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2022.03.04

トマトと赤パプリカ、血流を良くする成分が多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.53】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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3月になりました。暦の上では春とはいえ、まだ寒暖差がありますね。引き続き冷え対策をされている方が多いのではないでしょうか?

冷えを改善するとされる食材は色々とありますが、今回は食卓を彩る赤い色の野菜、トマトと赤パプリカで比べてみましょう。

トマトと赤パプリカ、血流を良くする成分が多いのはどっち?

正解は、赤パプリカ

赤色の食材は、料理に彩りと鮮やかさをプラスし、見ているだけで食欲がそそられます。トマトとパプリカはどちらも同じ赤色ですが、栄養成分は異なります。

例えば「ビタミンE」には血液の流れをスムーズにする働きがあり、冷え性や肩こりの改善につながるとされています。このビタミンEがトマトには100g中0.9mg、赤パプリカには4.3mgと、赤パプリカの方が約5倍も多く含まれます。

ちなみに、パプリカには赤色のほか、黄色やオレンジなどもありますが、100g中のビタミンEの量は黄色が2.4mg、オレンジが3.1mgなので3種類の中でも赤パプリカに1番多く含まれています。

同じトマトでも「ミニトマト」は栄養がお得?

トマトの栄養といえばアンチエイジング成分である「リコピン」が有名ですよね。リコピンはカロテノイドの一種で、にんじんに多いβ-カロテン以上の抗酸化力があるとされています。

このリコピンは皮に多く含まれるので、普通サイズのトマトとミニトマトを比べると、皮の割合が多いミニトマトのほうがリコピンを摂りやすくなります。また、その他のビタミンやミネラルも普通のトマトよりミニトマトのほうが多い傾向にあるので、手軽に食べられるミニトマトは栄養面でお得といえるでしょう。

パプリカのビタミンCはレモンよりも多い!

ビタミンEが多いパプリカですが、「ビタミンC」に関しても他の食材よりも群を抜いて多く含まれています。ビタミンC食材の代表であるレモンには100g中100mgのビタミンCが含まれますが、赤パプリカには170mg、オレンジパプリカと黄色パプリカにも150mgと、どのパプリカにも豊富!

また、一般的にビタミンCは熱を加えると壊れやすい傾向にありますが、パプリカの場合は厚い果肉に守られているため、加熱をしても失われにくいとされています。

そしてソテーやオイルに漬けたマリネなどを作る際は、ぜひオリーブ油で調理してください。オリーブ油にもビタミンEが含まれており、パプリカのビタミンEと併せて摂取することができるため最適です。

また、トマトもオリーブ油と合わせる料理が多くありますが、トマトに多いリコピンは油脂によって体内に吸収されやすくなるため、こちらもオリーブ油との相性がぴったりです。

パプリカもトマトも夏のイメージがありますが、春から取り入れて体調管理に役立ててみてはいかがでしょうか?

▼参考文献

旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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