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2020.11.23

仕事と私生活が曖昧?ならば今、ここに集中する方法を学ぼう!

kencom公式:リサーチャー・西本真寛

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コロナ禍で「完全には出社勤務に戻らない」、「在宅勤務が続いている」、そんな方も多いのではないでしょうか。そうしたなかでふたたび注目を集めているマインドフルネス=気づきの思考法。
今ふたたび注目を集めている心のトレーニングと休め方である『マインドフルネス』について、これから数回にわたり専門家の西本真寛さんに説明いただきます。

巷でよく聞くマインドフルネスって要するに何?

今に集中する方法=マインドフルネス

さて早速ですが、マインドフルネスとはいったいなんでしょうか。

言葉自体は英語ですが、マインドフルネスが表す意味として、「念」という漢字に対応する単語、という側面があります。「念」というと、念じる=希望することを心の中で願う、というイメージですが、漢字をよく見ると「今」と「心」が合わさった字になっています。

マインドフルネスとはまさに、「今」この瞬間に、「心」を集中して向けている状態(また、そうなるためのトレーニング)のことを表す単語です。

といっても、少しわかりにくいところもあるので、マインドフルネスの反対の状態もご紹介しましょう。
マインドフルネスの反対を表す単語として、マインドレスネスやマインドワンダリングという単語があります。

マインドレスネスとは「心ここにあらず」な状態、マインドワンダリングとは「心のお散歩状態」です。つまり、集中せずにぼーっとしていたり、注意が「今ここ」に向いていない状態はマインドフルネスの反対の状態と言えるわけです。

なんとなくイメージがついてきたでしょうか。よくカメラで撮った写真の画像を使ったイメージとして、マインドフルネスはシャープにピントが合った状態、マインドレスネスは画像がピンボケの状態として例えられます。

毎日の生活は、心のピンボケ状態で過ごすよりも、しっかりとクリアな視界で過ごしたいですよね。しかも、心のピントが合った状態だといろいろな良いことが期待されています。
詳しくは次回以降に紹介しますが、様々なメリットがある故に、シリコンバレーの有名な企業や、世界的な会議でもマインドフルネスが取り入れられているわけです。

私生活と仕事の垣根が曖昧な今こそ求められる技術

米国では、以前より禅ブームが起きており、近年ではリーダーシップ教育やセルフケアの一環としてマインドフルネスが注目されてきていました。日本のマインドフルネスは、一時期盛り上がったもののその後廃れかかりましたが、コロナ禍の生活のなかで再注目されています。

背景には、コロナ禍での在宅勤務の広がりがあるのではないでしょうか。在宅勤務での生活はこれまでの出勤する生活と違い、行き帰りの通勤が無かったり、生活の場で仕事をしたりすることが求められます。
これは、仕事と生活の境界(バウンダリー)が曖昧になりやすい状況です。

朝起きてから仕事までのあいだに区切りとしてあった通勤が無くなり、仕事の作業が生活の場で行われることで景色も気分も切り替わらない。仕事が終わったあとの区切りも無く、会社で導入されたチャットツールの通知が24時間で来放題。
こうしたバウンダリーコントロール(仕事と生活の境界の制御)がより求められるようになった生活のなかで、ふとマインドフルネスという単語を思い出される方が多いようです。

なんとなく聞いたことのあるマインドフルネス、瞑想みたいなものだったと思うけどなんだったっけ? 今の生活に役立つのだろうか? とお思いの方に、手軽にできるマインドフルネスの実践法や暮らしへの役立て方を、これから数回にわたってご紹介していきます。

境界を切り分ける技術を学んでいこう!

マインドフルネスとは何を指す言葉なのか、曖昧にでもご理解いただけたでしょうか?
次回は、境界(バウンダリー)が曖昧になりがちな在宅勤務のバウンダリーコントロールとしても使え、Zoomなどのテレカンの前後でも実践しやすいマインドフルネス、『集中瞑想』のやり方についてお伝えします。
お楽しみに!

西本 真寛(にしもと・まさひろ)

パブリックヘルスコンサルティング合同会社ディレクター 
経済産業省の健康経営オフィスレポートの作成や、行政の健康寿命研究、自治体の健康づくりの指針策定等に参画。はたらく人の健康づくりを専門に、ビジネスパーソン向けヘルスケア・アプリの開発支援や、企業の生産性向上のためのトレーニング開発なども行なっている。
社会福祉士、MPH(公衆衛生学修士)
慶應義塾大学SFC研究所 上席所員