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2020.03.13

ぽっこりお腹の理由をおさらい!リンゴ型肥満からの脱却・基礎編

kencom公式ライター:黒田 創

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中高年に差し掛かると多くの人が逃れられない身体の悩みが肥満です。
実は肥満には2つの種類があることを皆さんはご存じでしょうか。それが内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満です。その見た目から前者は「リンゴ型肥満」、後者は「洋ナシ形肥満」と呼ばれています。さらにもうひとつ、一見細身で身体の数値的にも肥満ではないものの、お腹が緩やかな曲線を描いている肥満の一歩手前の「バナナ型肥満」があります。

これらには、それぞれなりやすいタイプや特徴、改善のための食事のポイント、改善につながる簡単な運動方法があります。まずはリンゴ型肥満っていったい何?というところから見ていきましょう。

リンゴ型肥満とは?

内臓に脂肪がつき、お腹まわりが肥大化すること

内臓脂肪型肥満、別名「リンゴ型肥満」は、内臓のまわりに脂肪がびっしりと付くことにより、お腹全体がリンゴのように丸くせり出しているのが特徴です。

食べ物が体内に入ると、消化器官で栄養が吸収されますが、余ったエネルギーは消化器官にくっついて蓄えられてしまう。これが内臓脂肪の正体です。内臓脂肪がどんどん増えると、お腹の形は丸いリンゴ型に。なおかつお腹の皮膚がつまみにくくなったらリンゴ型肥満の可能性大です。

メタボリックシンドロームの判定項目である腹囲にも関係

この内臓脂肪型肥満を防ぐことが、心臓病をはじめとする生活習慣病の予防につながる、と定義したのがよく耳にするメタボリックシンドローム(以下メタボ)です。

一般的な目安としては、男性でウエスト85cm以上、女性でウエスト90cm以上、さらに腹部を輪切りにするCT画像で内臓脂肪の面積が100㎠を超えると内臓脂肪型肥満と判定されます。

また、メタボの診断基準には含まれませんが、「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で求められるBMIの数値も肥満の判別に使われます。日本肥満学会ではBMI25以上が肥満と定義されています。

なぜリンゴ体型になるのか?

エネルギーを溜め込みやすい身体のメカニズム

リンゴ型肥満は一般的に男性がなりやすいとされています。太古の昔、男性は獲物を捕って食糧を得ることが大きな役割だったことから、長時間の狩りに必要なエネルギー源として内臓脂肪をため込んでいました。内臓脂肪は炭水化物を中心とした高カロリーの食事を摂ると比較的早く溜めることができ、いざとなれば分解してすぐにエネルギーとして使うことができたのです。

便利なライフスタイルが肥満の原因に

しかし獲物を狩る必要のない現代社会では、内臓脂肪のエネルギーを使う機会が少なくなっています。しかも今の食生活は全体的に高カロリーですし、特に中高年の男性は内臓脂肪が溜まりやすい夜遅い時間の食事や、飲酒をすることも多いのが現状です。

さらに、生活様式の欧米化によって身体を捻ったりしゃがんだりする機会も減っていますし、仕事のIT化によって1日中椅子に座りっぱなしという方も多いでしょう。座っている時間が長いと、骨盤底筋群などのインナーマッスルが弱って内臓をしっかり支えられず、その分各臓器の周りにスペースができて脂肪もつきやすくなるのです。

ちょっとお腹が出てきたな?と思ったら対策を

リリンゴ型肥満を放っておくと、身体に様々な影響が及ぶとされています。まず、細胞に炎症が起きて糖質を体内に取り込むために機能するインスリンの働きが悪くなります。その結果、糖や脂質をうまく代謝できなくなったり、血圧が上昇するなどの恐れがあるのです。

こうした状態が続いてしまうと、ひいては糖尿病や脂質異常などの重大な疾患の原因にもなりかねません。なので、リンゴ型肥満はなるべく早く解消するべきなのです。

▼りんご型肥満の対策記事はこちら

執筆者プロフィール

■黒田創(くろだ・そう)
フリーライター。2005年から雑誌『ターザン』に執筆中。ほか野球系メディアや健康系ムックの執筆などにも携わる。フルマラソン完走5回。ベストタイムは4時間20分。

監修者プロフィール

■河村玲子(かわむら・れいこ)
パーソナルダイエティシャントレーナー(管理栄養士×トレーナー)、ボディーメイク、健康サポートを行う管理栄養士×パーソナルトレーナー。
脱サラ後、北米に渡りダイエットビジネスの視察、トレーナー活動をした後、帰国して日本にて活動を始める。現在トレーナーとしては、ティップネス蒲田・渋谷にて月に130セッションのトレーニング指導を行う。管理栄養士としては『Tarzan』や『anan』のレシピ作成や監修、アスリートの栄養指導など、運動、栄養両面のプロフェッショナルとして幅広く活躍中。(株)SAWAKI GYM 栄養アドバイザー。ティップネスアスリート支援事業 管理栄養士。(株)HandY スポーツセクション 管理栄養士。2018年に『やせ習慣が身につく ラクうま鶏ささみ料理』(タツミムック)を監修。

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