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2020.08.29

あなたは大丈夫?暴飲暴食が引き起こす病気への片道切符

MYCODEトピックス

食べすぎは、体にどのような悪影響を及ぼしてしまうのか(写真:Shutterstock.com)

参照元:https://mycode.jp/topics/life/obesity/obesity_fatty_liver.html?src=my_kcm_obesity_fatty_liver_07

食べすぎは、体にどのような悪影響を及ぼしてしまうのか(写真:Shutterstock.com)

肥満は万病のもと!?あなたも肥満度を計算してみよう!

厚生労働省の調べによると、日本では、20~60代の男性および40~60代の女性の4人に1人が肥満なのだそうです。

肥満度は、通常次のように計算した「BMI(Body mass index)値」で判定されます。

BMI= 体重(kg)÷ 身長(m)の2乗
(例えば、体重60kgで身長1.7mなら、60÷(1.7×1.7)=20.8となります)

これまでの調査により、このBMIが「22」のときに、男女ともに最も病気になりにくいことがわかったので、BMI=22となる体重が「標準体重」とされています。

標準体重=22×身長(m)の2乗

そして、BMI25以上が「肥満」と判定されます(※1)。
(≧25~30>:肥満1度、≧30~35>:肥満2度、≧35~40>:肥満3度、≧40:肥満4度)

ただし、体重が多い人でも、筋肉が多くて重たい人は肥満とは言いません。さて、あなたはどうでしたか?

暴飲暴食すると何が起こるの?

暴飲暴食、つまり、脂っこいものや甘いお菓子をたくさん食べたり、甘いジュースやお酒をたくさん飲んだりすると、肥満だけでなく、肝臓に脂肪が溜まって、いわゆる「脂肪肝」の危険性が高くなります。

脂肪肝になると、肝臓の細胞にある「ミトコンドリア」で異変が起こり、それが病気につながることが最近の研究でわかってきました。

ミトコンドリアは、中性脂肪を燃やして細胞が生きるためのエネルギーを取り出すエンジンのような、とても大切な役割を担う細胞内の器官です。脂肪肝になると、このミトコンドリアが中性脂肪をどんどん燃やそうとフル回転して、その結果「活性酸素」という物質ができてしまいます。

この「活性酸素」は体にとって有害な物質であり、細胞のミトコンドリアを破壊し、結果として肝炎などの病気を引き起こすこともわかっています。

肥満が引き起こす病気のメカニズム・新たなミトコンドリアの異常を解明!

2014年、アメリカのハーバード公衆衛生研究所が、肥満で起こる新しいミトコンドリアの異常を発見しました。

ミトコンドリアは、肝臓の細胞の中で「小胞体(しょうほうたい)」と呼ばれる別の器官と隣り合っていて、その小胞体からカルシウムを受け取っています。

今回の研究で、肥満になるとミトコンドリアと小胞体がくっつきすぎてしまい、結果としてミトコンドリアは小胞体からカルシウムをたくさんもらいすぎてしまうため、異常がでるという事がわかったのです(※2)。

この研究では「肥満」と「脂肪肝」の区別をしていませんが、研究に使った、有名な肥満モデルマウス「レプチン欠損マウス」は、肥満が原因の脂肪肝をひき起こすことが知られています。

レプチン欠損マウスを使った実験では、このしくみが原因でホルモン異常がひき起こされました。また、人においては糖尿病など、メタボ関連のさまざまな病気につながると研究グループは見ています。

暴飲暴食などによる肥満、さらに脂肪肝によって細胞の大事な器官であるミトコンドリアに異常が出てしまい、様々な病気につながる、ということのようです。

「肥満発、脂肪肝経由、病気行き」こんな片道切符、もらってしまわないように、栄養バランスに気をつけて日々健康的な生活を心がけたいですね。


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監修者

医師 石原藤樹先生
プロフィール:1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。

参考文献

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