2020.06.01
デザイン?機能?初めてのランニングシューズの選び方【初めてのラントレ#2】
ランニング(ほぼ)初心者のユリさんと未経験のトモさんがチャレンジする「初めてのラントレ」。2回目は、どんなランナーでもこれなしには始まらない「ランニングシューズの選び方」。ユリさんとトモさん、そして2人のコーチを務める西谷綾子さんは、東京・原宿にある《ニューバランス原宿》に向かいました。
第2回目:自分にあったランニングシューズを探そう
〈ニューバランス〉は矯正靴のメーカーとして誕生した歴史があり、足の解剖学や整形外科化学への深い理解のもと、データに基づいたシューズ設計をしています。そのためランニングシューズの多くは足長だけでなく足囲(ウィズ)でもサイズが選べるのが特徴で、より個々の足にフィットするシューズを選ぶことができるのです。
西谷「ランニングシューズの場合、メーカーによってサイズ感が異なることが多く、あるメーカーでは26.0cmがジャストサイズでも、別のメーカーのものを履いたら27.0cmがジャストだったというケースがあります。だから必ずショップに出向いて試し履きをして、できれば軽く歩いたり走ったりもしてフィット感を確かめることが大事になってきます」
というわけで2人も早速計測開始。まずは店内にある3Dスキャナで足のサイズを正確に測ります。縦横のサイズはもちろん、甲の高さや土踏まずの状態まで計測できる優れもので、わずか20秒ほどで計測完了。同店を含め、〈ニューバランス〉の一部直営店に導入されています。
店舗スタッフ「トモさんは左足が27.5cm、右足が26.9cmと左足の方が大きく、さらにアーチが高い傾向があります。そして、右は足長は短い一方で足囲が左よりも大きいという特徴もあります。一般的にハイアーチの方が柔らかい靴を履くと、着地時に足がぐらついてケガにつながるため、靴底が硬いタイプのものを選んだほうが良いでしょう」
トモさん「普段履いているスニーカーでも左右でフィット感が違うので、足の大きさが違うんだろうなと思っていましたが、やっぱり……。その差はどう埋めればいいんですか?
店舗スタッフ「一般的には短い方のシューズにインソールを入れて調整します。トモさんの場合、右が短い割には足囲は左よりも大きいので、左足に合わせる形で27.5cmのシューズでちょうどいいと思います」
そんな店舗スタッフがトモさんに選んだシューズは《NB HANZO U》。サポート性が高く、初心者でも走りやすい一足です。
一方のユリさんも3Dスキャナで計測開始。
店舗スタッフ「ユリさんも左22.6cm、右23.0cmと微妙に左右差があり、右足のアーチがやや低いですが、トモさんほど差が大きいわけではありません。ほぼ左右同じといっていいでしょう」
ユリさんにふさわしい一足ということで選ばれたのは《FRESH FOAM 1080 W S10》。最上級のクッション性をもたらし、ヒール部分の低反発素材が安定した着地を促してくれます。
ユリさん「よく、靴は一日のうち足が一番むくむ夕方に試し履きした方がいいって言われますけど、本当はどうなんですか?」
店舗スタッフ「むくむ人もいればむくまない人もいて、むくんでも靴のサイズに影響するほどではない、というのが正直なところですね。つまり靴選びは何時でも大丈夫なんです」
ユリさん「へえ~、そうなんですね。参考になります!」
シューズを選んだら履き方のレクチャー。
店舗スタッフ「足を入れ、靴紐を結ぶ際に、毎回土踏まずの真上あたりから、しっかり順番に締めていくと走っている最中のズレが最小限で済みます。また、そうすることで前傾姿勢になりやすく、足も自然と前に出るんです」
《ニューバランス原宿》の店内には試走コースが設けられていて、試し履きだけではなく実際にシューズを履いて軽く走ることもできます。
トモさん「しっかり紐を締めてもらったおかげで確かに自然と身体が前傾して、スムーズに走れそう!」
ユリさん「足をついた時のクッション感に驚きました……。これなら長い距離でも走れるかも!」
西谷さん「2人ともよかったですね。皆さんも普段の足のサイズだけでランニングシューズを選ぶのではなく、他のデータもしっかり計測してくれて、履き方まできちんとレクチャーしてくれるスタッフのいるショップまで出向いてみてください。より自分にあった一足に巡り合えるはずです」
next▶︎シューズと一緒に抑えておきたいラングッズをチェック
今回はランニングシューズの選び方講座をお届けしました。次回をお楽しみに!
撮影協力:ニューバランス原宿、ランニングシューズ提供:ニューバランス ジャパン
※2020年2月〜3月に撮影・取材を実施。店舗等の開店状況は店舗の公式HPにてご確認ください
※ランニングの際はソーシャルディスタンスに気をつけて、周囲の人と10mほどの間隔をあけて走りましょう
監修者プロフィール
◾️西谷 綾子(にしたに・あやこ)さん
〈Body & Soul Running Club〉を主宰し、フルマラソンのベストタイムは3時間1分。初心者ランナーへの指導経験も豊富な西谷さん。ジュニア・アスリートフードマイスター、睡眠改善インストラクターの資格も持つ。
著者プロフィール
■黒田創(くろだ・そう)
フリーライター。2005年から雑誌『ターザン』に執筆中。ほか野球系メディアや健康系ムックの執筆などにも携わる。フルマラソン完走5回。ベストタイムは4時間20分。