2019.08.10
水の事故を防ぐために知っておきたいこと
夏休みの時期、プールや海にお出かけする機会も増えます。その前に、水の事故への予防策や知識が必要になってきます。
子どもは溺れると騒ぐ、暴れる、バシャバシャと大きな音を出す… といったイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。実は子どもは騒ぐことも、バシャバシャと音を出すこともなく「静かに」溺れます。今回は水辺の事故を防ぐために、溺れた瞬間の「子どもの反応」と対策について考えてみましょう。
■乳幼児の不慮の事故、第2位「溺水」
乳幼児の不慮の事故として2番目に多いとされるのが「溺水」です。溺水がこんなにも多いのはなぜなのでしょうか?
テレビや映画には、人が溺れるシーンがあったりしますよね。そこでは水の中からさかんに手を動かしたり、バシャバシャと水音を出したりしています。だから人は溺れると同じように騒いだり、大きな音を出す… と考える人が多いのではないでしょうか。
でも実際はそうではありません。
子どもは溺れたその瞬間、自分の身に何が起きているかを理解することはできません。急に呼吸がしづらくなり、それでも精いっぱい息をすることに必死になり、声を出す余裕がない状態に陥ります。
この状態を水の外から見ると、静かに水中に沈んでいくように見えます。溺れても声や音を出さないということは、溺れていることに気付けない可能性があるということなんです。
これはプールや海だけに限らず、お風呂も同様です。
「何かあったら大きな音がするはずだから、隣の部屋にいれば大丈夫」
こんなふうに安易に考えるのは「子どもは静かに溺れる」という事実を踏まえると、実はとても危険なことなんですね。
■「溺水」を防ぐためにできること
気が付いたら、子どもが溺れていた…。こうした不慮の事故を防ぐために、どんなことができるのでしょうか。
まずは「子どもは静かに溺れる」という事実を知ることです。そうすれば、おのずと予防策が見えてきます。
例えば、子どもと一緒にお風呂に入っているときや、家庭用のビニールプールで遊んでいるときなども注意が必要です。
お風呂では子どもが浴槽につかっているときに洗髪をする人も多いですよね。すると、どうしても目をつむらなければいけない時間があります。
そんなときは「〇〇く~ん(ちゃ~ん)?」などと名前を呼んだり「お風呂のお湯はどうですか~?」と呼びかけたりして、声を発してもらいましょう。そうすれば溺れていないことが確認できます。
プールや海にいき、浮き輪で遊ばせているときも「浮き輪があるから大丈夫だろう」と過信しすぎないことが大切です。
浮き輪をひっぱりながら前を進んでいたら、浮き輪の中にいるはずの子どもがいない… という事態に陥らないよう、中にきちんとわが子がおさまっているかを確認し続ける必要があります。
不慮の事故を防ぐためには「大丈夫なはず」という思い込みを取り払うことが大前提になります。しっかりわが子に注意を向け、楽しい思い出をたくさんつくっていきましょう!
(出典:佐久医師会 教えて!ドクタープロジェクト)
(すだ あゆみ)
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