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2020.03.07

便秘のお悩みをすっきり解決!医師Q&A

kencom公式ライター:松本まや

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便秘に関するありがちなお悩みを便秘の専門家・神山剛一先生にお聞きしました。生活に身近なトピックスを中心に質問をしているので、今日から参考にしたい内容が満載です!
ぜひご一読を。

便秘にありがちなみんなの誤解

Q.和式トイレの方が排便しやすいと聞きました。本当ですか?

A. 和式トイレでしゃがんだ状態の方が、いきみやすいのは本当です。
ですが、便の状態が良く、するりと出せる「バナナ便」であればそもそも力を入れる必要はありません。排便時の姿勢以上に、便の状態の改善を心がけてみましょう。

Q.下剤を飲むと便が増えて、出しやすくなるのですよね?

A. 下剤は便を作るものではありません。
下剤はあくまでの腸の働きを促進するためのものです。十分な便がたまっていない状態では逆効果になりかねないので、便の状態を見ながら適切なタイミングで飲めるよう、調整することが大切です。便が泥状になっているのなら頻度が高すぎるので、少し下げてみましょう。

Q.便が3日に一度しか出ません。これって便秘ですよね?

A. 3日に一度でも困っていなければ心配ありません。
排便の頻度は人それぞれ。週に1回であっても、するすると排便できていれば心配ありません。排便の頻度ではなく、便の形状を観察することで、より客観的に自分の状態を知ることができます。

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Q. 宿便対策はした方がいい?

A.「宿便」や「宿便性イレウス」など、病名としては存在するものの、宿便そのものが病気の根本的な原因となることはありません。
従って、宿便を悪者に仕立あげ、これを洗浄して排出すべきと考える必要もありません。

Q. お腹が張って、すっきりしません。便秘でしょうか。

A.お腹の張りと便のたまり具合は、基本的に相関しないと思ってください。
お腹が張っているように感じていても、便秘ではないことはよくあります。まずは便の形状を観察し、自分の状態を客観的に判断しましょう。

Q. スムージーで便秘は改善しますか。

A. 原因によります。
便秘の原因によっては改善も期待できますが、食生活の偏りを招くようであれば逆効果。まずは何よりもバランスの良い食生活を意識してください。

Q. 便意を感じづらくなってしまいました。感覚は取り戻せるのでしょうか。

A. 原因によりますが、取り戻せる場合もあります。
腸内洗浄を繰り返したために一時的に直腸感覚が麻痺しているような場合であれば、原因を改善することで少しずつ回復が期待できます。

Q. 腸閉塞と便秘に関連性はありますか?

A. 関連性は低いでしょう。
腸閉塞のほとんどは小腸で癒着が起きていることが原因です。大腸で起こる便秘との関連性は低いでしょう。

Q. 便秘対策でお腹をあたためるのは効果あるのでしょうか。

A. 自律神経を整えるという意味では、効果が期待できるでしょう。
お腹をあたためることが直接便秘の改善につながるとは言い切れませんが、腸と自律神経の状態は関係があると考えられています。体がリラックスし、自律神経が整うことで改善が期待できる場合もあります。

Q. おならがとても臭いのですが、異常があるのでしょうか。

A.気にしすぎる必要はないでしょう。
実は、おならはほとんど口から吸いこんだ空気でできており、腸内で発生したガスはわずかしか含まれません。臭いが気になるようであれば、食生活を見直し、臭いづらい食べ物を選ぶように心がけましょう。

Q. 便秘気味だと大腸がんになりやすいって本当ですか?

A.便秘と大腸がんの関連性は明らかになっていません。
大腸がんの原因はまだ明らかになっていない部分も多く、便秘の定義もはっきりしていないため、関連性の検証は困難です。しかし、便秘が続くような健康状態は他の病気が起こるリスクも高い可能性があるので、見直しが必要です。

神山 剛一(かみやま・ごういち)先生

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医学博士。医療法人社団俊和会寺田病院外科・胃腸科・肛門科医師。同日暮里健診プラザ予防医学管理センター副センタ―長。1992年昭和大学医学部卒業。昭和大学講師、高野会くるめ病院排泄リハビリステーションセンターセンター長、亀田京橋クリニック診察部長などを経て現職。日本外科学会専門医。日本消化器外科学会、日本大腸肛門病学会、日本老年泌尿器科学会会員など。

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著者プロフィール

■松本まや(まつもと・まや)
フリージャーナリスト。2016年から共同通信社で記者として活躍。社会記事を中心に、地方の政治や経済を取材。2018年よりフリーに転身し、医療記事などを執筆中。

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