メニュー

2020.02.14

今日から使える!ストレスに効く食事テクニック

kencom公式:トレーナー・河村玲子

記事画像

社会生活を営んでいる上では、完全なストレスフリーでいられることはまずありえません。
さまざまなストレスから身体を守るため、人は自律神経系や内分泌系(ホルモン分泌)の機能を随時調節しています。

この機能を円滑に行うために、食事面ではどのようなことに気をつけるべきでしょうか。ポイントを見ていきましょう。

ストレスがかかると身体に何が起こる?

ストレスホルモンが分泌される

ストレスと食事の関係性をお話しする前に、まずはストレスに対するホルモンの反応をご紹介しましょう。

ストレスがかかると、まずは大脳がそれを察知します。そして脳の視床下部を介して自律神経系や内分泌系(ホルモンの分泌)に働きかけ、ストレスホルモンの分泌を促します。

記事画像

ホルモンの分泌は、身体を守るために欠かせない働きを持っています。しかし、過度なストレス状態が続くことによってストレスホルモンが過剰に分泌し続けると、免疫が抑制されて病気にかかりやすくなってしまったり、内分泌系や自律神経系が限界を迎えて心身の不調をきたすと言われています。

こうしたホルモンの働きを、調整する食事テクニックがあります。

まずは食生活に関して押さえておきたいポイントをご紹介しましょう。

ストレス対策のために食生活で気を付けること

食事のリズムを一定にしつつ、よく噛んで食べる

食事といえば、摂取カロリーの総量や栄養素に注目しがちですが、実は食べ方を整えることでストレス対策にもなります。気をつけたいポイントは下の3つです。

①朝食をとる
②1日3回時間を決めて食べる
ストレスホルモンによるストレス対処機能は、身体が刻む時間(体内時計)によってコントロールされています。例えば「コルチゾール」は夜間の分泌が低下することが知られています。即ちこの時間帯にストレスがかかるとその分泌が円滑に行なわれず、ストレスに対応しづらいということ。逆に言えば、「体内時計」を機能させることで、日中の仕事や活動が活発になる時間のストレス対処能力を高めることができるということです。
そのために大切なのが「朝食をとること」「時間を決めて食べること」です。食事のリズムを整えて、体内時計を正常に機能させましょう。

③よく噛んで食べる
ストレスホルモンの分泌は、咀嚼による刺激が脳に伝わって抑制されることが知られています。たとえば大音量の不快な音を聞いていても、ガムを噛むことでストレスホルモンの血中濃度が下がるという実験結果があります。
意識してよく噛むことはもちろん、白米を玄米に変えるだけでも咀嚼回数が増すはずです。

ストレス対策に役立つ4つの栄養素

食事の方法に続いて、次はストレスに負けない体を作るのに役立つとされる栄養素をご紹介します。

その1:タンパク質

ストレスを感じると、脳は一生懸命働きます。そのため脳は唯一のエネルギー源である糖をたくさん消費します。そして体内の糖だけでは不足すると、今度は筋肉を分解して糖を作り出します。

加えて、ストレス時に分泌されるコルチゾールやアドレナリンは筋肉を分解する働きがあります。よく、イライラした時はスイーツを食べるという人がいますが、肥満のもとになるため、すぐに甘いものに手を伸ばすのはおすすめできません。

ストレスに対抗できる身体でいるため、タンパク質を意識して摂取しましょう。

食品例:肉類、魚類、乳製品、大豆製品など

その2:ビタミンC

ビタミンCはストレスホルモンである「コルチゾール」を作るのに消費される栄養素です。このビタミンは水溶性のため、一度にたくさんとっても、その時必要でないものは排泄されてしまいます。サプリメントなども上手に活用しながら、こまめに補給するのがよいでしょう。

食品例:みかんなどの柑橘系の果物、キウイ、ブロッコリー、小松菜、ピーマンなど

その3:ビタミンB1

ビタミンB1は糖質をエネルギーに変えるのに必要な栄養素です。また、神経が興奮している際にたくさん消費されることが報告されています。不足すると身体の疲れを感じることがあります。
またストレスで甘いもの(糖質)を多く摂取することも考えられるので、意識して摂取するよう心がけましょう。

食品例:豚肉、レバー、乳製品、あさり、卵など

その4:ミネラル

「カルシウム」と「マグネシウム」は神経の伝達を正常に保つために必要な栄養素です。また、脳神経の興奮を抑える働きもあります。
身体の中にはカルシウムが貯蔵されているため、食べ物からの摂取不足が直接的なイライラの原因になることはなさそうですが、リスクマネジメントの観点から摂取することをお勧めします。カルシウムはきのこや魚介類に多く含まれるビタミンDと摂取することで吸収が高まります。また、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンAを摂取することで効率よく骨を作ることができます。

食品例:乳製品、大豆製品、しらすなどの小魚、わかめ、昆布などの海藻など

忙しい時こそ、身体に優しい食生活を心がけよう

食事は薬ではないため、食べたからすぐ効果が出る!というわけではありません。ですが、日々繰り返しのことなので、ちょっとした工夫を積み重ねることが大きな変化につながります。

最近ストレスを感じるな、疲れているなと感じる方は、ぜひ食事や運動を取り入れて、上手に対処してくださいね!

著者プロフィール

記事画像

■河村玲子(かわむら れいこ)
パーソナルダイエティシャントレーナー(管理栄養士×トレーナー)、ボディーメイク、健康サポートを行う管理栄養士×パーソナルトレーナー。
脱サラ後、北米に渡りダイエットビジネスの視察、トレーナー活動をした後、帰国して日本にて活動を始める。現在トレーナーとしては、ティップネス蒲田・渋谷にて月に130セッションのトレーニング指導を。管理栄養士としては『Tarzan』や『anan』のレシピ作成や監修、アスリートの栄養指導など、運動、栄養両面のプロフェッショナルとして幅広く活躍している。(株)SAWAKI GYM 栄養アドバイザー。ティップネスアスリート支援事業 管理栄養士。(株)HandY スポーツセクション 管理栄養士。2018年5月タツミムック刊「やせ習慣が身につく ラクうま鶏ささみ料理」 を監修。

この記事に関連するキーワード