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2020.10.14

「肺がん」に関する疑問を解決!1分で読める医師Q&A

kencom公式ライター:森下千佳

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高齢化に伴って罹る人が増えている「肺がん」。「肺がん」に関する疑問&質問を、国立がん研究センター中央病院副院長・呼吸器内科長 大江裕一郎先生に聞きました。

「肺がん」にまつわる4つの疑問

Q.肺がん患者は新型コロナウイルスへの感染リスクが高いと聞きました。手洗い、マスク、三密を避ける以外にできることはありますか?

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A.肺がんの患者さんが、コロナウイルスに感染するリスクが高いかどうかはわかりませんが、感染すると重症化する可能性は高いです。
がんそのものにより免疫状態が低下している可能性がありますし、がん治療には化学療法をはじめとして免疫状態が下がる治療方法が用いられます。
すでに治療が終わり、がんが治癒している方などは、一般の方と同じと考え心配しすぎる必要はないでしょう。

感染対策としては、一般の方と同様に、「手洗い、マスクの着用、三密を避ける」を徹底する事が大切です。
時々、感染対策として、ビニール製の使い捨て手袋をされている方がいらっしゃいますが、止めるようにお伝えしています。医療従事者が手袋を使う場合は、使うたびに破棄をして、使い捨てにしているので安全ですが、一度外した手袋をその辺に置いて、繰り返し使うといった行為は逆効果です。

Q.がん治療中です。「コロナに感染したかもしれない」と思った時は、誰に相談すれば良いですか?保健所ですか?主治医に相談した方がいいですか?

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A.病院の方針にもよりますが、何らかの症状があれば、まずは主治医に相談するのが良いと思います。
コロナ禍で、がんの治療や受診に関して不安に思うことがあれば、ためらわず主治医に質問しましょう。今後の治療方針や選択肢、予定などについてもよく相談し、通院回数を減らしたい場合は「多めに内服薬をもらえるか?」などについても聞いておくとよいでしょう。

Q.ステージ1の肺がんを治療中です。新型コロナウイルスが感染拡大している影響で、手術が延期になり不安に思っています。本当に大丈夫なんでしょうか?

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A.一般的に、進行がんの治療は緊急性が高い場合がほとんどですが、早期がんの場合は多少であれば治療を延期しても問題ない場合が多いです。
早期がんでは、術後の新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクを考えると、延期した方が良いケースも考えられます。

ただし、早期がんであってもがんの種類によっては進行が早いものもあります。主治医が肺がんの性質を見て、延期をしても大丈夫かどうかを判断していますので、あまり不安に思わずに主治医の指示に従ってください。

Q.毎年、自治体での肺がん検査をしていますが、異常がなければ安心ですか?X線検査だけでは、肺がんが見つからないことがありますか?

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A.胸部X線検査では、がんが小さかったり、がんの影が淡くしか映らなかったりした場合は、早期発見しにくいです。
胸部X線検査は胸から背中側までにあるものを全て1枚の写真に写すので、肺の入り口付近や心臓、骨の裏側など、影が見えにくくなる死角があります。放射線被ばくの問題もあるので、毎年CT検査を受けるべきかどうかは難しい判断ですが、CT検査をしていればがんを早期に発見出来る可能性はあります。

ただ、CT検査をしたとしても万全ということはありません。気になる時は、がんを中心に診療している呼吸器科の医師に診てもらうことをお勧めします。

大江 裕一郎(おおえ・ゆういちろう)先生

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国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 副院長
呼吸器内科長、人材育成センター長
1984年東京慈恵医科大学医学部卒業後、同大学病院、国立がん研究センターなどへの勤務を経て、2010年国立がん研究センター東病院呼吸器腫瘍科呼吸器内科長、2011年同病院副院長、2014年から現職。2016年より東京慈恵医科大学大学院医学研究科連携大学院教授。

著者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
フリーエディター。お茶の水女子大学理学部卒。テレビ局に入社し、報道部記者として事件・事故を取材。女性ならではの目線で、取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。退社後、ニューヨークに移住。当時、日本ではなかなか手に入らなかったオーガニック商品を日本に届けるベンチャー企業の立ち上げに関わる。帰国後、子宮頸がん検診の啓発活動を手がける一般社団法人の理事を経て現職。一児の母。

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