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2020.03.18

頭皮のにおい、ハリ・コシ不足...今日からできる40代以降の頭皮ケア

ILACY

鏡に映った顔がなんとなく老けて見える、肌が黒ずんで清潔感がない...。そんな肌悩みを引き起こすのが「毛穴の開き」です。
毛穴を隠すために厚いメイクをして肌トラブルが増加したり、丁寧に洗顔すればするほど毛穴が目立ったりするなど、悪循環に悩まされている方も多いでしょう。

毛穴のトラブルを解決するには、毛穴が開く原因を知り、適切なケアをすることが大切です。東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュの上島朋子院長に、毛穴が開く原因と正しいケア方法を教えていただきました。

考えられる「毛穴の開き」3つの原因

――年齢とともに、毛穴の開きが気になり始める女性は多いようです。

皮膚は本来、泣いたり笑ったりするなど、表情の変化に応じて伸び縮みします。しかし、年齢を重ねると皮膚の下の骨が小さくなり、さらに筋肉や脂肪の萎縮によって、皮膚が伸びきったまま戻りにくくなってしまいます。

若いときの毛穴は小さい円形ですが、皮膚がたるむことによって複数の毛穴がつながって見えます。毛穴が開いて見える原因のひとつが、この「たるみ毛穴」ですね。

――皮膚のたるみ以外に、毛穴が開いて見える原因はありますか?

ほかの原因としては、「メラニン沈着」と「角栓の詰まり」の2つが挙げられます。毛穴が黒ずむことによって目立ち、広がって見えるパターンです。

メラニン沈着は、紫外線を浴びすぎたり、スキンケアで肌を強く摩擦したりすることによって、毛穴の周囲にメラニン色素が沈着して起こります。毛穴の中に汚れが詰まっているわけではないので、さわってもザラザラしません。

一方、角栓の詰まりは、過剰分泌された皮脂が老廃物と絡み合い、毛穴の奥にとどまることによって起こり、さわるとザラつきます。角栓を吸着するパックや、押し出してつまみ取るスティックなどで一時的に取り除くことはできますが、毛穴が開いた状態は変わらないので、放っておくとまたすぐに詰まってしまい、根本的な解決策にはなりません。

毛穴を傷める可能性があるので、パックやスティックによるケアを行う場合は、週1回程度にしておくことをおすすめします。

――皮脂の過剰分泌は、なぜ起きるのでしょう。

メイクや汚れを落とそうとして肌をごしごしこすると、最低限必要な皮脂まで落ちてしまいます。そうすると、皮膚が乾燥を防ごうとして、皮脂を過剰に分泌するようになるのです。

皮脂が気になってあぶらとり紙で取ったり、何度も洗顔したりすると、不足している皮脂を補おうとしてますます皮脂の分泌が増え、毛穴の詰まりは悪化する一方...。良かれと思って洗えば洗うほど、肌に悪影響を与えてしまいます。

強い洗顔が悪循環を招く場合も...原因別・毛穴のケア

――毛穴が開く原因によって、ケアの方法は違うのでしょうか?

そうですね。なぜ毛穴が開いて見えるのか、原因を知り適切なケアをすることが大切です。例えば、メラニン沈着が原因の場合は、洗顔方法を変えても毛穴の開きは改善できません。まずは日焼け止めを塗る、日傘を差すなど紫外線対策をした上で、美白効果のある基礎化粧品を日々のケアに取り入れてみましょう。

クリニックで、特殊な薬剤を使用して毛穴の角質を取り除き、新しい肌への生まれ変わりを促すケミカルピーリングを行うのも効果的です。ニキビ跡が瘢痕(はんこん)のようになり毛穴を目立たせている場合も、強いピーリングできれいになることがありますよ。

――角栓の詰まりが原因の場合は、どのようなケアをすべきですか。

角栓の詰まりによる毛穴の開きは、皮脂の過剰分泌によって引き起こされます。まずは、洗顔方法を見直しましょう。「たっぷりの泡を使って、こすらず優しく洗う」のが洗顔の基本。洗顔料を適量取り、水を加えてよく泡立てて、きめ細かい泡をつぶさないように顔全体に広げます。

泡を広げたらこねたりこすったりしないで、汚れが浮くのを待って洗い流しましょう。「こすらないと洗った気がしない」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、これだけで十分。きめ細かい泡をたくさん作って隙間なく皮膚の上に広げれば、洗顔成分が肌に密着してきれいに汚れを落としてくれます。洗いすぎを防ぐため、スクラブが入っているタイプの洗顔料は避けたほうがいいですね。

――皮膚のたるみが原因の場合は、やはり専門的なエイジングケアが必要でしょうか。

ご自宅でできるマッサージやパックなどをしても改善されなければ、クリニックで相談し、美容医療でケアしましょう。

ノアージュのたるみ治療には、タイタン(近赤外線治療器)とジェネシス(Nd:YAGレーザー)のコンビネーションで細胞に直接働きかける「タイタン ジェネシス」、SMAS(表在性筋膜)に熱を加えてリフトアップする「ウルセラ」といった肌の深部への治療のほか、ヒアルロン酸などの保湿成分を肌表面に注入して肌のハリやツヤ、乾燥による毛穴の広がり、くすみやたるみなどにも効果を発揮する「水光注射」、表情筋の表面だけに働きかけることで自然な表情を保ち、しわだけをやわらげる「マイクロボトックスリフト」といったメニューがあります。

――普段の生活で、毛穴の開きを予防するためのアドバイスがあれば教えてください。

チーズやバターといった、皮脂の分泌を増やす食品は控えめに。夜中のラーメンなど、血糖値を急激に上昇させる食事もハリや弾力が失われるといった肌の老化につながりますのでできるだけ避けましょう。

また、長時間にわたるパソコン作業やスマートフォンの操作は、肩に力が入って首が前に出てしまうため、筋肉が下に引っ張られて皮膚をたるませる原因になります。集中するとつい何時間も画面を見続けてしまいますが、意識して休憩をとるようにしましょう。1時間に1回、肩や首をぐるぐる回して血液の循環を促すと、たるみの予防になりますよ。

洗顔後のスキンケアは「今の自分に合うケア」を選ぶことが大切です。肌の状態は一人ひとり違いますから、「これを使えば大丈夫」という物はありません。自分の肌をさわってみて、乾燥しているなら保湿する、べたつく感じがあるなら保湿は適度に...と使い分けてください。

季節によって水分が足りないと感じれば基礎化粧品を変える、乾燥が気になる口周りだけ保湿するといった臨機応変なスキンケアを心掛けましょう。

この記事を監修した人

上島 朋子 (かみしま ともこ) 医師

医学博士
専門分野:皮膚科

1992年新潟大学医学部卒業
東邦大学医学部大森病院、栃木県立がんセンター、財団法人鎌倉病院皮膚科部長を経て2016年より東京ミッドタウン皮膚科形成外科ノアージュ勤務、神奈川美容外科クリニックでは10年間非常勤医師として勤務、2018年5月よりノアージュ院長に就任。病理学の研究を経て皮膚科医になった経歴から、「肌」という繊細な臓器をしっかりと見つめ治療・施術を提供することをモットーとする。「肌の健やかな美しさ」にこだわり、疾患の治療から先端美容医療、そして再生医療の研究まで手がける。

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