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2020.06.05

ステイホームで、仲の悪い夫と息子のストレスが限界に…【ココロで読み解く「ママのお悩み相談室」 第9回】

ウーマンエキサイト

イラスト:中村こてつ

参照元:https://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_E1589872889351/

イラスト:中村こてつ

こんにちは、心理カウンセラーの佐藤栄子です。

これまで、子育てや夫婦関係、ママ友トラブルや自分のココロの在り方についてなど、さまざまなテーマを心理カウンセラーの立場で取り上げてまいりました。

そういった記事に寄せられた「もっと深掘りした内容が知りたい」「個々のケースで対応は変わるの?」といった皆様のお悩みにお答えする連載「ココロで読み解く『ママのお悩み相談室』」。

今回は、「ずっと夫と一緒がつらい…ストレス・イライラが止まらない理由は2つ」という記事に寄せられたお悩みです。

記事では、新型コロナウイルスの影響でステイ・ホーム状態となった日々の中、ずっと夫と一緒にいることで妻がどうしてイライラしてしまうのかについてご紹介しました。

そこに寄せられたお悩みは、外出自粛でギスギスし始めたのは、夫婦ではなく親子というパターンでした。夫と息子の関係がうまくいかず悩んでいる妻からのご相談です。

■質問:仲の悪い夫と息子が外出自粛でずっと一緒…ストレスで暴力的に

この春から高校生の息子は、もともと夫と折り合いが悪く、学校が憩いの場でした。

しかし、新型コロナウイルスの影響で学校へ行けず、家には夫もずっといる状況のため、ストレスが限界に…。最近、暴力的になっていて心配です。

■回答:家族の摩擦を生む原因は「とどまりにごった閉塞感」

息子さんの高校入学おめでとうございます! 本来なら新しい生活にワクワクしながら過ごしていたはずと思うと、本当に新型コロナウイルス蔓延が恨めしくなりますよね。

しかも、息子さんはお父様とはあまり良い関係ではないとのこと。思春期真っただ中ですから、誰しも親がうっとうしく感じる時期であるうえ、この外出自粛生活で学校や友だちなど気持ちの発散場所がなくイライラが募ってしまっているのでしょう。

新入生ということで学校の様子もわからないし、新しい友だちをつくる機会がなく、部活や勉強のことなど日常生活の話をする相手がいないのも、なお窮屈さを感じる原因かもしれません。

水があまり循環しない池や沼はだんだんとにごってきますが、それは人間同士も同じです。移動や出入りなど動きがないまま、ずっと同じ空間に一緒にいると、だんだん空気がよどんでくるように感じますよね。

どんなに善良で性格が穏やかな人たちの集団だとしても、毎日24時間同じ空間にいて、しかもさしあたってやることがなければ、相手の粗が目につきイライラしてくるのは仕方のないことだと思います。

それは家庭内にも当てはまります。家という限られた空間の中で、家族という最小人数だけでずっと過ごすことは、行動範囲や人間関係が普段は広い高校生にとって、どうしようもない閉塞感に襲われるのです。

まして、もともと折り合いが悪い父親も一緒なので、そのイライラをずっと我慢しつづけるのも難しくなってくるでしょう。

息子さんが今、暴力的な言動や行動をするようになったとしても、それは息子さんの性格が悪い方向に変わったわけではありません。なんとか自分の鬱憤(うっぷん)やストレスを晴らそうと一時的に苦しんでいるためと思われます。

■生活時間・場所をずらして「いつも一緒」を回避

この状況を改善するために、何かできることはないでしょうか。私は極力、家族が顔を合わせないように、生活時間や場所の変更をおすすめします。

一家そろって過ごすのは平常時であれば好ましいことですが、今はめったにない非常事態です。家族同士の一触即発状態を回避するには、思いきってそれぞれの生活時間をバラバラにしてみましょう。

夫のほうは在宅勤務であっても、ある程度仕事を始める時間や休憩時間が決まっているでしょうから、まだ学校が始まっていない息子さんの起床時間を少し遅らせて、食事の時間やリビングにいる時間帯が夫と重ならないようにしてみましょう。

いずれ学校が始まれば早起きせざるを得ませんから、今だけと割り切って多少の朝寝坊は構わないと思います。ただし、昼夜逆転までになると体調の崩れが心配ですから、例えば午前11時までには起こすなどルールを決めておいたほうがいいかもしれません。

そして、不要ないさかいを避けるためにも、息子がイライラしていることを夫にはあらかじめ伝えておきましょう。そのため、一時的にあえて生活時間をずらしているから、小言を言って刺激したりしないようにお願いしておきます。

それに加えて、息子さんには窓ふきや庭掃除など体力が必要なことをお願いして、あり余っているパワーを発散してもらうのもいいと思います。マッシュポテトの裏ごしや大根を大量にすりおろす、ひたすら無心に餃子を作るなど料理に引き込んでもいいかもしれません。これが娘さんの場合でも、同じ対応でいいと思います。

これからはあらゆる場面で急速にオンライン化が進んでいくでしょう。この機会に、ZoomやMicrosoft Teamsといったオンラインミーティングができるアプリやプラットフォームに慣れておくのもおすすめです。

そうすれば、自宅にいながら友だちと話したりゲームを一緒に楽しんだりできるので、多少は「ガス抜き」ができるようになるでしょう。姿勢や疲れ目に注意は必要ですが、家族のためにそういった環境を整え、ある程度のルールを決めて利用するのも一つの方法です。

今後の生活変化は、家庭内にも必要となってくるでしょう。学校が始まるまで、もう少しの辛抱です。家族で協力しあい、なんとか乗り切れるといいですね。

(佐藤栄子)

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