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2020.08.12

「遊ぶなら0密」若者が考える新しい"生活様式"|闇雲に集まるのではない新発想の「遊び方」

東洋経済オンライン

新型コロナウイルスの感染拡大から、若者たちは新しく「0密遊び」を編み出し始めた(写真:筆者提供)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/366728?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

新型コロナウイルスの感染拡大から、若者たちは新しく「0密遊び」を編み出し始めた(写真:筆者提供)

「若い世代を中心に感染者が増え、それが上の世代にも広がっている」「若者は重症化しにくいから、コロナを自分事と捉えていない若者が多いのではないか」――。

こうした言説がメディアなどで毎日のように取り上げられています。こうした若者に逆風ともいえる世論がある中、若者の間ではコロナに対応した新しい遊びが生まれてきているようです。現役の高校生、大学生たちがレポートしてくれます。

若者が編み出した「0密」遊びのトレンド

新型コロナウイルスの感染拡大によって生活様式が一変し、若者の遊び方にも変化が表れた。コロナ以前であればみんなでカラオケに行く、フェスに行く、映える写真を撮ることができるカフェや美術館を巡るなど、室内の密な環境でよく遊んでいた。しかし、コロナの感染拡大に伴いさまざまなイベントの開催が中止され、3密を回避しなければいけなくなり、今までのような遊びができなくなってしまった。

写真左より鈴木詩音莉(慶應義塾大学3年)、赤峰沙都(高校2年)、加藤耀(東京理科大学1年)

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写真左より鈴木詩音莉(慶應義塾大学3年)、赤峰沙都(高校2年)、加藤耀(東京理科大学1年)

学校の授業がリモートになった大学生が多いうえ、コロナの影響でアルバイトができなくなった若者も多い。コロナ以前に比べ、圧倒的に自分の時間が増えたにもかかわらず、金銭的余裕はないという状態が今も続いている。自粛期間中は、サブスクリプションやZoom飲みなど、暇な時間をやり過ごす術を身に付けたが、それだけでは物足りなくもなってきている。

緊急事態宣言が解かれ、自粛が解禁されて友達と会えるようになった一方、感染者が再び増加もしており、今までのような遊びにすぐ戻ることもできない。

そこで若者たちは、お金をかけず、かつ3密を回避しつつ友達と遊ぶ方法を編み出し始めた。それが”0密遊び”である。

”0密遊び”とは筆者らの造語である。密閉、密集、密接の3密を回避しながら友達と直接会って遊ぶことだ。いくつかの事例を基にレポートしていく。

① シャボン玉×Dazzカメラ

「シャボン玉×Dazzカメラ」の事例(写真:筆者提供)

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「シャボン玉×Dazzカメラ」の事例(写真:筆者提供)

夜の公園など暗い場所で、シャボン玉を飛ばし、その様子を無料のアプリ「Dazzカメラ」を使用して撮影するという遊びが流行っている。

使用するのはシャボン玉とスマホのみなので、お金がかからず中高生に人気だ。また、遊んだ後に片付けをする必要もなく、手軽かつ場所を問わない。

暗い場所でシャボン玉を撮ることで、昼間よりも光の反射がはっきりと写り、綺麗な虹色に見える。Dazzカメラは、レトロな写真加工ができることが特徴的なカメラアプリだ。シャボン玉とDazzカメラを組み合わせるだけで「エモく」なるため、どんな瞬間の写真であっても映える。場所は公園など開けた屋外であり、ソーシャルディスタンスを保ちつつ撮影することができる。

② 手形アート

「手形アート」の事例(写真:筆者提供)

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「手形アート」の事例(写真:筆者提供)

手形や足形を、紙やトートバッグにつけ、絵具で絵を付け足す。絵を自分で描くことでオリジナル度が高まり、自分たちだけの思い出の品を作ることができる。友情やカップルの証しとして作成する若者も多い。また、でき上がった作品をSNSに投稿することで、つながりの強さを間接的にアピールすることもできる。

100円ショップの額縁と絵具などを用意すればできる。コロナの影響でアルバイトができない学生が増える中、低コストで作成できるのも人気の理由だ。また、トートバッグなどの実用品に描けば、作品を日常で使用することができる。

室内だとスペースが狭く制作しにくいため、公園や海辺など屋外の開けた場所で行うため、3密回避にもなる。

コロナ自粛中の運動不足解消に! 世界規模で宝探し

③ ジオキャッシング

ジオキャッシングの事例(写真:筆者提供)

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ジオキャッシングの事例(写真:筆者提供)

世界規模で宝探しができるゲーム「ジオキャッシング」も人気だ。無料のアプリをインストールするだけで楽しむことができる。

アプリを起動し、宝が発信するGPS信号を頼りに見つけ出す。中にお金が入っているわけではなく、仕掛けた人もしくは前に見つけた人の私物+名前を書ける用紙が入っている。

見つけてその中身をもらう場合、自分の私物と交換し、入っている紙に名前を記入する。

難易度が高く、見つけるのに一苦労するが見つけたときの快感は大きい。難易度が高いため見つけたことをSNS(TikTokで報告する人が多い)で自慢をしたくなる。中身のお宝を目当てに遊ぶのではなく、見つけるまでの過程を楽しんでいる。

屋外のため3密とならないうえ、歩き回る必要があるため、コロナ自粛中の運動不足解消にもなる。

④ 車サプライズ

「車サプライズ」の事例(写真:筆者提供)

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「車サプライズ」の事例(写真:筆者提供)

車のトランク部分に、ケーキや花、プレゼントを置き、バルーンやライトなどで飾りつけをして、誕生日をお祝いする。家やお店で誕生日をお祝いするのは3密になるため避けたいと思う一方、友達の誕生日は直接何かしてあげたいとも思う若者たちの間で、新たな定番のお祝い方法として広がり始めている。

祝いたい相手の家の近くで車をとめ、相手を呼び、お祝いをする。駐車の広いスペースがある場所のほうがよく、結果的に海辺や広い公園など開けた場所で行われることが多い。

祝う際、飾りつけされているのは車の中であるが、実際に写真を撮ったり、ケーキを食べたりするのは車の外。3密ではない状態で、映える写真を撮り、インスタに投稿することで、友情を自慢することができる。

以上、さまざまな”0密遊び”のトレンドについて取り上げた。新型コロナウイルスの感染が再び広がる中、若者が街に繰り出し感染しているケースも増えており、世間の若者の行動に対する視線は冷たい。

しかし、こういった行動はすべての若者に共通しているわけではない。むしろ、その世間からの目を気にしつつも、ネガティブな感情を抱えてただ過ごすだけでなく、3密を避けながら前を向いて工夫して生活に楽しみを見出そうとする若者だってたくさんいる。今後、ウィズコロナの生活が続くことを見据え、引き続き若者から新たな発想の「0密遊び」が生まれてくるのではないだろうか。

原田の総評:若者なりの「新しい生活様式」

「0密遊び」というキーワードはいかがでしたでしょうか。

「デジタルネイティブ」や「モバイルネイティブ」と言われる脱ゆとり世代(ジェネレーションZ)の若者たちですが、やはり、リアルな体験のすべてをオンラインに置き換えることはできないようです。

若い彼らはやっぱり外に出たいし、外で友達と遊びたい。でも、やっぱり、若者だってコロナにかかりたくないし、感染を拡大させたくない。
こうした新しい生活様式によって、若者たちに生まれたキーワードである「0密遊び」を、いかにさまざまな企業が体現化していくかが重要になってきていると思います。

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原田 曜平:マーケティングアナリスト

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