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2021.07.12

寝苦しい夜を健やかに眠るにはこんな方法でよかった!【眠りの秘めたる力#18】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・西谷綾子

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気温が上がってくると、眠りの面ではジメジメ、ムシムシと寝苦しい夜が多くあります。梅雨の時期から暑い夏にかけては、高温多湿で身体にダメージが残りやすいもの。だからこそ、ぐっすり眠ってしっかり疲れをとりたいというのが正直な気持ちでしょう。

体調を崩さず、日中のパフォーマンスを落とさないためにもこのコラムを読んで、ぜひ質の良い睡眠を意識してつくっていってください。

寝苦しい夜もちょっとした工夫で快適になる

暑くなる季節は日照時間の変化に注意

日々を忙しく過ごしているとわかりにくいですが、冬に比べて徐々に日照時間が長くなっていたのにお気付きでしょうか?
私たちの睡眠は一年を通して一定ではありません。
日の出との関係で、私たちの睡眠は自動的に微調整されます。
日照時間、つまり季節によって私たちの取るべき睡眠時間は変動するのです。

夏至の日の出は朝4時半頃
冬至の日の出は朝7時頃

日照時間の長い夏は睡眠時間が短くなり、日照時間の短い冬は睡眠時間が長くなります。
個人差はありますが、夏至と冬至では睡眠時間が約2時間の差があると言われます。
まずはこの基本的な部分を押さえておくことが夏の睡眠を考える際に必要になります。

睡眠はスタートでどれだけ深くするかがカギ

睡眠時間が短くなる分、暑くなる季節の睡眠はとにかく最初を深くすることが大切です。
身体組織を修復・再生するのに必要な成長ホルモンが主に分泌されるのは、眠りに入ってから最初の3時間です。眠り始めの3時間で深い睡眠が作られなかったら、どれだけ眠っても身体は回復しません。
全体を長くとらずに、コンパクトに深い眠りをぎゅっと作っていくイメージになります。

ぐっすり眠るには眠り始めに、深部体温が急激に下がるようにすることが大切です。
そのためには以前お伝えしたように、入浴やストレッチなどを行うことで一度深部体温を上げましょう。

■風呂やストレッチの効果を知りたいならこちら

どちらも、発汗することで、汗が蒸発し深部体温が下がります。

しかし、注意したいのは気温です。
夏の場合、高温多湿の部屋では汗が蒸発しません。また、日中の日差しで寝室の建材や寝具に熱がこもっています。
このまま眠っても、汗は蒸発しないですし、結果、うまく深部体温が下がらずにグッスリ眠れないというケースにつながりやすくなります。

快眠にはエアコンを有効活用しよう

では熱のこもった部屋や寝具にどのような対策をしたらいいのでしょうか。
まず帰宅したら寝室の熱気を取るために窓を開け換気しましょう。
そして、眠る30分〜1時間前になったらエアコンを25度程度と低めに設定します。
こうすることで眠る前に寝室や寝具を先に冷やしておくのです。

多くの方が行いがちなのが、就寝するタイミングでエアコンをつけること。
一見有効に見えますが、眠り始めのベットは熱を蓄えたままなので、入眠時の体温がなかなか下がりません。
眠る前から、先に寝室や寝具を冷やしておくことがポイントです。

エアコンの温度調節で寝入り端を快適に

人間は入眠からの90分間に最も汗をかきます。
グッスリ眠るためには睡眠中の汗をしっかり蒸発させることも大切です。
ここでもエアコンをうまく使うと良いでしょう。

入浴1時間後、身体が放熱を始めたタイミングで寝室に入りエアコンは28度程度の設定に変えて就寝します。
すると、寝具が熱を吸い取り深部体温の低下をサポートし、深い睡眠へと繋げてくれます。
睡眠中のエアコンのタイマーは、3時間が経ったら切れるように設定しておきましょう。

もしも、睡眠の後半からつけたいなら、一晩中つけている方が良いことが分かっています。
途中で切れるようにせず、そのままつけるようにしましょう。

ちなみに、高齢者に寝室での熱中症が多いと言われています。
これは、高齢者は発汗が少なく、暑さの感覚が鈍っているため。
暑いと感じた時にはすでに体内温度が上昇していることが多いので、こまめにチェックし気を付けましょう!

エアコンが苦手なら扇風機や除湿機で代替を

エアコンの冷たい風が苦手という方もいるかもしれません。
そういう場合は、扇風機で部屋の風通しを良くしておくと、格段に眠りの質が上がります。

扇風機を回す際は直接風が身体に当たらないようにしておきましょう。
起床前に深部体温を上げる時に妨げになり、体調を崩しやすくなってしまいます。

また、就寝前はエアコンと同様に扇風機を寝具に当てておきましょう。
もし、布団乾燥機をお持ちでしたら、夏用モードがあると思うので、寝具を乾かすのも有効です。

またエアコンが苦手でも、除湿器をもっている方は、就寝1時間前に除湿器とエアコンを一緒にかけると、冷え過ぎず身体にも心地よい感じでさらっとします。
このようにエアコンが苦手でもピンポイントで使うことで、快適に眠りにつけるようになります。

湿度と気温対策で快眠を!

エアコンや扇風機の使い方をご紹介しましたが、大元のベッドをすのこベッドのような通気性の良いものに変えるのも良いでしょう。
布団の下に敷くことで放湿にとても役立ちます。
また、昼間の対策として、寝室には遮光カーテンをしておき、帰宅後に窓を開けるようにすると、昼間の熱がこもりにくく、眠りの準備を行いやすくなります。
取り入れられそうなものをぜひ行って、夏の眠りを快適にしましょう。

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

睡眠改善インストラクター。
眠りのエキスパートとして、ワークショップや講演会などで活動中。自身のYouTubeチャンネル『あや吉チャンネル』では快眠のためのワンポイントアドバイスも行っている。
ランニングにも注力し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、初心者教育も行う。

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