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2020.09.03

禁煙すると太る?新型コロナとの関連は?1分で読める禁煙Q&A

kencom公式ライター:松本まや

2020年4月から屋内全面禁煙が始まるなど、何かと話題になることの多い禁煙に関する疑問を、専門医である村松先生に伺いました。

禁煙に関する8つの疑問

Q1.禁煙すると太るって本当?

A.いくつかの要因により、太りやすくなることがあります。よく言われるように口さみしくなる他、喫煙により交感神経が活性化され、上がっていた基礎代謝が通常の状態に戻ります。また、喫煙には食欲減退効果があるので、禁煙することで食欲増進されます。これらの理由から、太りやすくなったと感じる場合がありますが、健康的な状態に戻ったと考えてください。

Q2.喫煙すると老けやすいって本当?

A.本当です。喫煙をすることにより、血流が悪くなったり、肌の新陳代謝が悪くなったりして、くすみやすくなります。また、活性酸素を吸い込むことになるので、肌の老化が早まり、ハリが失われてしまいます。

Q3.換気扇で家族の受動喫煙は防げますか?

A.完全には防げません。換気扇では喫煙時の煙を全て取り除くことができないだけでなく、喫煙後5分程度は肺に残った煙が少しずつ放出されます。さらに喫煙後45分~1時間程の間、揮発性の有害物質が呼気に含まれることが分かっています。換気扇の利用や分煙では、受動喫煙は完全に防ぐことができません。

Q4.禁煙をすれば、喫煙によって受けた身体へのダメージは改善しますか?

A.内臓の炎症やむくみなど、改善が期待できるものもあります。肺気腫になってしまった場合など、機能が完全に回復しない場合もありますが、さらなる重症化を防ぐためにも、早めの禁煙をおすすめします。

Q5.メンソールタバコは、通常のタバコより安全ですか?

A.メンソールタバコの方が、依存性が強いと言われています。メンソール自体に依存性がある上、タバコの匂いが軽減されるので、煙を深く吸い込む傾向があります。EUやイギリスでは、若者の喫煙抑制のため、今年5月にメンソールタバコの販売が禁止されました。

Q6.喫煙が、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを高めるとは本当ですか?

A.はい。喫煙によって、新型コロナウイルス感染症が重症化しやすくなることが分かっています。またマスクを外して3密を満たす喫煙所内で喫煙すること自体も、感染リスクを高める行為です。

Q7.起きてすぐタバコが吸いたくなります。依存しているのでしょうか?

A.朝起きてすぐタバコが吸いたくなる人は、ニコチンへの依存が強い可能性があります。就寝中はタバコが吸えないため、朝はニコチンの血中濃度が最も低くなり、依存しているほど、タバコを吸いたいと強く感じてしまいます。

Q8.禁煙が続かないのは、意思が弱いのでしょうか。

A.意思の強さは関係ありません。喫煙を続けることで、ニコチンなしでは身体のバランスが取れない状態に陥ります。禁煙補助薬などを使用せず、完全な自力での禁煙成功率はとても低いため、早めに禁煙外来に相談することで、禁煙の成功率を高めることができます。

▼村松先生による禁煙に関する記事はこちら

村松 弘康(むらまつ・ひろやす)先生

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医学博士、中央内科クリニック院長
平成元年東京慈恵会医科大学卒業、同大学非常勤講師、武蔵野大学客員教授
日本国際医学協会評議員、日本生活習慣病予防協会参事、日本禁煙学会理事、日本内科学会専門医、日本呼吸器学会指導医、日本アレルギー学会指導医

著者プロフィール

■松本まや(まつもと・まや)
フリージャーナリスト。2016年から共同通信社で記者として活躍。社会記事を中心に、地方の政治や経済を取材。2018年よりフリーに転身し、医療記事などを執筆中。

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