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2021.05.14

飽食の時代に栄養が足りない?日本人に不足中のミネラルとは

kencom公式:管理栄養士・磯村優貴恵

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現代は「飽食の時代」とも呼ばれるほど食べ物が世の中にあふれており、食べ物の内容を選ぶことができるだけでなく、外食以外にも総菜を買って家で食べる中食や好きな食材を買って家で調理するなど様々なスタイルが確立されています。
さらには好きなお店のドリンクやフードメニューを注文すると自宅まで届けてくれるデリバリーサービスもここ数年で進化しました。

しかし、こんなにも食べ物、食べ方には充実している一方で現代人は「栄養失調だ」ともいわれています。
今回は現代人特有の栄養失調についてお話しします。

飽食の時代なのに、栄養不足になる人増加中?

現代版栄養失調はエネルギー不足ではない

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私たちは普段、様々な栄養素を含んだ食材を食べて生活しています。
栄養素は大きく2つに分けられます。

①エネルギー源となるもの

エネルギー源になる栄養素は糖質、脂質、タンパク質です。
いわゆる3大栄養素と呼ばれるものです。

②エネルギー源にはならず、代謝や身体の機能を整える役割があるもの

ビタミン、ミネラル、食物繊維などがここにあてはなります。
例えばエネルギー源をきちんとエネルギーとして使える状態にする(代謝する)ために必要だったり、骨や歯の成分になったりする栄養素がここにあてはまります。

一般的な『栄養失調』と言えば、身体が痩せて元気がない印象を思い浮かべるのではないでしょうか。
これは①のエネルギー源が足りていないと見られる状態です。
昔は食べ物自体が不足していたので、よく発生していました。

しかし、現代の栄養失調は少し様子が違います。
食べるものは十分ある、またはお腹いっぱい食べているのに身体が常に不調を起こしている状態。
すなわち①のエネルギー源は十分足りているのに、②の身体を整える役目の栄養素が不足している状態が増えています。
(もちろん、エネルギー源である栄養素が不足していることもあります。)

昔も今も身体を作る栄養素が不足しているという点では同じですが、その栄養素の中身が変わってきているのです。

特に気を付けたいミネラル不足とは?

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どのような栄養素が不足しているかは年齢や性別、生活スタイルによって大きく変わってきますが、中でも気を付けてほしいのが「ミネラル不足」になります。
特にカルシウムや亜鉛は偏った食事をしていると不足しやすい栄養素なので注意が必要です。

カルシウムはミネラルの中でも知名度が高い栄養素のひとつで、骨や歯の土台として欠かせないほか神経系にも関与している大切な栄養素。
一方の亜鉛は細胞の生まれ変わりを助ける機能の他、精力増強、味覚の維持など様々な働きがあります。

また、女性に多く見られるのが「鉄不足」です。
特に月経がある女性は鉄が不足しやすいため意識して摂り入れた方がよいでしょう。
その他にも激しい運動をされている方も鉄の喪失量が増えやすいため注意が必要です。

不足しがちなミネラルを多く含む食材や取り入れやすい食べ方

食事から摂るにしても、今足りない栄養素をどう食事から摂ればいいのか悩む方も多いかもしれません。
今回は最も不足しやすいカルシウム、亜鉛、鉄を手軽に摂り入れるための方法をご紹介します。

カルシウム

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カルシウムは乳製品に多く含まれていますが、乳製品が身体に合わないと感じるならば、骨ごと食べられる魚や小松菜、チンゲン菜などの野菜、わかめやひじきなどの海藻類を食べるようにしましょう。
魚を家で調理するのが難しいという方は煮干し粉もおすすめです。
丸ごと食べられる煮干しを粉末状にしたもので、使い方はお味噌汁や炒め物などに加えるだけと簡単です。

その他にもしらすも丸ごと食べられて調理が不要な食材になります。
1度に食べられる量は限られてしまいますが、大切なのは「毎日続けること」です。

また、飲みにくいともいわれますが、硬度の高い水には軟水に比べてカルシウムやマグネシウムを多く含んでいます。

亜鉛

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亜鉛は海のミルクともいわれる牡蠣や牛肉(特に赤身の部分やレバー)、卵やナッツ、大豆製品などに多く含まれます。
例えば豆腐の味噌汁にたまごを加える、などであれば手軽に実践できそうですね。

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鉄はレバーに多く含まれますが、そのほかにも赤身の肉やほうれん草、小松菜などに多く含まれます。
レバーが苦手という方は細かく刻んで赤身の牛ひき肉に混ぜ合わせてハンバーグにすると食べやすくなります。
また、炒め物も鉄のフライパンを使う、鉄瓶でお湯を沸かすといった方法でも鉄をとることか可能です。

どう補うべき?サプリより食事の方がいい理由

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食事で不足した栄養をとりきれない場合に活躍するのがサプリメントになります。
最近ではドラッグストアなのでも手軽にサプリメントを求めることができます。
ただし、サプリメントを活用するときは「補助食品」であることを忘れずに使うようにしましょう。
栄養素によっては過剰摂取になる恐れもありますので、用法・用量をきちんと守ることを心がけましょうね。

また、気軽に摂れてしまうが故に、ヘビーにサプリメントを使いまわしてしまう方もいますが、それは要注意。
1番のおすすめは食事からきちんと摂ることです。
食事をするということは、よく噛んで口~胃腸、肛門まですべての臓器を使うことになります。
口周りや胃腸にはたくさんの筋肉があり、食べてしっかり動かすことで「筋トレ」にもなります。

逆にサプリメントだけで過ごしてしまうと胃腸をたくさん動かす必要がなくなります。
筋トレをしないと筋肉が衰えていくように、臓器も使わないとだんだん弱ってきます。
また、サプリメントだけでは味や香りも特になく、お腹がいっぱいと感じにくくなります。精神的な満足感の違いもあります。

まずは1食から見直しを!

毎日を忙しく過ごしているとついつい食事がおろそかになってしまうこともあるかもしれません。
しかし、健康な身体は何よりも大切なもの、そして日々の食事が未来の身体を作ります。
生活習慣を整えることはもちろんですが、まずは朝・昼・夜の1食からでも見直してみませんか。

磯村 優貴恵(いそむら・ゆきえ)

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大学卒業後、大手痩身専門のサロンにて管理栄養士としてお客様の身体をサポート。その際に具体的な料理提案の必要性を感じ、飲食店の厨房にて約3年間の料理修行を行う。
その後、特定保健指導を経て独立。現在は、茶道教室にて茶事講座や茶事での茶懐石の献立提案~調理を行うほか、子供から大人まで家族みんながおいしく食べられて健康になれるよう、レシピ・商品開発や執筆など幅広く活動中。

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