2020.05.07
新型コロナの不安で押しつぶされそうな人へ。心が軽くなる「思考の整理」
新型コロナウイルス感染症の流行で、漠然とした不安を感じる時間が増えた、という方も多いのではないでしょうか。
気づけば不安が心の中にうずまいている…それが習慣化してしまうのは、良いことではありませんね。不安やストレスを感じた時に上手にそれらを手放せる方法を準備しておくのも、この不安な時期をしなやかに過ごすためのスキルの一つです。
不安になるのは当たり前
いま、世界中の人々が経験したことのない未曾有の事態に直面しています。
「わからない」という気持ちは、「不安」を生み出しやすいものです。不安な気持ちの行き場を配偶者や子どもに向けてしまって自己嫌悪になっている…という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、初めてのことを目の前にして不安になるのは当たり前です。その不安な気持ちの矛先を家族に向けてしまったり、SNSの情報で不安を増幅することなく、不安な気持ちを軽くしてくれる対処法を考えてみましょう。
以下でご紹介する「思考の整理法」を実践してみると、ご自身が何に不安を感じているのか、どうしたら解消できるのかを可視化できます。
不安な気持ちになった時の「思考の整理法」の手順
1.不安を「見える化」
頭の中の「思考」を整理するためには、まず漠然とした頭の中を書き出して、不安を「見える化」してみることが大切です。
具体的には、頭に浮かんだ不安なことをどんどん箇条書きで紙に書き出していくのがおすすめです。「きちんと書く」必要はありません。「見える化する」という行為が大切なので、思いついた不安をどんどん書いていきましょう。
それらを眺めることで自分が何をどう不安に感じているのか、俯瞰できます。
2.不安を「分ける」
不安を文字にして「見える化」したら、次に行うのが「分ける」ことです。箇条書きにしたものを以下のようなキーワードで分けていきます。
・自分で解決できる(赤色)
・家族の協力があれば解決できる(青色)
・お金があれば解決できる(緑色)
・それ以外(黒色)
3.不安を「解消するための計画を立てる」
2で分けたキーワード別に解決策を練っていきます。
・自分で解決できる(赤色)
自分で「いつ」「どのように」して解決していくか考えて、計画を立てます。その時点で、不安感は少なくなってきます。
・家族の協力があれば解決できる(青色)
家族にこれらの不安を話してみることから始めます。家族と相談することで、自分一人で抱えていたことがシェアできて安心感につながることもありますし、家族からもっと良い具体策が出ることもあります。
・お金があれば解決できる(緑色)、それ以外(黒色)
解決するのにお金がかかることや、他人に決定権があること、他人の協力が必要なことは、自分ですぐに解決できることではありません。これらのことについて自分一人で不安に感じていても誰かが助けてくれるわけではありません。住まいの地区の相談窓口等の公的機関に相談するなどしましょう。
4.行動する
解決できそうな不安に対しては、計画通りに行動を起こします。行動することでだんだん不安も解消されていくでしょう。
「ストレスを感じたらやることリスト」を作成しよう
筆者は、不安を感じたらまず上記のような思考整理を実践するとともに、「ストレスを感じたらやることリスト」も作成しています。
このリストを準備しておくと、不安やストレスを感じたらまずこれをやる、それがダメならこれをやる、というように自分の切り札がたくさんあるので、一つずつやっていくうちに不思議とストレスや不安は少なくなっていきます。そのリストの一部を紹介します。
「ストレスを感じたらやることリスト」
・深呼吸をする
・SNSから離れる
・歯を磨く
・口角を上げて(無理にでも)笑顔を作る
・ストレッチをする
・読書をする
・お笑い番組を見る
・料理をする
…など。
このリストを作る際のポイントは「簡単にできることは何か」を考えることです。
“私のご機嫌アイテム”を探そう
