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2020.10.09

「ランナーフィジカルチェック」で身体の状態を数値化、パフォーマンスアップや怪我予防にも

RuntripMagazine

自分の身体能力ってご存知ですか? 今回のテーマは『ランナーフィジカルチェック』。

フィジカルチェックとは、身体がどんな状態にあるかを数値化して、怪我とどう関係があるのかを追求したもの。『PNFコンディショニングルーム 走』所長の太田輝之さんに、今回のゲスト・ヤッホーカレンさんの身体状態を数値化してもらい、コンディション改善エクササイズを教えていただきました。『ランナーフィジカルチェック』は特殊な機械を使わなくても誰でもできるので、ぜひ皆さんも計測してみてください。

『ランナーフィジカルチェック』パフォーマンスアップや怪我予防にも

1.胸の開き

検査の1つ目は、『胸の開き』のチェック。ランニング中、胸が開かないと呼吸がしにくく、足や関節に負担がかかります。ポイントは “背骨がしなるかどうか” 。

まず、用意するものは “先端が0mm” になっている定規。体を真横にして寝て、上側の足の股関節と膝を90度に。反対側の足をまっすぐ伸ばします。下の肩を前に出しすぎないように注意しましょう。上側の手を後頭部に当て、肘を床の方向におろします(※骨盤が動かないように、補助の人が支えてあげてください)。肘をどれだけおろせるか、床から肩の肩峰と呼ばれるエクボの高さを測定します。肩を痛めている場合は無理をしないようにしましょう。

怪我をしなかった大学生選手の平均は12cm。少ない方が良い数値です。ヤッホーカレンさんは20cm以上あり、今後の課題が見えてきました。

2.バランス

次は、バランスをみる『片足爪先立ち』。両手を胸の前に置き、右足の膝、太腿を90度でキープします。かかとを限界まで上げて耐え、秒数を数えます。怪我しないように、無理せず行いましょう。予行練習をせず、一発勝負で。

大学生選手の平均は12秒。ヤッホーカレンさんは……、こちらも改善の余地ありでした。

3.アーチの高さ

最後は、足の内側の『縦アーチの高さ』を測定。まっすぐ前を向いて立ち、足幅は肩幅に。視線はまっすぐ。内くるぶしの斜め前の舟状骨を触り、床から高さを計測します。

大学生選手の平均は4cm。両足ともに3.8mmのヤッホーカレンさんは比較的、良い数値でした。高ければいいわけではないそうです。

ヤッホーカレンさんは怪我をする可能性がありますが「鵜呑みにはせず、1つの指標にしてください」と太田さん。

詳細は 『フィジカルチェック』動画にて。

課題改善のための『フィジカルコンディショニング』

ランナーフィジカルチェックで現在の身体の状態が分かったところで、コンディション改善エクササイズを太田さんに教えていただきました。

1.胸の開き

まず、『胸の開き』を改善するエクササイズは、『上体反らし』。背骨のしなりを出すためのストレッチです。足を肩幅に広げて立ち、左手を上げて右手を肋骨上側付近に当てます。右手をつっかえ棒のようにして右側へ体を倒します。無理に倒さないように注意。そして、左体側部分に空気を入れるように、5回深呼吸をしましょう。

次に、肋骨下の部分・ウエスト部分の順に右手で支え、右手をつっかえ棒のようにして右側へ体を倒し、5回深呼吸。さらに、足を広げて大転子(足の付け根)を右手で押し、全体を伸ばすイメージで右側へ体を倒し、深呼吸。左右5回ずつ実施しましょう。

次は、肋骨を広げるためのエクササイズ。手を前に組んで下を向き、手の甲と背中を離します。背中を天井に持ち上げるイメージで、肩甲骨のあたりが伸びるようにゆっくり5回深呼吸。そして、手を後ろに組んで鳩尾部分を前に出しながら背中を反らし、5回深呼吸。腰痛の方は無理しないように注意。

速いランナーは、背骨が前にしなった状態で前進しています。背骨が丸まっていると、肋骨で肩甲骨を圧迫して動きません。ヤッホーカレンさん、エクササイズ後に走ってみると、胸が開き、体が自然に前へ出て進みやすくなっていました。

2.アーチの高さ

続いてエクササイズするのは『足の指』。脚を伸ばして座り、付け根部分から足の指を曲げます。先だけを曲げないように注意しましょう。オイルやクリームを指の間に塗布し、指の間を1分ほどマッサージ。足指が握りにくい時にマッサージするのがオススメです。

3.バランス

最後に、バランスを改善するためのエクササイズ。ポイントは『目』。まっすぐ立って、右手を前に人差し指を立てて爪を見ます。手を大きく回しながら目で追いますが、頭は動かしません。5回繰り返し、反対の手でも行います。これだけで、効果があるそう。

毎日、継続して自分で状態を確認することが大事。上記のエクササイズを取り入れることで怪我リスクが低減できるかもしれません。 『フィジカルコンディショニング』動画でチェックしてみてください。

走りやすい時期になってきました。
身体の状態を把握して、コンディションを整えて、Runtripを楽しみましょう!!

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記事を書いた人   Runtrip編集部

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