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2022.11.24

「99%除菌」の正しい意味、除菌と消毒の違い、あなたは説明できますか?

Lumedia

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まとめ

●「99%除菌」とは、「大腸菌と黄色ブドウ球菌の2種類のみについて 99% 減らせます」という意味です。
●それ以外の細菌やウイルスなどへの効果は調べられていません。
●「除菌」は「消毒」とは異なり法的な定義はなく、除菌製品は人体に使ってはいけません。

コロナ禍に入って、「99%除菌」「99.9%除菌」などの宣伝を耳にしたことのある方も多いと思います。ただ、そもそも何が 99% なのか、皆さまは正確に答えられますか?読みながら一緒に考えてみましょう!今回の記事では、意外と分かりにくい「99%除菌」という広告についての誤解を解消していきます。

この記事を書いた医師の名前

やさひふ(Yasahifu)

医師 / 皮膚科専門医 / 医学博士

Lumedia 編集長。怪しい医療情報に惑わされる患者さんを多く見た経験から Lumedia の立ち上げを決意。 皆さんのすこやかなお肌を守るため、Twitter で科学的根拠に基づいたスキンケア情報発信中。

【目次】
1.誤解1. 「99%除菌製品」は「99%の種類の菌を倒せる」という意味である
2.誤解2. 「100%除菌製品」ってあるの?
3.誤解3. 除菌製品を手の消毒に使っても良いんだよね?

誤解1. 「99%除菌製品」は「99%の種類の菌を倒せる」という意味である

非常に多い誤解が、「99%除菌と書いてある製品なら、この世の存在する大半の菌やウイルスには有効なんだよね?」というものです。

実は、そもそも「除菌」というのは曖昧な言葉です (参考文献 1,2) 。「消毒」という用語は『医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)』という法律でしっかりと定義されており、有害な菌やウイルスなどの微生物を無毒化することを意味します。一方の除菌は、菌やウイルスなどの微生物を減らすことを指しますが、「どのような菌やウイルスに有効なのか?」「無毒化する程度まで減らすのか?」など、「対象とする微生物の種類」や「除去できるレベル」などの詳細は公的に定められていないのです。

公的な決まりがない一方で、業界の自主団体が「除菌99%」という表記をする際のルールを決めていることがあります (参考文献 3) 。たとえば、日本衛生材料工業連合会の自主基準では、『大腸菌』と『黄色ブドウ球菌』の2種類の菌のみを対象として検査を行っています。

つまり、「除菌99%」という表示は、「大腸菌については 99% 減らせることを確認しました。黄色ブドウ球菌についても 99% 減らせると確認しました。でも、それ以外の細菌やウイルス、カビなどについては特にわかりません」という意味です。すべての微生物を減らしてくれるわけではないので、「除菌」と書かれた製品の効果を過信しないように気をつけましょう。

答. 「黄色ブドウ球菌と大腸菌の2種類に関しては、菌を 99% 減らせる」という意味

誤解2. 「100%除菌製品」ってあるの?

「99%除菌」「99.9%除菌」「99.99%除菌」などはよく見かけるけれど、「100%除菌」は見たことがないなぁ、と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、業界の自主規制により、「100%除菌」という宣伝はしないようになっています。消費者の過度な期待を避けるために、「完全」「100%」「絶対」など断定的過ぎる言葉の使用は禁じられているのです (参考文献 4) 。

そもそも、上述した誤解1でも記載したように、除菌製品ではすべての菌を対象として検査を行ったわけではありません。したがって、次のような但し書きが必要だとされています (参考文献 3) 。

●すべての菌を除去するわけではありません。
●本品は拭き取ることで菌を減少させるもので、すべての菌を除くものではありません。
●除菌性能テスト済み(除菌とは対象表面の菌を減少させることをいい、すべての菌を除去するわけではありません)。

ただ、実際には「99%除菌」という現行の表示では、但し書きがされていても消費者が過度な期待を抱いてしまうケースが多いようです。東京都の調査では次のような意見が寄せられています (参考文献 5) 。

●「99.9%除菌」は、具体的な説明が無いので誇大な表現である。
●「99.9%除菌」としながら、「全ての菌を除菌するわけではありません」と説明することに矛盾を感じる。
●「99.9%」は、菌の種類に対してなのか、効果のある菌の個体数なのかが不明。
●残りの 0.1% に該当する菌は何か?危険性はないのか?明記しないずるさを感じる。

除菌製品については法的な定義がないので仕方がない部分もあるかもしれませんが、メーカー側がもう少し分かりやすい表記をする方が良いかもしれませんね。

答. 業界ルールで「100%除菌」という表現は禁止されています。

誤解3. 除菌製品を手の消毒に使っても良いんだよね?

誤解1でも簡単に説明しましたが、「消毒」と「除菌」は異なります (参考文献 1,6) 。「除菌」と表示されている製品は、あくまで『雑貨品』です。法律上の規制を受けていない上、机などの「モノ」に対して菌を減らすために使うものですから、手を拭く目的などで身体には使うのは避けた方がいいでしょう。

では、身体に使っても良い製品は何なのかというと、効果効能として「消毒」「殺菌」などと表示されている『医薬品』もしくは『医薬部外品』です。こちらは薬機法で製造/表示/販売/流通/広告などに関する法律上の細かい規制があり、厚生労働大臣が品質・有効性・安全性を確認しています。手の消毒をしたいときなどには、表示をよくチェックして『医薬品』か『医薬部外品』を使うように気をつけて下さいね。どの消毒剤・除菌剤を購入する場合でも、使用方法、有効成分、濃度、使用期限などを確認し、情報が不十分な場合には使用を控えましょう。

答. 除菌製品はモノを拭く際に使うもので、手など身体に使うのは避けましょう。

COI

本記事について、開示すべきCOIはありません。

COIの開示基準については、日本内科学会の『医学研究の利益相反(COI)に関する共通指針』に準じています。より詳細はこちらをご覧ください。

参考文献

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