自分だけの「ご機嫌アイテム」を準備しておくのもおすすめです。これがあると不安や不機嫌を遠ざけてくれます。甘い食べもの、優しくなれるもの、現実を忘れさせてくれるもの、自分を美しくしてくれるもの、癒してくれるもの…何でも良いのです。
ちなみに筆者のご機嫌アイテムは
・チョコレート
・花(生花、花の写真でもOK)
・好きな漫才コンビのDVD
・顔のパック
・好きなアーティストの音楽CD
…などです。
コロナ禍で、筆者が実践したストレス対策例
3月頭から筆者の家庭では子どもたちが休校となり、夫は自宅でテレワークをすることが増えました。
家族5人が一日中家で過ごす状態が続いています。私自身、家の中で一人になる時間も場所も少なく、ストレスを強く感じています。また、「この先いつまでこの状態が続くのだろうか」など不安感も放っておくと大きくなってきます。
先にご紹介した思考を整理したり、ストレスを手放すリストを一つずつやってみるのですが、それでも心がざわざわして不安感が拭えないことも…。
そこで、新たにストレス解消として筆者が実践したことは、「手を動かすこと」でした。
簡単な針仕事をする
具体的には、「簡単な針仕事」をする。
3月の時点では、4月から学校も始まる予定でしたので、子どもの雑巾を縫ったりして気持ちを落ち着けました。
目の前の作業に集中するので、余計なことを考えずに済みます。針仕事の良いところは、縫っていくと一つの作品が出来上がるので、成果が目に見えて、達成感も得られるところです。
塗り絵にも挑戦
どの部分にどの色を塗ったらきれいだろうか…ということを想像したり、よりきれいに塗ろうと考えるので、余計な心配事や不安を払拭できました。
「大人の塗り絵 無料」といったキーワードで検索して、無料でダウンロードしたものを色鉛筆で塗っています。
いずれも「目の前のこと」に集中できること。不安な気持ちも薄れるのでおすすめです。
瞑想やマインドフルネスのスキルがある人はそれを行うのも良いですし、最近はオンラインでマインドフルネスなどを学べる講座もあるようです。
そういうものを上手に取り入れて、ざわついた心に落ち着きを取り戻す、というのも良いかもしれませんね。
不安を「人に話す」のも有効
いくら思考の整理やストレスを手放すリストがあっても不安感が拭えない。思いがぐるぐる巡ってしまう…という方は、「人に話す」ということをやってみてはどうでしょう。
人に話すことで不安や悩みをアウトプットすると、話しているうちに自分の考えがだんだんと整理されてくるのです。メールやラインなどSNSで繋がる友人と久しぶりに電話で話したり、オンラインで顔を見ながらおしゃべりしても良いでしょう。
また、公的な相談窓口の電話相談も設置されています。こうしたところに相談することで、より具体的な解決策が見つけられるかもしれません。「新型コロナウイルス相談窓口 ○○市(住んでいる市区町村名)」と入力すると身近な相談窓口を見つけられます。
また、インターネットで情報を検索すると、情報量が多く入ってくる反面、不安感が増す場合もあるので、注意しましょう!インターネットで情報収集をするときは、なるべく公的機関のホームページにアクセスして、情報収集することをお勧めします。
不安と上手に向き合うために
新型コロナウイルス感染症が収束する見通しも立たず、人々の不安や苛立ちが増しているように感じます。
ですが、不満や悪口を言っている自分を好きになれるだろうか?と自分を俯瞰してみてください。今取るべき行動が見えてくるかもしれません。少しでも不安と上手に向き合うために、不安を「書き出す」、不安を「人に話す」など実践してみてください。これらの方法がお役に立てれば嬉しいです。
門傳奈々(もんでん・なな)
ライフオーガナイザー®、整理収納アドバイザー1級。夫と3人の子どもがいる5人家族。夫の転勤に伴い、中東、インドなどで海外生活を送った後、日本に帰国。「片づけが苦手」だった自分の経験を生かし、だれでも簡単に整理できる収納方法を提案するため、個人宅を訪問しお片づけのお手伝いをしたり、お片づけ講座、お片づけお悩みシェア会などを開催。