに少しずつお酒の量を減らしてみました。といっても、飲まない日を増やし、飲む日も量をセーブするよう意識した程度です。

すると、週の平均睡眠スコアは79にアップ!これは少し影響があるといえそうです。

検証3:運動をしてみる

「適度に運動するとよく眠れる」とのことで取り入れてみることに。運動といっても出先から歩いて帰宅する(=ウォーキング)と、スピニングと呼ばれるバイクフィットネス程度ですが、1時間以上の運動をした日の睡眠データを見てみると、他の日に比べてわずかにスコアが高いことがわかりました。

ハードな運動を続けたわけではないので顕著な差にはなっていませんが、もともと運動量ゼロだったことを考えると、多少は睡眠の質に影響していると考えたくなるデータです。

検証4:寝る前の過ごし方

寝る前に心身を休め、リラックスするのも深い睡眠につながりそうです。4週目からは、意識してリラックスタイムを作るようにしてみました。

ホットミルクを飲んだり、ストレッチをしたり、テレビをつけずに本を読んだり。リラックス効果のある入浴剤も試しました。人によっては毎日しているような習慣です。こういったこともあえて取り入れることで睡眠の質改善に取り組みました。中でも効果がありそうだと感じたのは、ゆっくりと湯船につかること。体を温めることが自然な眠気を誘い、安眠につながる印象を受けました。

この週の平均スコアは78。ピークより少しダウンしてしまいましたが、何も意識しない状態よりは全体的に上がっているといえそうです。

睡眠の可視化は生活習慣改善のきっかけになりそう

5週目になると最低スコア60から67に上がってきました

5週目になると最低スコア60から67に上がってきました

約1ヵ月、Fitibit Versa2を使って睡眠データを計測してみました。その結果、起きている時間の過ごし方が睡眠の質に少なからず影響しているということを実感できました。最初はあまり体感できませんでしたが、眠りの質を向上すべく生活改善を始めてからは、心なしかすっきり目覚められるようになった気がします。

また、後半になると、目覚めてすぐに睡眠スコアを確認する習慣がつきました。良く眠れるよう工夫したはずなのに思ったよりもスコアが低いときは、睡眠段階のグラフを分析し、「睡眠時間は短めだけど質は良さそう」と自分なりに分析することができるようになりました。

すぐに激変するというわけではないものの、この調子で睡眠スコアを意識して過ごすことで、体内リズムは確実に正常化するでしょう。不規則な生活をしている人にこそ、Fitbitは力を発揮してくれるかもしれません。

著者プロフィール

■大貫翔子(おおぬき・しょうこ)
編集プロダクションにて住宅情報誌や企業の広報誌、フリーペーパー等の編集・制作に携わる。のちにフリーの編集・ライターとして独立し、住宅、キャリア、ヘルスケアなどのジャンルで記事を執筆。

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