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2020.10.10

ランナーの筋力UPに『鮭』。疲労回復や老化防止にも

RuntripMagazine

涼しくなり、走りやすい時期になりましたね。気温の変化が大きいこの時期、「外側からも内側からも、しっかりとケアをしてコンディションを整えたい! 」というランナーは多いはず。

国際中医薬膳師でフードコーディネーターの荒井直子さんが『ランの前後に摂るといいオススメ食材』を紹介する連載です。
10月のテーマは、筋力UP & 疲労回復にオススメの食材『鮭』。

前回はたくさん汗をかいた後にオススメの食材『いちじく』をご紹介しました。

筋力UP & 疲労回復に『鮭』

10月も半ばになり、走りやすい季節になりました。この時期、地方のマラソン大会などに出場することをラントリップの楽しみにしている人は多いのではないでしょうか。インスタグラムの#runtripにアップされる写真にも、そういった写真が増えてきましたね。皆さんの活躍を楽しく拝見しています。さて、今月は、そんな皆さんを応援すべく『筋力UP & 疲労回復』におすすめの食材をご紹介したいと思います。

今月、私がおすすめするのは『鮭』です。
世界の漁獲量の約1/3が日本で消費されているほど、鮭は日本人には馴染みのある魚。焼魚、おむすびの具などで、日常的に食べている人は多いので、「な~んだ鮭か」と思った人もいらっしゃるかもしれませんね。

さて、ここで皆さんに質問です。
鮭は、赤身の魚か、白身の魚か。どちらだと思いますか?
そして、あなたが食べてるのは、本当に『鮭』ですか? もしかして、サーモンだったりしませんか?

鮭とサーモンって違うの?ランナーにおすすめなのはどっち?

どちらも分類上はサケ科の魚で大きな違いがないため、『サーモン=鮭』と思われがち。サーモンは、主に『アトランティックサーモン(タイセイヨウサケ)』のことを指し、鮭は『鮭(サケ/シロサケ)』のことを指します。
鮭は天然が主なので、寄生虫の心配もあって生では食べられません。サーモンは養殖が主で、生食が可能。鮭に比べて脂がのって身もやわらかく、お刺身やお寿司としても楽しむことができます。
この他にも、銀鮭、紅鮭、キングサーモンなど種類がありますが、鮭と同じく天然ものが主なのは紅鮭だけ。また、サーモントラウトは鮭ではなく、『ニジマス』のことを言います。

ランナーさんにぜひ覚えておいてもらいたいのは

・鮭よりサーモンのほうが脂量が多く、カロリーが高い
・たんぱく質量は鮭のほうが多い

ということです。

皆さんもご存知の通り、筋肉のもととなるのは『たんぱく質』です。
もちろん、魚の脂もからだには必要なものではありますが、筋力UPという目的では、迷わず『鮭』を選びましょう!

たんぱく質の代謝には、ビタミンB₆も必要です。鮭(シロサケ)は、サーモン(アトランティックサーモン)と比べて、4割ほどビタミンB₆の含有量が多く、体内に取り入れたたんぱく質を確実に利用することができます。

(左が鮭、右がサーモン)鮭のほうが脂分がが少なく、効率よくたんぱく質を摂るのにおすすめ。

参照元:https://mg.runtrip.jp/archives/50284?utm_medium=rss&utm_source=kencom

(左が鮭、右がサーモン)鮭のほうが脂分がが少なく、効率よくたんぱく質を摂るのにおすすめ。

実は、鮭は白身の魚です。鮭の身が赤いのは、エビやカニと同じくアスタキサンチンという『抗酸化に優れる』成分が含まれているからで、ラン中に発生した活性酸素を取り除く助けをしてくれます。疲労予防、老化防止には、ランの前に鮭を食べましょう。

薬膳ではどういう食材?

薬膳では、鮭は『気血を補い、巡らせる食材』として知られています。
疲れ知らずのからだを保つために『気(基本のエネルギー)』と『血』を補うことはとても大切です。そして、それを『巡らせる』ことで栄養が隅々まで行き渡るので、補い、巡らせる力のある鮭は、元気なからだを保つために大切な食材というわけです。

また、鮭には、からだを温める力もあるので、寒い時期にお腹の調子を崩しやすい人や風邪をひきやすい人にもおすすめの食べ物です。

『血を巡らせる』ので、肩こりや生理痛に悩む人にもおすすめです。そのような悩みを持つ人が周りにいたら、ぜひ教えてあげてください。

効果的な組み合わせはあるの?

『スタミナUP』には、卵やほうれん草との組み合わせがおすすめです。鮭入りのオムレツ、牛乳や豆乳を使った鮭とほうれん草のクリーム煮などの料理で食べるといいですね。

長距離のランで失われやすい『体内の水分を補う』ためには、トマトやズッキーニとの組み合わせがおすすめ。ズッキーニやほかの野菜とトマト煮で食べると良いですね。

また、『鮭はからだを温める』と言いましたが、ランの前後には、この温める作用が、かえって邪魔になることがあります。からだが熱くなりやすい人が鮭を食べる時には、大根おろしを多めに食べたり、冷奴やキャベツのサラダを一緒に食べるようにしてください。梨、柿、キウイ、バナナなど、からだを冷やす作用のあるフルーツを一緒に食べてもいいですね。

ビールも、からだを冷やす作用があるので、走り終わった後は「みんなで乾杯ビール! 」というのも悪くありません。但し、ビールは水分の補給になりませんので、脱水症状を起こさないためにも、水を心がけて飲むように注意しましょう。

次回は、鮭を使ったレシピをご紹介します。
鮭と同じく『気』を補う食材を組み合わせたメニューです。

上手に疲労を溜め込まず、秋も元気にRuntripを楽しみましょう!

(写真 福田邦久/ フードスタイリング 平岩紗千代)

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記事を書いた人  荒井 直子

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