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2020.06.24

「最近つまらない」と嘆く人がすべき1つのこと|ベストセラーを連発する編集者の“頭の中"

東洋経済オンライン

考えをまとめる際、ノートを使って「自分会議」を行うのがよいそう。その理由とは(写真:DragonImages/iStock)

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考えをまとめる際、ノートを使って「自分会議」を行うのがよいそう。その理由とは(写真:DragonImages/iStock)

漫画の単行本などとは違い、3万部以上を売り上げれば“ベストセラー”と呼ばれる書籍の世界。そんな中、10万部を超えるベストセラーを50冊以上手がけているのが、異才の編集者・柿内尚文氏です。

ヒットを生み出すその頭の中は、いったいどうなっているのか? その編集思考を余すことなく公開した初の著著『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』によると、考えをまとめる際にはノートを使って「自分会議」を行うそう。いったいその方法とは?

一流と呼ばれる人の中には、ノートを活用して夢をかなえた人が何人もいます。

有名なのはメジャーリーガー大谷翔平選手が高校時代にノートに書き込んだ「マンダラチャート」。シートの真ん中に目標とするテーマを書き込み、目標達成のための要素を3×3のマス目に書き込んでいくやり方です。

サッカーの本田圭佑選手や中村俊輔選手もノートを書き続けていることで有名ですよね。経営者にもノートを書き続けて目標達成をしてきた人が多数います。

僕は小さいときからノートを書くことが大好きでした。授業のときに書いたものを後で自分なりにまとめていました。ノートを書くことは、まるで絵を描いているかのような、そんな楽しさがありました。いまでも「考える」ときには必ずノートを使っています。

ノートを使う理由はいくつかありますが、いちばんの理由は「考えたことを俯瞰化する、見える化する、整理するため」です。

僕は記憶力が悪いので、頭の中だけで考えていると、考えたことをどんどん忘れていってしまいます。また、頭の中だけで考えていると、そのうち何を考えているのかがわからなくなってくることもあります。皆さんの中にもそういう人がいるんじゃないでしょうか。

「考える」には「考えを広げること」と「考えを深めること」の2つがありますが、どちらもかなり意識的にやっていかないとできないことです。でも、頭の中だけで考えていると「忘れる」「こんがらがる」「局地的になる」ということが起きがちです。それらを防ぐためには、ノートは最適です。

サッカーをプレイする人と、観戦する人の視点の違い

僕はサッカーが大好きで、よくスタジアムにサッカー観戦に行くのですが、試合を見ていて、「なんでそこにパスを出すんだよ! 逆サイドががら空きじゃないか」なんて思うことがよくあります。

でも、これは僕が試合を見ている場所がスタジアムの高い位置から俯瞰して見ているからわかることなんですね。試合をしている選手たちが見ている景色と、僕が見ている景色は、同じ試合でもまったく違うわけです。選手たちはピッチで見ているので、スタジアムの高い位置で見えてるほど全体がよく見えないわけです。

すごいサッカー選手は、ピッチに立っていながら、試合を上から俯瞰して見えているなんてことを言いますが、俯瞰化することで見えないものが見えてくることがあります。

ノートを書く目的のひとつもそこにあります。俯瞰化、見える化、整理によって、想像以上の答えが見つかることがあるわけです。

1テーマを1枚にまとめることがポイント

では、具体的に「思考ノート」の書き方を紹介します。僕がおすすめするやり方はこんな簡単な方法です。

1 ノートは方眼か無地のものを選ぶ。1テーマを1ページで書く

2 ゴール(目的)をノートの真ん中に書く

3 現状の課題をノートのまわりに思いつくままに書く

4 課題の整理、課題を「考える」ことを実践していく

5 書き出したことの中で関連性があるものを線で結び付ける。そこから気づいたこともどんどん書き込んでいく

6 とくに重要と思うものにマーカーを引く

事例を紹介しながら、具体的な書き方を詳しく紹介していきましょう。

テーマは「社員の離職率を下げることを考える」です。

まず真ん中にゴールを書き込みます。「離職率を下げる」がゴールなので、それを書き込みます。

次に、本やネット情報を読んで得た「離職率」に関するインプットをベースに現状の課題を書き込みます。このとき、ここにはダラダラと書き込むのではなく、ポイントのみを箇条書きで書き込みます。

(画像)『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』より

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/357873?page=2

(画像)『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』より

課題を書き出したら、そこから離職率が高い会社について、さまざまなデータを比較しながら分析していきます。

すると、いくつかポイントが見えてきます。「会社に未来が感じられない」「人間関係に問題がある」「仕事がつまらない」「給与、待遇に不満がある」。大きく分けるとこのあたりがポイントになってきます。

今度は、そのポイントごとに「考える技術」を使って解決策を見つけていきます。

ここで活用している詳しい思考法は、拙著で紹介していますが、これらを使って、さまざまな角度から検討し、離職率を下げるために何をすべきかを具体的に書き出していきます。

こうして考えを深めていくことによって「離職率を下げる」ために行うべきことが明確になります。あとは実践あるのみです。

ノートに書くときのポイントは、まずは1枚にまとめてみること。1枚にまとめることで、やるべきことがよりはっきりと「見える化」され、優先度もはっきりします。

もし1枚にまとまらないときは、要素が盛りだくさんになっているかもしれません。そのときは、その中で優先度を決めて、優先度の低いものはあとにまわしてください。

僕は考えながらノートを書いていく行為を「自分会議」とネーミングしています。ノートとペンがあればどこでもできるのが「自分会議」です。

「自分会議」はプライベートでこそ使える

この方法は、自分を知るとか人生を考えるときにも活用できます。


『パン屋ではおにぎりを売れ 想像以上の答えが見つかる思考法』(かんき出版)。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

例えば、「最近なんだかつまらないんだけど、なぜなんだろう?」と思ったとき。こうするといろいろ気づくことがあるはずです。

まず、ここ数カ月の自分の手帳(スケジュール)を見返してみます。

その中で「自分が面白いと思ったこと」だけピックアップしていきます。最近つまらないと思っていても、中には興味が持てたり、面白いことがいくつかはあるはずです。

ピックアップしたら、それをノートに書き出していきます。そして、そこに何か共通項がないかを探します。「新しいことに挑戦しているときには面白さを感じている」とか「人と接している時間は楽しい」、もしくは「ゆったりとリフレッシュしているときが楽しい」など。その共通項があなたの人生を楽しい方向に導いてくれる時間です。

共通項が見つかったら、これからの予定に、その共通項に関連する予定を意識的にできるだけたくさん入れていきましょう。すると、つまらなかった日々が、徐々に面白い日々に変わっていくはずです。

人の感情は日々変わりますし、3カ月前に感じていたことといま感じていることは同じではありません。でも、そのことを俯瞰化しないと、その変化になかなか気づけないわけです。

体重を計らないでいると気づけば5キロ増えていたとか、視力を測らないままで数年ぶりに測ったら視力がガクンと落ちていたなんてことがあると思いますが、構造は同じです。日々の小さな変化も、積み重なると大きな変化になります。だから、定期的に俯瞰化することが必要なんだと思います。

皆さんも、仕事やプライベートで、何か悩みや課題があるなら、ぜひノートを使って「自分会議」を開いてみてください。

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柿内 尚文:編集者

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