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2022.08.16

日焼け止めと虫よけ剤はどちらを先に塗る?皮膚科専門医が解説

Lumedia

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まとめ

●日焼け止め&虫よけ剤の兼用アイテムは推奨できません……
●日焼け止めを先に塗り、その後に虫よけ剤を塗りましょう。
●日焼け止めの方はこまめに塗り直しましょう。

肌の健康を守るには、日焼け止めと虫よけ剤の両方が大切です。 Lumedia でも「日焼け止めの選び方」「虫よけ剤の選び方」の記事を掲載してきました。

ただ、この両者を同時に使用する場合の適切な方法をご存知でしょうか?

今回の記事では、日焼け止めと虫よけ剤の併用について解説していきます。

この記事を書いた医師の名前

やさひふ(Yasahifu)
医師 / 皮膚科専門医 / 医学博士

Lumedia 編集長。怪しい医療情報に惑わされる患者さんを多く見た経験から Lumedia の立ち上げを決意。 皆さんのすこやかなお肌を守るため、Twitter で科学的根拠に基づいたスキンケア情報発信中。

【目次】
1.虫よけ & 日焼け止め兼用アイテムは効果なし?
2.日焼け止めと虫よけ剤、どちらを先に塗る?
3.虫よけ剤より日焼け止めの方が塗り直しの頻度が多い
4.日焼け止めと虫よけ剤を上手に併用しましょう!

虫よけ & 日焼け止め兼用アイテムは効果なし?

最近、「1種類の塗り薬を使うだけで虫&紫外線をダブルでブロックできます!」という宣伝をよく見かけないでしょうか?

どうやら「虫よけ&日焼け止めの兼用アイテム」というグッズが多数販売されているようです。本当に虫よけ剤としても日焼け止めとしても同時に機能するスキンケア製品があるのならば、塗る手間を減らせるので嬉しいですよね。

では、医学的に見てオススメできる製品なのでしょうか?

結論から述べると、「虫よけ&日焼け止めの兼用アイテム」は一般的に推奨できません。

アメリカ皮膚科学会、アメリカ疾病予防管理センター、アメリカ食品医薬品局などはそろって「虫よけと日焼け止めは別々に塗りましょう」と提言しています (参考文献1-3) 。

たとえばアメリカ食品医薬品局によると、「日焼け止めと虫よけ剤の併用は、どちらか、または両方の成分の体への吸収量を増やしてしまうかもしれないし、“日焼け止め兼虫よけ剤”については安全で有効だと確認できない」とのことです。

塗り薬を2種類以上同時に使うと、お互いの成分に変化が起きて効果や安全性が損なわれるケースがあります。

現時点では医学的に十分な根拠がある製品とは言えないので、使用は避けるのが無難でしょうね。

日焼け止めと虫よけ剤、どちらを先に塗る?

では、別々に塗るなら、どちらを先に使用すべきなのでしょうか?

これについては、「日焼け止めが先、虫よけ剤が後」と推奨されています (参考文献2) 。

また、アメリカ皮膚科学会によると「虫よけ剤を塗るのは、日焼け止めが乾くまで待ってね」とのことです (参考文献 4) 。
先程述べたように、日焼け止めおよび虫よけ剤を完全に同時に塗ると、本来の効果が損なわれてしまうかもしれません。

あせらずに、日焼け止めを塗って少し待ってから虫よけ剤を使用してくださいね。

虫よけ剤より日焼け止めの方が塗り直しの頻度が多い

なお、注意したいのが、日焼け止めと虫よけ剤とでは塗り直しの頻度が異なることです。

以前に「虫よけ剤の選び方」という記事で解説しましたが、効果の高い虫よけ剤の効き目は6-8時間程度続きます。そのため、外出中に塗り直さなくて良いケースも多いでしょう。

一方で、日焼け止めは2時間おきを目安に塗り直さないといけません (参考文献 1) 。

また、アメリカ疾病予防管理センターも、「日焼け止めは虫よけ剤より大量に、そしてこまめに塗る必要がある」と説明しています (参考文献 2) 。

※日焼け止めの塗る量については、「日焼け止めの塗り方」という記事をご覧ください。

外出前は「日焼け止め」⇒「虫よけ剤」の順番で塗りますが、外出中には「日焼け止め」のみを追加するケースが多くなるでしょう。

日焼け止めと虫よけ剤を上手に併用しましょう!

以上、日焼け止めと虫よけ剤の併用について解説いたしました。

両方とも美肌のために重要なグッズなので、うまく活用してくださいね。

COI

本記事について、開示すべきCOIはありません。

COIの開示基準については、日本内科学会の『医学研究の利益相反(COI)に関する共通指針』に準じています。より詳細はこちらをご覧ください。

参考文献

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