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2021.07.23

パクチーとピーマン、胃もたれしているときに取り入れたいのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.41】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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ゴーヤやオクラ、モロヘイヤやパクチー、ピーマンなど、夏においしい野菜は個性の強いものが多いように感じます。中でも、パクチーやピーマンは独特の香りが特徴的な野菜ですよね。

今回は、その”香り”に注目して比べてみましょう。

パクチーとピーマン、胃もたれしている時に取り入れたいのはどっち?

正解は、パクチー

暑い季節はエスニック料理がおいしく感じますよね。エスニック料理で定番の食材といえば「パクチー」です。料理のアクセントに欠かせない香味野菜ですが、様々な呼び名があるのをご存知ですか?タイではパクチー、中国ではシャンツァイ、そして英語ではコリアンダーと呼ばれています。

また、「カメムシの臭い」などと表現され、好き嫌いがはっきり分かれる食材としても有名ですが、その強い香りには胃を健康にする作用があります。パクチーに含まれる「リナロール」や「ゲラニオール」といった香り成分は、消化を促進するのに役立つ成分。また、食欲を増進したり緊張をほぐしてストレスを和らげたりする効果も期待できます。

そして胃もたれを解消したい場合は、油の摂り過ぎにも注意が必要です。パクチー入りのサラダならドレッシングはノンオイルで、そのほか料理のトッピングに使う際も、油脂を控えめにしてパクチーを取り入れるのがおすすめです。

ピーマンの青臭さには健康作用があった!?

一方、「青臭い」と表現されるピーマンの香りには、実は血液サラサラ作用があります。この香りのもとになる成分は「ピラジン」といい、血栓を防いで動脈硬化や心筋梗塞を予防する効果があるとされています。

ピーマンというと一般的には青ピーマンをさしますが、赤ピーマンもありますよね。未熟な実を収穫したものが青ピーマン、完熟したものが赤ピーマンで、赤ピーマンのほうがピラジン量が少なくなります。

そのため血液サラサラ作用を期待するなら、青ピーマンがおすすめです。

パクチーが苦手な場合は?ピーマンと組み合わせるおすすめ食材は?

パクチーが胃もたれ解消に役立つとはいえ、苦手で食べられない方も多いでしょう。その場合は「バジル」でもOK。バジルにもパクチーと同じ香り成分が含まれ、消化促進作用が期待できます。

また、ピーマンにはビタミンCが豊富に含まれるため、たんぱく質と一緒に摂るとコラーゲンの生成に役立ちます。そのため「ピーマンの肉詰め」は美容にもおすすめのメニュー。ちなみにピーマンのビタミンCもピラジンも熱に強いため、加熱しても豊富な栄養をとることができますよ。

人によっては苦手と感じる香りにも、健康作用があることをおわかりいただけましたでしょうか?パクチーやピーマンが苦手な方も、この機会にぜひチャレンジしてみてくださいね。

▼参考文献

旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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