2020.06.06
ランニング初心者向け自主トレメニュー【初めてのラントレ番外編】
ランニング初心者のユリさんと未経験のトモさんがチャレンジする【ゼロからはじめるランニング講座】。今回は番外編ということで、2人のコーチを務める西谷綾子さんに「初心者にやってほしいストレッチとトレーニングメニュー」を教えてもらいます。
「仕事などで忙しい合間を縫ってランニングをしている方も多いと思いますが、その前後はもちろん、走らない日でも毎日やってほしいのがストレッチです。ストレッチで常に筋肉に柔軟性がある状態だと適切な可動範囲が保たれ、怪我を防げるばかりか、走りのフォームも良くなり、パフォーマンスが向上しやすくなります。」
では、早速ストレッチメニューの解説に移ります。
普段から使えるウォームアップストレッチ9種
1.肩甲骨を伸ばす背伸びストレッチ
・足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、腕を上に向けて大きく伸ばし、左右の肩甲骨を内側に寄せる
・息を吐きながら伸ばして10秒伸ばしたら脱力。これを2回行う
・次に腕を伸ばしたまま身体を横に倒す。息をゆっくり吐きながら、全身、特に身体の横のラインをしっかり伸ばす。この時肩に力が入らないようにすること。左右10秒ずつ2セットを目安に
2.肩甲骨と股関節を伸ばすストレッチ
・1のストレッチが終わったら足を肩幅より広く開いて、痛くない程度に膝を曲げて腰を落とす
・腕を肩の正面に伸ばして手を組み、ドアノブを引いたり戻したりするイメージで動かし、股関節まわりと肩甲骨まわりをストレッチ。10秒を目安に
3.上半身の柔軟性をアップするストレッチ
・2のポーズから今度は背中側で手を組み替え、腕の重さを利用しながら前屈するように上半身を前に倒す
・腕の重さで上腕二頭筋が伸びる
・肩をユラ動かすと肩甲骨周りや身体のラインが伸びる→手を組んで右に倒すと左側の前面が伸び強度が上がる。10秒×3セットぐらいを目標に
4.上半身の可動域を広げるストレッチ
・3の前屈姿勢から、両腕を左右に開く
・そのまま肩を回し、下側の手の先がシューズにつくように。顔は空を見上げる
・すぐさま反対側に回して、リズミカルに左右交互に10回程度行う。目安は3セット
5.肘を回して肩甲骨の柔軟性を上げる
・まっすぐ立って胸を張り、肘を曲げて両手の指先を軽く肩に置く
・そのまま肘で円を描くように大きく回す
・息を吐きながら後ろに5回、前に5回回す
6.肩甲骨の位置を調整するポーズ
・まっすぐ立って胸を張り、頭上に腕をまっすぐ伸ばして手のひらを合わせる
・次に肩甲骨をグッと後ろに寄せるように両腕を肘から少しずつ降ろす
・5〜10回行う
・これを習慣にすると肩甲骨が本来の位置に戻り、走るときに腕が降りやすくなる
7.ふくらはぎのストレッチ
・両足を前後に大きく開き、前足の膝を曲げて10秒間バウンドするように腰を上げ下げする
・反対側も同様に、左右1セットを行う
・腿の付け根の腸腰筋が伸び、走る時に足がしっかり上がる
8.腿の付け根ストレッチ
・7のポーズよりも足を大きく開き、前屈みの体制で腰を落とす
・身体を前後に10回程度ゆすったら上半身をあげて背筋を伸ばす
・十分に伸びを感じたら、左右の腿の付け根を伸ばす
9.股関節のストレッチ
・両足を左右に大きく広げ、膝を90度に曲げて腰を落とします
・そのまま尻を左右に10回ずつゆっくり動かしていく
・できる人はさらに深く腰を落とし、両手で足首を掴んで動かすと股関節や尻、太腿の内側など普段あまり伸ばさない筋肉が気持ちよくストレッチできる
運動不足を感じたらストレッチだけでもやっておこう
西谷さん直伝のストレッチメニュー、いかがでしたか? オフィスでの仕事中などにやっても身体がスッキリして気持ちいいと思います。
「特にランニング初心者は、お風呂上がりに上半身1種目、下半身1種目など毎日少しずつでもいいのでやってほしいですね。肩甲骨まわりと股関節まわりは、ケガなく楽しく走るうえで必ず伸ばしておきたい部位。ストレッチをやる、やらないで走った後の疲労回復度合がまったく変わってくるし、次へのモチベーションにもつながります」(西谷さん)
こうしたストレッチもランニングメニューのひとつというわけですね。次回をお楽しみに!
監修者プロフィール
◾️西谷 綾子(にしたに・あやこ)さん
〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。初心者ランナーへの指導経験も豊富な西谷さん。ジュニア・アスリートフードマイスター、睡眠改善インストラクターの資格も持つ。
著者プロフィール
■黒田創(くろだ・そう)
フリーライター。2005年から雑誌『ターザン』に執筆中。ほか野球系メディアや健康系ムックの執筆などにも携わる。フルマラソン完走5回。ベストタイムは4時間20分。