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2020.10.22

NG食品を見極める、商品ラベルの「裏読み」術|食品添加物フリーのしょうゆは「天然醸造」

東洋経済オンライン

安心安全な商品を選ぶ際の視点や、家計の負担にならないよう日々の食卓を豊かにする方法を紹介します。写真と本文は関係ありません(写真:IYO/PIXTA)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/381380?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

安心安全な商品を選ぶ際の視点や、家計の負担にならないよう日々の食卓を豊かにする方法を紹介します。写真と本文は関係ありません(写真:IYO/PIXTA)

コロナ禍で自炊する回数が増え、食品の質や安全性に対する意識が高まった人も多いのではないでしょうか。

百貨店やスーパー向けの食品バイヤー業やアドバイザー業を行う岩城紀子氏の新刊『裏を見て「おいしい」を買う習慣』では、安心安全な商品を選ぶ際の視点や、家計の負担にならないように購入しながら日々の食卓を豊かにする方法を説いています。

本稿では、同書から一部を抜粋しお届けします。

あなたが食べているものは「本物」ですか?

私たちは、食べているものの正体をどのくらい知っているでしょうか。

例えば梅干し。ちゃんと塩漬けして、ちゃんと天日で干した梅干しは本来腐らないものです。時間がたつことで熟成し、酸味や塩味だけでなく、まろやかなうま味が膨らんでくるものです。

本来は何年経っても食べられるはずなのに、スーパーで売っている梅干しには賞味期限があります。梅干しなのに数カ月で腐っちゃうってどういうこと? 理由のひとつは、減塩梅干しが人気だからです。塩を減らすと腐りやすくなりますが、大量生産、大量販売の現場では保存性が大前提。そこで保存料などの添加物を入れる必要が出てきます。余計なものが入るので、味のバランスが乱れます。梅干しっぽい味に調整するために、酸味料や甘味料も追加されます。気がつくと不思議な味の梅干しになってしまうのです。

キムチもそう。本来は発酵食品であるはずのキムチですが、なかにはまったく発酵していないキムチもあります。単にキムチ味に調合した添加物たっぷりの調味液の中に野菜をつけてあるだけのものです。これをどれだけ食べたって、腸内細菌の善玉菌が増えることはありません。

チョコレートもそうです。チョコレートとは本来、カカオ豆から作ったカカオマスに、カカオからとれたカカオバターを加え、砂糖や粉乳で味を調えたもの。とてもシンプルなのです。しかしカカオバターが高価なので、植物油脂を加えて作るチョコレートが日本では一般的です。問題はその割合です。

EUでは、植物油脂が5%以上入っているものは「チョコレート」と記載できません。チョコレートの本場ベルギーは、植物油脂がほんの少しでも入っていれば「チョコレート」と表示できないのです。それに対し日本では、植物油の添加量の規定がありません。単にカカオ豆由来の成分が35%以上であれば「チョコレート」と表示できるのです。15%以上であれば「準チョコレート」と表示されます。

もちろん、良質のチョコレートもたくさんあり、日本のレベルは外国に負けていません。ただ「本物」が何かがわからないように目くらましされている現実を知ってほしいのです。

調味料だって同じことです。

日本の伝統的な調味料は、「発酵」というすばらしい技術を用いてつくられたものです。発酵とは、細菌やカビなどの微生物によって食品を分解させ、私たちの体にいい成分に変化させることを言います。それだけでなく、独特の味や風味が加わり、食べ物をおいしくしてくれるのです。日本の発酵食品は、調味料のほかにも納豆や漬物など数多くあります。魚を麹などに漬けた「○○ずし」などもよく知られていますね。季節ごとに食べられる野菜や魚が限定されていた時代、食品を長持ちさせることができ、おいしくもなり、しかも健康にもいい「発酵」は、すばらしい保存技術だったのだと思います。

そうやってつくられたものが「本物」だとしたら、現在の調味料はあらゆる手立てを使って「本物に近づけた」ものが多いのではないかと思います。原材料も違う、製造方法も違い、製造にかかる時間や人手も違います。そして食品添加物という昔には存在しなかったものも使われています。

