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2021.05.14

ブロッコリーとバナナ、たんぱく質を多く含むのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.36】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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いまやアスリートに限らず、日頃から身体を鍛えている方が多くなりました。コンビニやスーパーには、プロテイン飲料をはじめとするたんぱく質をプラス摂取できる商品が続々と発売されています。

では、たんぱく質を摂りやすい身近な食材はなんでしょうか?まず肉をイメージする方が多いと思いますが、今回は植物性のアノ食材で比べてみましょう。

ブロッコリーとバナナ、たんぱく質を多く含むのはどっち?

正解は、ブロッコリー

野菜はたんぱく質食材としては不向きなイメージがあると思いますが、野菜の中でブロッコリーは特別です。ブロッコリー(生)のたんぱく質は、100g中3.8gで肉や魚と比べれば格段に少ないのですが、野菜の中ではトップクラスの含有量です。

しかもブロッコリーはビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含む万能な緑黄色野菜。特にたんぱく質を代謝して筋肉合成を促すビタミンB6が豊富なので、トレーニング中の人にも人気の野菜となっています。

また、カロリーを抑えながらもたんぱく質をスムーズに摂ることができるという、野菜ならではのメリットもあります。

バナナの糖質でスタミナアップ!

一方バナナにもたんぱく質は含まれますが、その量は100g中0.7gと少量です。

ただ、すばやくエネルギー源になる糖質(果糖やブドウ糖、ショ糖など)と持続力のある糖質(でんぷん)の両方が含まれているので、運動時のエネルギー補給源として優れています。

またバナナの糖質の中には、便秘の予防効果で注目されている「オリゴ糖」も含んでいるのが特長です。

ブロッコリーは茹でないほうがいい?バナナの筋は食べるべき?

ブロッコリーは食べるときに加熱をしますが、加熱方法は「茹でる」と「電子レンジ加熱」のどちらをされていますか?

実は、電子レンジ加熱の方が栄養は多く残ります。茹でたものとレンジ加熱したものを比較した結果、たんぱく質は1.5倍、ビタミンB6は約3倍、カリウムは2倍以上、カルシウムは約2倍など、すべての栄養素で電子レンジ加熱のほうが勝ります。

特に激しい運動をすると鉄分が失われやすくなりますが、ブロッコリーは鉄分が多い上に鉄分の吸収を促すビタミンCも多い野菜です。この2つの栄養も、電子レンジ加熱の方が残る成分量は多くなります。

続いてバナナは、運動時や朝食、おやつにぴったりな手軽な食材ですが、皮をむいた時の「筋」はどうしていますか? 

バナナの筋は、もともとはバナナが成長する際に茎から実へ栄養を運ぶ通り道だったもので、この筋には抗酸化作用があることがわかっています。筋の食感が苦手という人が多いのですが、できれば取り除かずに食べたほうがおすすめです。

簡単にできる効率的な栄養の摂り方を参考に、ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてくださいね。

▼参考文献

・旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/X-Knowledge)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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