2020.05.27
漬物初心者にもおすすめ!甘酒と塩だけですぐ作れる、東北の味「三五八漬け」【発酵レシピ】
「三五八漬け(さごはちづけ)」という郷土料理を知っていますか?
塩:麹:米を3:5:8の割合で作ることからその名がついた東北地方の伝統の漬け物「三五八漬け」は、野菜も肉も魚も漬けておくだけで美味しくなる、魔法のような漬け床です。
ただ、麹を手に入れて毎回これを作るのは手間なので、今回はほとんど同じ材料で手間なく作れるよう、甘酒に塩を足すレシピをご紹介します。甘酒は市販のものでも大丈夫です。
【材料】
甘酒(市販のものでもOK) 100g程度
塩 小さじ1程度
お好みの野菜や肉、魚 適量
作り方
1.甘酒と塩をビニール袋かジッパー付き袋に入れて混ぜ合わせる。
2.一口大に切った野菜(スライスにしたほうが早く味が染みます)を1に加える。
20分ほど漬ければ浅漬けとして食べられる。冷蔵庫で3~4日しっかり漬けても美味しくいただける。
肉や魚の場合
肉(鶏肉など)や魚(鮭、ブリ、タラの切り身など)を漬ける場合は、1時間漬けて焼くと肉質が柔らかくなり、程よい甘みと塩味がおいしい三五八漬け焼きに。
漬けすぎても塩辛くならないので、漬けたまま次の日に調理しても美味しくいただける。
甘酒の作り方
【材料】
生米 1合
水 2合分
乾燥麹 250g
冷ますための水 400cc
作り方
1.米を洗って炊飯器に入れ、2合分の水を張ってお粥を炊く。
2.炊き上がったら保温のまま、水を250㏄程度足して温度を冷ます。
3.温度計があれば、60℃程度までお粥の温度が下がったかを確認して乾燥麹を加える。(麹菌は65~70℃で死んでしまうので、水を足すなどしてなるべく60℃程度まで温度を下げてから加える)
4.保温のまま6時間以上置いて発酵させ、麹の粒が溶けてとろりとしたら完成。
※冷蔵では1~2週間保存が可能。
※ジッパー付き袋に入れて冷凍すれば3~4ヵ月保存可能。使う分だけポキッと折って、常温に戻して使う。そのまま甘酒として飲んでも良いし、夏には軽く崩して甘酒アイスとしても楽しめる。
身体に優しい豆知識
甘酒はお正月に飲むイメージがありますが、江戸時代には夏バテ防止に飲まれていた夏の飲み物で、夏の季語でもあります。
「飲む点滴」と呼ばれるほど栄養価が豊富で、これから暑くなる夏にかけて腸内環境を整え免疫力を高めるのにおすすめの飲み物です。甘酒を手作りしたら、半分はそのまま飲んで、もう半分を三五八漬けにして楽しんでみましょう。
自分で作った麹が生きている甘酒の場合、3~4回繰り返し野菜を漬けることができます。一度野菜を漬けた三五八漬けの漬け汁に適量の温かいご飯と塩を足して混ぜ合わせ、野菜を入れて混ぜて常温に1時間置いて再発酵させて使いましょう。
市販の甘酒の場合は、加熱処理されていて麹菌が死んでしまっていることが多いので、ご飯を足しても再発酵はできません。野菜は1~2回つけたら、漬け汁は新しく作り替えたほうがよいです。
※肉や魚を漬けた場合は都度新しい漬け汁を使用しましょう。
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著者プロフィール
■りんひろこ
料理研究家、フードコーディネーター。京都で学んだ懐石料理や、アーユルヴェーダや薬膳などの東洋の食養生の考えをもとにした美味しく簡単にできる料理を、TVや雑誌などで提案。著書に『作りおきで毎日おいしい! NYスタイルのジャーサラダレシピ』『ジャースチームレシピ』(世界文化社)がある。