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2022.09.08

あなたも将来必ずなる!?白内障を眼科医が徹底解説!

Lumedia

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まとめ

●白内障は加齢などにより水晶体が濁った状態です。
●白内障の根本的な治療は手術です。
●「日常生活に支障があるか」が手術をする決め手になります。

この記事を書いた医師の名前

ドクターK(Doctor K)
医師

眼科医。皆さんの目を守るため、自身のメディア (オンライン眼科) および Twitter で、科学的根拠に基づいた情報発信中。

【目次】
1.白内障とは
2.白内障の原因
3.白内障になりやすい人
4.白内障の症状
5.白内障の治療法
 5.1.治療法① 目薬
 5.2.治療法② 手術
 5.3.手術をするタイミングは?
6.白内障手術の費用
7.見え方に異常を感じたら眼科へ!

白内障とは

白内障は加齢などが原因となり、水晶体が濁った状態を指します (参考文献 1) 。

水晶体はカメラでいうレンズの役割をしています。そのため、白内障になると視界がぼやけたり、まぶしさを感じたりします。白内障が進行すると視力が下がり、最終的には失明することもあります (参考文献 1) 。

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白内障の原因

白内障を原因によって分けると、次の2つに大きく分けられます (参考文献 1) 。

①加齢が原因となる加齢性白内障
②加齢以外の原因による白内障

このうち加齢性白内障がほとんどを占め、白内障の患者さんの大部分が高齢者です。

加齢以外の原因としては、ステロイドの使用や目のケガなどにより白内障を発症することがあります。

白内障になりやすい人

先程説明した「白内障の原因」にもつながりますが、白内障になりやすい人には次のような特徴があるとされます (参考文献 2) 。

●高齢者
●女性
●喫煙者
●アルコールをよく飲む
●紫外線 (特に UVB) に当たる量が多い
●糖尿病
●ステロイドの使用

女性がなりやすく、タバコ、お酒、紫外線も白内障に関係するというのはちょっと意外ですね。タバコやお酒はできるだけ控え、紫外線は紫外線カット率 99% 以上のサングラスを用いて白内障を予防するのが良いでしょう (参考文献 3) 。

白内障の症状

白内障によって水晶体が濁り始めると、物がかすんで見えたり、まぶしく見えたりします。また、物が二重に見えることもあります。

白内障が進行すると、徐々に視力が下がります (参考文献 4) 。

中には、白内障によって遠くは見えにくくなる一方で、近くは見えやすくなるという「近視化」を最初の症状として訴えることもあります (参考文献 1) 。

白内障の治療法

白内障には大きく分けて2つの治療法があります。

治療法① 目薬

1つ目は、目薬による治療です。

目薬だけで治せれば嬉しいですよね。ただ、目薬による治療効果は現時点で明確にはなっておらず、ガイドラインでは目薬による治療を積極的には推奨していません。

初期の治療で用いることはあっても、限定的な使用に留まるでしょう (参考文献 5) 。

治療法② 手術

2つ目の治療法は、白内障手術です。

白内障手術は、目薬を使った『局所麻酔』で行います。意識はありますが、目の痛みなどは感じなくなります (参考文献 4) 。

手術では、白く濁った白内障を取り除きます。その代わりに、眼内レンズという人工のレンズを入れます。

意識のある状態で行う手術なので、なるべく負担の少ない方法が嬉しいですよね。現在の主流は超音波を使った治療で、痛みもなく、30分程度で終わります (参考文献 4) 。

手術をするタイミングは?

白内障の手術が適応になるのは、症状により日常生活に支障をきたす場合であり、「視力が○○以下になったから手術をしましょう」という基準はありません (参考文献 1) 。

「仕事で車を運転するけど、ライトがまぶしいので夜に運転するのが怖い」「足元がぼやけて見えづらいのでつまづきそう」など、日常生活に支障が出ているかが重要です。

白内障手術の費用

白内障の手術自体の価格は121,000円です。眼内レンズは手術代に含まれますが、特殊なレンズ (多焦点レンズなど) を使う場合は別途費用がかかります (参考文献 6) 。

※白内障手術で用いるレンズの種類については、今後別の記事で解説するので楽しみにお待ちください。

また、白内障手術を入院して行う施設、外来で行う施設がありますので、手術費用に加えて入院費や通院費、検査代などがかかります。

見え方に異常を感じたら眼科へ!

白内障は高齢になれば、誰でもなりうる病気です。

「見え方がおかしいな」と思ったら、眼科を受診するようにしましょう!

COI

本記事について、開示すべきCOIはありません。

COIの開示基準については、日本内科学会の『医学研究の利益相反(COI)に関する共通指針』に準じています。より詳細はこちらをご覧ください。

参考文献

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