本物と本物っぽいもの。この2つには大きな違いがあります。味はもちろんですが、価格も違うのです。ニセモノ度が高ければ高いほど、価格が安くなっているのは事実です。

私は「絶対に本物を買いなさい」と言うつもりは毛頭ありません。「こんな調味料は買ってはいけない。こっちを買いなさい」などと言うつもりもありません。「本物」はけっして安くありませんし、簡単にどこでも手に入るものでもありません。お金と時間をどこにかけるかは人それぞれです。好みもありますよね。「私は安い準チョコレートが好きなのよ」という人もいていいし、私だって添加物の入ったポテトチップスを食べたくて仕方がないときもあります。

いいんです。何を食べてもいいんです。ただ、自分が食べているもの、飲んでいるものの正体を知ってください。何が使われていて、何が使われていないのか。どんな製造方法なのか。それを知っているのと知らないのとでは、これからの人生が違ってくると私は思うのです。

「本物」を買いたければ、裏を見て!

さて、ここからは私が知っておいてほしいと思うことを書かせていただきます。

いちばんのテーマは、商品を選ぶ前に「裏を見る」習慣をつけてほしいということです。裏側のラベルには、ちっちゃな文字であれこれ書かれています。

とくに注目してほしいのは「原材料名」です。一般的なスーパーには、同じジャンルの商品が何種類も並んでいますので、原材料名と価格を比較しながら見ていただくと、いろいろな気づきがあるのではないでしょうか。

一般的に、安いものは原材料が多い傾向にあります。しかもカタカナやアルファベットが混じっていたり、謎の暗号みたいなものもいっぱいあります。逆に価格が高いものはシンプルです。米とか、大豆とか、塩とか。

製造方法に関しては表示されている商品とそうでないものがありますが、こだわりのあるメーカーが「うちはこんなに頑張って、こんな方法で作っていますよ!」と伝えるために、パッケージにいろいろ書いているものです。そこもしっかり見てください。

私はとくに「調味料はいいものを」と思っていますから、「裏読み」の例として調味料の裏の読み方をご紹介しましょう。

しょうゆの裏読み、おすすめは「天然醸造」

しょうゆの値段はまさにピンキリです。1リットル300円以下もあれば、1000円を軽く超えるものもあります。その違いはどこにあるのでしょう。

ひとつは原材料です。「大豆」もしくは「丸大豆」と書かれたものと、「脱脂加工大豆」と書かれたものがあると思います。丸大豆とは加工をしていない大豆のことで、丸大豆のしょうゆには大豆本来のうま味やコクがあります。丸大豆には国産と輸入品がありますが、輸入品は遺伝子組み換えでコストをかけずに大量生産されたものも多いのです。安価ですが、ポストハーベスト(農薬)の問題もあり、健康面での懸念があります。国産の遺伝子組み換えでない丸大豆を使ったしょうゆは値段も高くなります。

脱脂加工大豆を使ったしょうゆはかなり安くできます。大豆油をしぼった後のしぼりカスを使って、短期間で発酵・熟成させて造るからです。戦後の大量生産時代に使われ始めたもののようです。

しょうゆの品名も見てください。「しょうゆ(本醸造)」と書かれているものが8割がただと思います。「本醸造」とは、大豆(脱脂加工大豆も含む)に小麦と塩を加えた昔ながらの製造方法で、アミノ酸液や酵素分解調味液などを添加したものは「混合醸造」と表記されています。


『裏を見て「おいしい」を買う習慣』(主婦の友社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします(紙版はこちら、電子版はこちら

本醸造でも添加物を加えたものがありますから、「本醸造なら昔ながらの製法で安心」と言いきることはできません。発酵を促進させるための酵素、長持ちさせるための保存料、味つけのためのアミノ酸などが追加されても本醸造と表記できるので注意が必要です。

私が選ぶのは、ラベルに「天然醸造」と表記されたものです。天然醸造は、本醸造製法で造られたうえで、さらに「発酵促進のための酵素を添加しない」「食品添加物を使用しない」というルールがあります。原材料名は、大豆・小麦・塩のみとシンプルです。

熟成方法にも私は注目します。現在はほとんどのしょうゆがステンレスの樽で熟成されていますが、あえて昔ながらの木桶で造っているメーカーさんのものを選びます。味に深みとコクがあり、これをちょろっとかけるだけで煮物でも刺し身でも豆腐でも、本当においしくなるんですよ。

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岩城 紀子:Smile Circle 代表取締役

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