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2020.03.27

しいたけと舞茸、免疫力を上げる成分が多いのはどっち?【管理栄養士がジャッジ Vol.8】

kencom公式:管理栄養士・長有里子

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年度末や人事異動、新入社員の入社など、慌ただしくなりがちな春はなにかと疲れがたまりやすい時期。疲労の重なりは免疫力の低下につながりますが、「そうはいってもなかなか休めない」という方も多いでしょう。

そんなときは、ちょっとした食材選びが健康維持につながるかもしれません。

そこで今回は、身近な食材であるキノコ類の中でも「しいたけ」と「舞茸」が含む栄養成分に注目し解説していきます。

しいたけと舞茸、免疫に役立つとされる栄養素が多いのはどっち?

しいたけや舞茸は、低カロリーで食物繊維が豊富なイメージが強いですが、実は免疫に欠かせない「ビタミンD」を摂ることのできる身近な食材。
100g当たりのビタミンDの量を比較すると、舞茸が4.9㎍に対し、生のしいたけは0.4㎍と舞茸がダントツ!約12倍もビタミンDが多いのです。

よってタイトルの問い「しいたけと舞茸、免疫力を上げる成分が多いのは?」は「舞茸」が正解となります。

さてこのビタミンD、実は注目していただきたいポイントがたくさんあるのです。

マイナーだけどかなりの実力派、ビタミンDのここが凄い!

栄養成分は数あれど、皆に知られているものはわずか。ビタミンでいうと、ビタミンCやビタミンB群はメジャーだと思いますが、ビタミンDについて詳しく知っている方は少ないと思います。

しかし、ビタミンDは体内に侵入してくる細菌やウイルスを撃退したり、骨をつくるためにカルシウムの吸収を助けるために必要な栄養素です。また、食材でビタミンDを効率よくとれるものは、きのこや魚、卵黄くらいで種類が限られています。

注意いただきたいのは「免疫をサポートしてくれるから、骨を健康に保つために必要な成分だからいっぱい食べよう」などと、大量に摂取することは控えてください。過剰摂取により健康被害が起こることがあります。「食生活のバランスを整えて摂取しよう」という意識を持てればいいでしょう。

舞茸でビタミンDを効率的に摂るには

ビタミンDは油と合わせると吸収されやすくなるという性質があります。

・舞茸の天ぷら

水で溶いた小麦粉、もしくは天ぷら粉に舞茸をくぐらせ油で揚げるだけ。天ぷらの定番具材のひとつがビタミンD摂取に役立つとは嬉しいですね。

・舞茸のバター炒め

フライパンにバターを熱し、ほぐした舞茸を炒めます。醤油やめんつゆ、ポン酢で味付けすれば完成。お好みで刻んだ大葉や小ネギ、パセリを散らせば彩りもアップします。

油が気になる方は舞茸をレンジ加熱し、めんゆつや醤油で味付けして少量のオリーブオイルやごま油でいただくのもおすすめ。ちなみにしいたけは「干ししいたけ」にすると、ビタミンDの含有量が生の時と比べ約8.3倍に増えるため、煮物や汁物でいただくのがいいですよ。

食事と合わせて陽の光に当たろう

実は人間は紫外線を浴びることにより、体内でビタミンDを合成する機能を持っています。

そのため”食事+適度な日光浴”によって、ビタミンDを摂る必要があるとされています。日光浴によるビタミンDの生成量は定かではないため、明確に1日何時間は外にでるというような指針はありません。

ただ、普段オフィスワークでなかなか外に出る機会がない場合は、朝少し早く起きて散歩をしたり、ランチで外に出た際に少し遠くのお店に行ってみたり、休日は外出するようにするなど心がけてみましょう。ストレス解消にも繋がりますよ。

▼参考文献

過去の『管理栄養士がジャッジ』はこちらからどうぞ

著者プロフィール

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■長 有里子(おさ・ゆりこ)
管理栄養士/sazukaru代表。
人気サイト「服部幸應先生の1週間ダイエットレシピ」の監修経歴、食と健康の総合ポータルサイト「イートスマート」立ち上げメンバー。サイトや書籍の栄養監修多数。現在はプレコンセプションケアにも力を入れている。

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