2020.06.02
我が家のカビはこれでさらば!カビが生えてしまった時の対処法
新型コロナウイルス感染症の影響で、家族みんなが家にいる時間が多くなった2020年。梅雨時期を前に心配なのが、家の「カビ」です。
カビは一度発生し黒ずんでしまうと、掃除してもしばらく経つと同じ場所に生えることがあります。その理由は、カビは黒ずんでいる部分だけでなく、奥底に根を張っているため。この”根”が生える前に早めに除去しなければ繰り返し生えてしまいます。
手遅れになる前に対処しておきたいカビ除去方法について、ナチュラルクリーニング専門家・本橋ひろえさんにお話を伺いました。
強い洗剤を使わないナチュラルクリーニングなら、優しい成分で手荒れが少なく、使う洗剤もいたってシンプルです。梅雨入り前のケアで快適に過ごしましょう。
なぜ繰り返す?カビについての基礎知識
カビは無条件にあちこちに生えるわけではなく、「温度」「湿度」が高い場所に「雑菌のエサとなる栄養」が加わることで繁殖につながります。
黒ずんだシミだけをカビと認識しがちですが、実はカビは肉眼では見えないほど小さな胞子のため、黒くなった状態はかなり進行が進んでいます。
例えば、お風呂場のゴムパッキンはカビが繰り返し生えやすい部分です。これは表面上の黒ずみを取ったとしても、奥底にカビの根が張っているため、何度掃除をしても繰り返し繁殖してしまうんです。
また、お風呂場に発生した胞子が空気中を漂った結果、クローゼットや寝室といった空気がこもりやすい場所にも発生する場合があるので、一ヵ所でもカビが発生したら注意が必要です。
カビ予防の心構えと黒ずんでしまった時の場所別お掃除方法
黒いシミになってしまったカビは、かなり進んでしまっているので根から取り除くには手間がかかります。
そのため、カビお掃除は「日頃の予防」が基本!カビ発生の3大原因を取り除くように「石鹸カスや汚れをこすり洗いする」「しっかりと水気を切る」「こまめに換気し、風通しをよくする」ことが大切です。
それでも黒ずんでしまった場合は、なるべく早く除去する必要があります。
カビを取り除く際、お風呂場やキッチンには水を使った掃除ができますが、クローゼットや寝室は掃除で残った水分がカビの原因になりかねないため、水を使った掃除はおすすめできません。
そこで今回は家の中を大きく「水が使える場所」と「水が使えない場所」に分けたお掃除方法をご紹介します。
<水で濡らせる>お風呂・洗面所・キッチン
普段水で濡れる場所や洗えるパーツは、カビが生えやすい反面、水でしっかりこすり洗いできるのでカビが生えたらすぐに対処しましょう。
※壁紙や洗面台下、シンク下収納など水で濡らせない場所は使えません
使用するアイテム
・重曹
・過炭酸ナトリウム
・アルコール水(消毒用アルコール90mlに対して水110ml)
※2020年5月現在、新型コロナウイルスの影響で消毒用アルコールが不足しています。
手順
1.汚れたり黒ずんでいる場所(水で濡らせる浴室内や、洗面台、蛇口など)に水をかけ、その上に重曹を振りかけてブラシでこすり洗いする。汚れが取れたらしっかり洗い流す
2.過炭酸ナトリウム小さじ1と40℃のお湯200mlを洗面器に入れ、キッチンペーパーを浸す
3.2のキッチンペーパーを黒カビ部分に貼り付け、パックして漂白する
4.30分程度そのまま置き、パックを取って洗い流す
5.スクイージーやマイクロファイバークロスなどで水気をよく切り、乾いたらアルコール水を吹きかけて除菌・防カビする
過炭酸ナトリウムはパックにするだけでなく、排水口や換気口など取り外しができる部分には浸け置きすることも可能です。
黒カビの漂白によく使われる塩素系漂白剤などの強力な洗剤は、塩素を吸い込む危険性がありますし、ゴムパッキンや表面塗装を劣化させる原因にもなります。どうしても黒カビが取れない場合は、ジェルタイプのカビ取り剤を使いましょう。少量でも的確にアプローチでき、飛散しないため安全に使えます。
<水で濡らせない>クローゼット・押入れ・寝室
クローゼットや靴箱、寝室などの大敵は、衣類や寝具についた汗(水気)。ホコリも内部にカビの胞子を溜め込むことができるため、カビが生えやすい環境です。
しっかり乾燥がしにくい場所なので、水を使わないお掃除を行います。
使用するアイテム
・掃除機やハンディワイパー
・アルコール水
・マイクロファイバークロス
・扇風機やサーキュレーター(換気がしにくい場合のみ)
手順
1.掃除機やハンディワイパーでホコリを取り除く
2.乾いたマイクロファイバークロスにアルコール水を吹きかけ、汚れや黒カビが目立つ場所を拭き上げる
3.扉を開けてしっかり換気を行う。風通しが悪い場合は、扇風機やサーキュレーター、ハンディファンをクローゼットに吊るすなどして湿気を取り除く
クローゼットや寝室は水拭きはできないので、使えるアイテムは揮発するアルコール一択。湿気を溜めないように、朝起きたときや外出時に扉を開放するなどこまめに換気することがポイント!
また、衣類を詰め込みすぎるのもホコリや湿気の原因になるため、衣替えシーズンのこの時期に衣類の整理を行うのもおすすめです。
カビゼロの我が家へ! カビの悩みとお別れしよう
カビは一度生えて根を張ってしまうと強力なカビ取り剤でも取り除くのが難しくなります。
カビゼロの家を目指すなら、一度しっかりと除去した後の「予防」が何よりも大切!日頃のちょっとした心がけでしっかりと対策できます。
本格的な梅雨入り前のお掃除で、今年の夏を心地よく過ごしましょう!
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本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
北里大学衛生学部化学科(現・理学部化学科)卒業後、室町化学工業株式会社(現・室町ケミカル株式会社)にて合成洗剤製造などを担当。結婚後、掃除・洗濯・洗剤を主婦目線で、かつ科学的に解説するナチュラルクリーニング講座を開始。著書に『ナチュラル洗剤そうじ術』、『ナチュラルおそうじ大全』など。
著者プロフィール
■春川ゆかり(はるかわ・ゆかり)
フリーライター・編集者。大手IT企業にてウェブメディアの広告やマーケティング業に携わる。その後フリーランスのライターとして独立し、住まい・子育て・ヘルスケアなどのジャンルで執筆。