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2020.08.07

薬味の定番「青じそ」と「生姜」夏の紫外線対策にいいのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.17】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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夏の食卓で人気の冷や奴や素麺。これらのおいしさは、薬味の力も大きいですよね。では、薬味の定番「青じそ」や「生姜」には、栄養面でどんな力があるのでしょうか?

青じそと生姜、夏の紫外線対策にいいのはどっち?

正解は、青じそ

意外に思われるかもしれませんが、青じそには紫外線対策に役立つ栄養素が多く含まれます。

夏は紫外線が強く、日照時間も長いため体内に活性酸素が発生しやすい時期です。この活性酸素を抑えるために役立つのが、青じそに含まれる「ベータカロテン」です。

「ベータカロテン」と聞くとにんじんを思い浮かべるかもしれませんが、にんじん100g中8,600μgに対して、青じそは11,000μgと非常に多く含んでいます。

さらに、ベータカロテンはビタミンCやEと一緒にとると紫外線への抵抗力が増すと言われており、青じそにはビタミンCもEもバランスよく含まれているので、まさに夏の薬味として欠かせない存在でしょう。

緑黄色野菜は「可食部100g当たりカロテン含量が600μg以上の野菜」という基準があるので、青じそはれっきとした緑黄色野菜と言えますね。

またベータカロテンの他にも、カルシウムは牛乳が100g中110㎎に対して、青じそは230㎎、食物繊維は、こんにゃく100g中3gに対して青じそは7.3gと圧倒的!青じそを一度に食べる量は少量ですが、驚くべき栄養価を誇る野菜なのです。

冷え対策には、やっぱり生姜がおすすめ!

生姜は、栄養素の数値だけでみると凡庸なのですが、辛み成分であるジンゲロールやショウガオールは、体を温めることで知られています。この成分は、生でも加熱した後でも血行をよくする働きがあるのが特長です。

よって冷房による冷え症の予防には、やはり生姜はおすすめといえます。もしオフィスなどで冷え対策をするなら、生姜パウダーをドリンクにパパっと振り入れると取り入れやすいですよ。

青じそも生姜も“刻む”と薬効がアップ!

青じその香り成分(ぺリルアルデヒド)には強い殺菌作用があり、食中毒を防ぐ効果があります。また、生姜の香り成分(ジンギベレンやシトロネラール)には、胃腸の機能を高める作用があり、食欲アップに役立ちます。

これらの香り成分に共通することは、「細かく刻むと作用が高まる」ということ!

大葉は薬味以外で使うときも、細かく刻むとよいでしょう。たとえばチャーハンに青じそを混ぜ込めば、夏の暑さをやわらげる爽やかな風味に仕上がり、その上ビタミン類の補足、食中毒予防の3つの効果が期待できます。

生姜は、すりおろして豆腐や刺身に添えたり、細かく刻んで炒め物や煮物に加えれば胃液の分泌も促され、夏バテ予防にも一役買います。青じそと生姜を素麺や冷や奴の薬味だけにとどめることなく、ぜひ料理に合わせて活用の幅を広げてみてくださいね。

▼参考文献

旬の野菜の栄養事典(女子栄養大学名誉教授 吉田企世子監修/エクスナレッジ)
栄養成分バイブル(中村丁次監修/主婦と生活社)

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらから

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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