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2019.06.28

母親からの遺伝だけで決まる寿命!? 細胞内のアイツが鍵を握っていた!

MYCODEトピックス

ミトコンドリアのイラスト、細胞小器官であるミトコンドリアのDNAは母親から受け継がれます(写真:Shutterstock.com)

参照元:https://mycode.jp/topics/genes/life-span/mitochondria_longevity.html?src=my_kcm_mitochondria_longevity_07

ミトコンドリアのイラスト、細胞小器官であるミトコンドリアのDNAは母親から受け継がれます(写真:Shutterstock.com)

ミトコンドリアとはエネルギーを生み出す凄いやつのこと

ミトコンドリアDNAとは、ミトコンドリアの中に含まれるDNAのことです。そもそも「ミトコンドリア」って・・・名前は聞いたことあるけどなんだっけ?

変わった生物や呪文とかじゃありません。ミトコンドリアは体内のほとんど全ての細胞内にある細胞小器官です。「細胞小器官」とは細胞内で特別な機能をもつ器官のことで、ミトコンドリアは細胞のエネルギーを供給する重要な仕事をしているのです。

細胞内では、ほとんどの遺伝情報はDNAとして「核」とよばれる細胞小器官の中にあるのですが、ミトコンドリアの遺伝情報の一部だけが特別に、ミトコンドリアDNAとしてミトコンドリアの中に存在しているのです。

父親のミトコンドリアDNAは捨てられる

ところで、私たちの持っているミトコンドリアDNAはすべて母親から引き継がれたものです。父親由来のミトコンドリアは受精のときに壊されてしまうので、子孫には父親の核のDNAだけしか伝わらないのです。

母親のミトコンドリアDNAだけが子孫に伝わることや、精製がしやすいことなどから、ミトコンドリアDNAは祖先系統を調べる研究などにもよく利用されています。

母の力は子孫に大きく影響!?

ほとんどの遺伝情報は核の中のDNAにあり、ミトコンドリアDNAはそれほど大きな働きはしていないように思われますが、近年、このミトコンドリアDNAの変異が、老化や加齢に伴う病気に大きく関わっていることがわかってきています。

スウェーデンのカロリンスカ研究所のグループは、母親から引き継いだミトコンドリアDNAが低頻度で変異している変異体のマウスを作製して、変異していないマウスと比較しました。変異マウスは、以前に示されているような老化形質を示しただけでなく、変異を持っていないマウスの寿命が平均140日程度だったのに対し、変異のあるマウスは平均100日程度と、寿命が30%も短くなっていたのです(※)。

このことは母から由来したミトコンドリアDNAの変異が子孫の寿命や健康に大きく影響を与えるということを示しているのです。長寿の母親から生まれた子は長寿、でも父親が長寿でもあまり関係ないということなのでしょうか?母の力は偉大だと改めて感じます。

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監修者

認定遺伝カウンセラー 藤田和博先生

プロフィール:昭和大学藤が丘病院での先天異常、血液腫瘍の遺伝子・染色体検査の経験を生かし、現在は大東文化大学 スポーツ・健康科学部 健康科学科教授として臨床検査学教育と研究に従事。

参考文献

MYCODEトピックスでは、病気に関する情報から、ダイエット、生活習慣や健康に関する情報、そして遺伝子に関する情報など幅広い医療・健康情報をお届けします。

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