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2020.05.31

コロナ「人から猫感染」防ぐ3つの具体的方法|ペットのために飼い主は何をすればいい?

東洋経済オンライン

コロナの「ヒトから猫感染」どこまで気をつければいいのか?(写真:Kaan Sezer/iStock)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/352117?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

コロナの「ヒトから猫感染」どこまで気をつければいいのか?(写真:Kaan Sezer/iStock)

中国の武漢から発生した新型コロナウイルスを原因とする肺炎(COVID-19)が世界中に広がり、各国がその対応に追われています。日本でも陽性者数の増大に伴い、感染拡大を防ぐため、先月には緊急事態宣言が発令されました。

各人が責任を持ち、外出自粛やテレワークを行っています。5月25日は全国で緊急事態宣言が解除されましたが、まだコロナ禍の終息がいつになるのかわからない状態です。

このような状況下、2020年5月13日に東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らのグループが、「新型コロナウイルスは猫から猫に感染が広がる可能性がある」という研究結果を公表しました。

この衝撃的なニュースは様々なメディアが取り上げ、SNS等で瞬く間に広がり、猫の飼い主や猫を取り巻く環境に大きな不安を与えています。これから猫から猫への感染が拡大していくのでしょうか?猫からヒトへの再感染はあるのでしょうか?

コロナは猫にも感染するが…

現在まで、感染者との接触がある環境下においては、香港、ベルギー、米国ニューヨーク州の猫、動物園の猫科動物からの新型コロナウイルスの陽性反応が認められたという数件の報告があります。また、最近の研究では犬と比べて猫やフェレットは低レベルの感染が起きやすい可能性も指摘され始めていて、さらなる調査が求められていました。

しかし、陽性反応が報告されても、検査や検出方法などの詳細がはっきりしないことも多く、「猫は本当に感染するのか?」と誰もが思っていたことでしょう。

そこで、東京大学医科学研究所のグループが新型コロナウイルスに感染した患者からウイルスを分離し、猫の鼻腔内に接種。感染猫との接触により、同居猫にそのウイルスが接触感染するのかを調べました。3ペアの実験を行ったところ、全てのペア間でウイルスの感染が確認されたそうです。

また、ウイルスは猫の呼吸器で増殖することもわかりました。ただし、ウイルスに感染した猫には、感染したとわかるような明らかな症状はなく、感染しても重症化する可能性は低いと見られています。猫からヒトに再感染する可能性があるのかどうかはまだ不明とされています。

さらに全米医学協会の専門家は「あくまでこの結果は実験室での結果なので、通常の環境下で起こることを意味するものではない」と否定的な見解を示しています。

つまり、人為的に感染させた猫の呼吸器でウイルスが増殖すること、同居猫にも感染することは確認されたが、通常の環境下で容易に感染が起こり、拡大するのかどうかは、この実験ではまだわかっていないということです。

現時点では「人畜共通感染症」の可能性低い

前述の実験が否定的にとらえられる背景には、あるデータが存在しています。動物臨床検査などを業務とするIDEXXアメリカ本社では、新しい動物用の新型コロナウイルス検査(PCR検査)をいち早く確立しました。

調査の一環として、2020年2月14日~3月12日にかけて、通常の環境下にいる3500以上の犬猫の検体(犬55%、猫41%、馬4%)を検証しましたが、陽性反応を示した検体はなかったと公式サイトで公表しています。2020年5月22日現在でもこの機関においては、陽性反応の報告はありません。

この機関での検査結果は、新型コロナウイルスがヒト→ヒト感染により移るというという専門家の見解と一致しており、「犬猫に呼吸器症状が見られた場合には、獣医師に相談し、犬猫でより一般的な呼吸器疾患の病原体を検査するようにしてください」と伝えています。

現在のデータから総合的に判断したうえで、アメリカの著名な獣医学・公衆衛生専門家らは、通常の環境下でペットへの感染が起こる可能性は低いこと、ペットが感染源になる可能性はさらに低いという見解を示しています。

