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2022.12.01

「過去の自分と比べなくてよい……」マインドフル・ランニングとは

RuntripMagazine

12月は、1年の集大成を迎える時期。忙しさのあまり、ストレスを抱えてしまっていませんか? 今回は、そんなあなたにピッタリのトピックをご紹介します。それは、ストレス解消や集中力アップに効果的なランニングとマインドフル瞑想を組み合わせるマインドフル・ランニング。

皆さんは『マインドフルネス』という言葉をご存知でしょうか。マインドフルネスとは、過去に起こってしまったことや未来への不安にフォーカスするのではなく、自分が体験している『今』を認識すること。現在のありのままの状態を認識することで、物事に対して反射的に不安を抱いたり、過去のネガティブな体験を繰り返し考えたりすることなく、ストレスに対する反応をコントロールできるそうです。

今回、私が体験リポートするのは携帯アプリの音声ガイドの瞑想ラン(Meditation run)です! 使用したのはナイキのランニングアプリ『Nike+Run Club』の米国バージョン(音声は英語)。いくつもの音声ガイドの中から気に入った瞑想ランニングを選び、再生します。内容は、マインドフルネス瞑想のコーチとランニングのコーチのコラボレーション。大人気の瞑想アプリHeadspaceの創設者であるアンディ・パディコムさんとNike Run Clubグローバルコーチのクリス・ベネットさんの対話形式です。

私は通常ポッドキャストやノリノリの音楽を聴きながら走ることが多いのですが、音声ガイドで落ち着いたランニングをトレッドミル(屋内)と雪の中(屋外)で計5回試してみました。それでは、学んだポイントをご紹介します!

マインドフル・ランニングのポイント

走っている最中は自分の呼吸に集中する

今、この瞬間に目を向ける一番の近道は、自分の呼吸を意識したり、数えたりすることだそうです。マインドフル・ランニングの音声ガイドが通常と違うのは、コーチ2人の対話の間に何度か無音になることです。

例えば……
「これから数分間は、今走っている周りの環境に注意して走ってみましょう。周りに何が見え、何が聞こえますか? 今どのような匂いがしますか? あなたはどのように呼吸をしていますか?」など。マインドフル・ランニングは、まさに自分と向き合う時間です。

足どりに注目してみる

呼吸だけではなく、走っているときに自分の足音に注目してみることも効果的なのだとか。音声ガイドを利用せずに、自分の足音を利用して簡単にマインドフル・ランニングを体験できます。1から自分の好きな数まで足音を「1,2,3,4……19,20(もしくは他の数)」と繰り返し数え、走っている自分の『今』に意識を向けます。

考えていることや感じていることを、ただ認識する

多くのストレスを抱えていると、悩みを忘れたいあまりに自然に湧いてくる感情や考えを押し殺そうとしてしまうことがあります。例えば「走っている間は、○○について考えてはダメ! 」「そのことについてはもう忘れよう」など。しかしマインドフル・ランニングでは、あれこれ考えてしまってOKです。その代わりに「今自分はこう感じているな」「今自分は○○について考えているな」と認識し、受け入れます。

コーチからランナーへのアドバイス

忙しくても走り始めはゆっくり

ランニングとは、ただ機械的に身体を動かす運動ではありません。ウオーミングアップは省略せず、ゆっくりと余裕あるペースでランを始めることで、筋肉や関節はもちろんのこと、徐々に頭と心の調子を整えることが大切です。

他の人と比べない。そして、過去の自分とも比べなくてよい

『他人と比較しない』というアドバイスはよく聞きますが、『過去の自分とも比較しなくてよい』とは初めて聞いたので、驚きました。例えば「先月は週に○○回走ったからそれを上回りたい」というようなランニングの目標だけでなく、生活のあらゆる側面で自分自身にプレッシャーをかけている呪縛を解くことで、ありのままの自分を受け入れられるようになるそうです。

マインドフル・ランニングの良いところ

マインドフル・ランニングの良いところは、自分の限界に挑戦したり、記録を破ったり、心肺機能を改善するために走るのではなく、ありのままの自分を受け入れて走ることを目的としているため、“気楽に” 取り組めることでした。仕事や私生活で頑張ることに疲れている時でも、マインドフル・ランニングなら続けられると感じました。また、マインドフル瞑想とランニングを組み合わせることで、以前から気になっていた瞑想が一気に親しみやすいものに感じられました。

最後に

忙しい年末年始は、ストレスと上手く向き合って過ごしていきたいものです。マインドフルネスや瞑想初心者の皆さまは、ランニングの新しい楽しみ方として、マインドフル・ランニングを試してみてはいかがでしょうか。普段から瞑想を生活の中に取り入れている皆さまは、ランと瞑想を組み合わせてみてはいかがでしょうか。

記事を書いた人  戸上絵理

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