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2020.10.14

【最新文献から学ぶ】脳の働きを高める栄養素は魚だけじゃなかった?

ダイエットプラス

規則正しい食生活は、肥満や糖尿病などの生活習慣病を予防するだけでなく、脳の働きにも重要なのをご存知でしょうか。その中で、今年6月にイギリスの大学で発表された「学歴と食生活とのつながり」では、食生活の中でも特に鉄(分)や葉酸の栄養素について言及されました。今回、管理栄養士が脳によい栄養素を紹介するとともに、それらの栄養素を使った節約レシピも紹介したいと思います。

最新文献「学歴と食生活とのつながり」の内容を簡単に紹介!

研究方法とは?

イギリスの大学は世界保健機関欧州事務局(WHOヨーロッパ)と共同で、社会経済的地位、学歴と食生活との相互作用に関して調査をしました。その際に、ヨーロッパ12ヵ国に渡る19歳から64歳の男女、27334人の国民データーが使用されました。また、社会経済的地位の指標に、GDP(Gross Domestic Product)が使われています。GDPとは、国が1年間でどれだけ儲けたかを示す国内総生産量です。

研究結果は?

「教育水準が高い人ほどと、健康的な食事の一環とされる栄養素、特に鉄分と葉酸の摂取量が多いことがわかった」と示されました。

論文中では、「教育水準が低いと年収の少ない職業に就くこともあるため、その場合、予算内の食費で健康的な食事をするには制限される場合がある。その結果、食生活の質が悪くなることも考えられる」と説明されています。

今回、教育水準の違いで、この鉄分と葉酸の摂取量の違いが特に取り上げられましたが、実はこれらの栄養素は、脳の働きに重要な栄養素であるのをご存じでしょうか。また、栄養バランスが整った食事は一見、食費が高くなりがちだと思われますが、工夫しだいで、食費をおさえることが出来ます。次に脳によいといわれる栄養素をいくつか紹介したいと思います。

脳の働きに重要な栄養素を紹介

栄養素1:魚由来のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)

頭によい食品と言えば、魚と思われる方もいるかもしれません。魚の油に多く含まれているEPAやDHAはオメガ3脂肪酸とも言われている脂質の1種です。特にDHAは、脳をはじめとする神経組織に多く含まれ、それらの発育や機能維持に重要な役割を果たすことが報告されています。

また、これらの栄養素が私たちの健康にどのように効果があるかなどに関する研究が色々と進められています。そんな中、国立健康・栄養研究所が運営する「健康食品」の安全性・有効性によると、「DHAやEPAは冠状動脈疾患への有効性が示唆されている」とのみ説明されています。

つまり、DHAやEPAを摂ると、どのように脳によい影響を与えるかなどの有効性の確立は、さらなる研究が必要になっています。

DHAやEPAを多く含む食品:魚介類

栄養素2:鉄(分)

鉄(分)は、身体全体に酸素を送ってくれる赤血球のヘモグロビンに多く存在しています。そのため、鉄(分)の摂取が不足すると酸素の供給が十分にできずに、「鉄欠乏性貧血」になります。また、脳にも十分に酸素が供給されず、集中力や頭痛の症状が出ます。

鉄を多く含む食品:鉄(分)には2つの種類があり、肉類や魚介類などに多く含まれるヘム鉄と、野菜などに多く含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収がよいだけでなく、ヘム鉄を利用することで非ヘム鉄の吸収もよくなります。

栄養素3:葉酸

葉酸は、赤血球の形成やDNAの合成にかかわっています。そのため、葉酸の摂取が不足すると、「巨赤芽球性貧血、あるいは悪性貧血」になります。息切れや疲労感などの貧血の症状がでます。

葉酸を多く含む食品:緑黄野菜、豆類、果物類

脳によい食品を使った節約レシピ3つ

レシピ1:旬さんまのトマト煮込み

DHAやEPAが豊富なさんまをメインとした主菜です。緑黄野菜のトマトで葉酸も取れるだけでなく、トマト缶を使うので簡単に作ることができます。また、一人分110円で作れるのが嬉しいですね。

レシピ2:鯖缶と切り干し大根の炒め煮

鯖の味噌煮缶を使用するために、いつでも利用できるだけでなく、味付けが不要なのが便利です。サバはDHAやEPAが豊富だけなく、鉄が吸収されやすい「ヘム鉄」を含みます。また、緑黄野菜の人参で葉酸も取れます。こちらの主菜は一人分約150円が目安です。

レシピ3:アジのごまシソ焼き

EPAやDHAが豊富なアジがメインの主菜です。葉酸が豊富なシソやゴマの香りで、塩分対策にもぴったりのメインです。一人分約100円です。

まとめ

節約しながらでも、食生活のバランスを整えよう

今回、イギリスの大学で発表された最新文献を紹介しつつ、脳によい栄養素を使った節約レシピを紹介しました。今まで、食費の関係で栄養バランスが整った食事を実践できていなかった方は、今回紹介した節約レシピをもとに、日々の献立を見直してみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
「学歴と食生活のつながり」(国立健康・栄養研究所)
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=70682&-lay=lay&-Find.html
(アクセス日:2020年8月6日)

「Inequalities in education and national income are associated with poorer diet: Pooled analysis of individual participant data across 12 European countries」(Plos One)
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0232447
(アクセス日:2020年8月18日)

「生活習慣病とは?」(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-001.html
(アクセス日:2020年8月13日)

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
(アクセス日:2020年8月18日)

「EPA」(国立健康・栄養研究所)
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail31lite.html
(アクセス日:2020年8月18日)

「DHA」(国立健康・栄養研究所)
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail32lite.html
(アクセス日:2020年8月18日)

(著者:ウィリアムズ 早苗 (管理栄養士))

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