現時点では、少なくとも人畜共通感染症とは考えていないことが伺えます。しかしながら、各国からの陽性反応の報告もあることから、さらなる調査が必要としています。

一方、アメリカ疾病対策予防センターでは、4月22日に公表したニューヨークの猫2匹の陽性反応の見解として「ペットがアメリカでウイルスを拡散させる役割を果たすという証拠はありません。したがってコンパニオンアニマルの福祉を損なう可能性のある対策を講じる正当な理由はありません。ペットを含む様々な動物が影響を受けるかどうか、またどのように影響を受ける可能性があるかを理解するには、さらなる研究が必要です」としています。

感染は世界中でごく少数の動物での報告であること、主に感染したヒトと密接に接触した動物での報告であるため、現時点ではこのように考えているようです。そのうえで、詳細がわかるまでの予防措置として、ペットが家外のヒトや他の動物と接触することを避けるようにと伝えています。

また、動物と肺炎(COVID-19)についてのよくある質問も公表しています。万が一に備えて、感染防御の対策を呼びかけているということでしょう。

しかしながら、2020年5月25日、オランダ南部のミンク養殖場で従業員2人目となる感染の確認が公表されました。「ミンクからヒトへ感染したとみられるが、感染拡大のリスクは最小限」としています。現在調査中であり不明瞭ですが、動物からヒトへの感染の可能性も否めないのです。

飼い主はどうしたらいいのか

日本でも海外からの感染報告を受けて、公益社団法人日本獣医師会が2020年5月1日に「愛玩動物と新型コロナウイルス感染症について」を公式ホームページで公表しています。

そこでは、万が一に備え、飼い主がしっかりと感染防御の対策をとることを推奨しています。現時点では、前述のように猫と新型コロナウイルスの関係性に不透明な点が多く、通常の環境下で容易に感染するのか、感染が拡大するのか、ヒトが再感染するのかは判断ができません。そのため、飼い主は日々の更新情報を注視しながら、冷静な対応をしていくしかありません。万が一の愛猫への感染を避けるために、飼い主が今できることはどんなことでしょうか。

1.帰宅してすぐに手洗いとうがいをする

愛猫が完全室内飼育であれば、新型コロナウイルスを持ち込む可能性があるのは飼い主ということになります。外出すれば飛沫感染や接触感染の可能性があり、愛猫への感染を防ぐにはまずは飼い主自身が感染しないことです。愛猫を触る前に行いましょう。

2.完全室内飼育を徹底する

愛猫が外に出れば飼い主以外のヒトと接触する可能性があります。飼い猫は基本的に人懐っこいので、ヒトを見ればすり寄っていくことでしょう。そうなれば感染のリスクが高まります。他の猫とも接触する可能性もあるので、完全室内飼育を心がけましょう。

3.濃厚接触を避ける

飼い主の目・鼻・口などを愛猫が舐めたりしないように濃厚接触を避けるようにしましょう。愛猫の体を清潔に保ち、飼育環境の衛生状態も清潔に保つようにしましょう。

また、愛猫が感染することを防ぐためにも預け先を決めておくことが大切です。万が一、飼い主が感染した場合にも慌てることなく愛猫を預けられるよう、家族や友人、知人、動物病院などに相談しておきましょう。

どうしても見つからない場合は、アニコムホールディングス株式会社がコロナ感染者のペットを無償で預かる「#StayAnicom」プロジェクトを始動していますので確認してみましょう。

現在、新規感染者数の減少と共に、緊急事態宣言も解除されましたが、新型コロナウイルスの感染自体は長期化することが予想されています。

WHO(世界保健機関)も同様の見解を公表しています。コロナ禍が終息したわけではありません。ここで、油断することなく、飼い主自身と万が一の愛猫への感染を防ぐために、冷静に正しい判断をしながら過ごしていくことが大切になるでしょう。

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阪根 美果:ペットジャーナリスト

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