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2020.01.25

快適な寝室環境とは?温度・湿度編【快眠ナビ#7】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・鈴木麻里子

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良い睡眠を目指すために考慮すべき対象は大きくわけて2つあります。「自分自身」と「寝る場所」です。
自分というのはもうおわかりの通りですね。自身の生活習慣やコンディションが睡眠に大きな影響を与えることは、すでにご紹介した通り。

一方の「寝る場所」というのは、通常は寝室になります。中には都合によりさまざまな場所での就寝を余儀なくされている方もいらっしゃるかもしれませんが、ここではご自宅などの寝室を指します。
どこで眠るかで眠りの質が大きく左右された経験がある方もいらっしゃるでしょう。
実は就寝環境では、温度、湿度、寝具、音、光、空気の6つが睡眠に大きな影響を与える要素となっています。今回は、まず温度、湿度、寝具についてご紹介します。

快適な寝室にするには、温度や湿度はどれくらいに設定すればいい?

寝室の条件とは?

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寝室は衛生的で、安全かつ快適に眠れる場所であることが大切になります。不衛生な場所ではそもそも危険を感じるため、安心して眠れません。また、無防備に寝ているとき、知らない人が侵入してくるような場所でも寝ていられないのはご存知の通り。寝室のもっとも基本的な条件と言えますね。

続いて快適さですが、これは簡単にいうと「睡眠中の体温調節が容易であること」といえます。人は眠るために末梢の皮膚から放熱し、深部体温を下げます。起床前には体温を上昇させて活動に備えます。このように体温調節がしやすい環境がいい寝室といえるのです。

良質な室温は16〜26℃、湿度50〜60%と言われていますが、空調が必要な夏季や冬季では少々温度が異なります。

冬の寝室は16〜19℃程度がおすすめ

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冬の睡眠というと、とにかく暖房で温めて眠るという印象がある方もいると思います。しかしそれはあまり賢明とは言えません。
ある研究では、寝具を使用している場合、室温が13〜25℃の間で睡眠に差が見られなかったという結果が出ています。特に睡眠感がよかったのは室温が16〜19℃だったそうです。温かい寝具があれば、室温は意外と低くても大丈夫であることがわかります。

ただし、10℃未満になると体温に影響が表れるため、室温の調節が必要と言われています。

空調にはエアコンを使うことが多いと思われますが、空気が乾燥しやすくなるのが難点。適宜加湿するかマスクを着用するなどして、喉や鼻の粘膜を乾燥させないようにしましょう。
乾燥が中途覚醒を引き起こすだけでなく、粘膜が乾燥することで風邪などを引きやすくなるためです。

足先が冷えて眠れないなどの理由で電気毛布を使いたいときは、就寝後に切れるようタイマーを活用しましょう。
一晩中加温すると、本来の体温調節がうまくいかなくなるためです。

高齢者がいる場合は、夜間のトイレ起床時に、廊下やトイレとの温度差によって心血管系の異常がおきやすいので注意が必要です。実は冬は心臓疾患や心筋梗塞による死亡率が年間でもっとも高い季節。
寝室との温度差が広がらないように、適宜暖房するようにしたいところです。

夏の寝室は温度26〜28℃程度がおすすめ

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一方、夏の睡眠では何に気をつければいいでしょうか。
真夏の蒸し暑さが睡眠に与える影響を否定する人はいないでしょう。室温が高いとスムーズな放熱ができないため深部体温が下がりにくくなり、さらに全身の発汗量も増加するため不快感で入眠が阻害されてしまうのです。
高温多湿環境では徐波睡眠とレム睡眠が減少し、中途覚醒が増加することがわかっています。つまり熟睡しにくくなるということです。

夏は湿度を50〜60%、室温は26〜28℃程度にするのが理想的とされています。
空調にエアコンを活用する場合は、睡眠の前半で活用すると体温調節に効果的。「切タイマー」を3時間に設定し、睡眠の前半で稼働するようにしましょう。
一晩中使った場合、深部体温がもっとも下がる明け方に寒さで目が覚めてしまうことがあるためです。扇風機を使う場合も、直接風が身体にあたらないように注意してください。

冬季同様に、高齢者がいる場合は室温管理に注意が必要です。高齢者は室温上昇に鈍感になりやすく、就寝中に熱中症も起こしやすくなります。最近自分もあまり暑さを感じなくなっているかもしれないという方は、体感に頼るだけでなく室内に温湿度計を設置し、空調機の温度や湿度設定を活用してみましょう。

寝具内の温度や湿度も大事!

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これまで述べた室温や湿度は、1年を通して適切な寝具を使っているという前提で調査されています。環境という点では、室内だけでなくふとんの中も大切なのです。
季節にあった寝具を使わなければ不快感が伴います。適宜取り替えていない人はまずいないと思われますが、一方でしっかりケアをしている人も少ないでしょう。
実は寝具も適切なケアがされていないと、保温性や吸放湿性が損なわれてしまいます。

羽毛布団がいまいち温かさを感じにくくなった、蒸れやすいと感じるようになった、などの兆候が出てきたらケアが必要なサイン。日頃のケアで改善しない場合は、クリーニングに出すのも手ですが、劣化している可能性も考えられます。すでに購入してから数年が経過しているなら買い換えも検討したほうがいいでしょう。

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また、冬は掛け布団の使い方によっては快適さが損なわれることもあります。たとえば羽毛布団と毛布を重ねる順番です。

羽毛布団に毛布をプラスするときは、毛布の材質に注意してください。天然素材なら吸放湿性に優れているので羽毛布団の中で使ってもいいですが、ポリエステル製など合成繊維の場合は、羽毛布団の上に乗せるのがおすすめです。ポリエステル製の毛布は保温性は高いですが、放湿性にかけるため、どうしてもふとんの中がムレやすくなってしまうためです。大量に汗をかいて目が覚めた経験がある方は、1度毛布の材質をチェックしてみましょう。

温度・湿度をコントロールして快適に眠ろう

暑さ寒さが極端な夏冬は、眠りの環境を作ることが大切だとわかったのではないでしょうか。
そのためにも寝具のケアは必須と言えます。今なんだか眠りにくいという方は、まず温度と湿度、次に寝具の年数などを気にしてみてください。
それだけでも快適に眠れるようになるかもしれませんよ。

次回は寝室の光環境についてご紹介します。

著者プロフィール

■鈴木麻里子(すずき・まりこ)
ライター、睡眠改善インストラクター。睡眠系の話題に限らず、IT系から家電関連まで幅広いジャンルをカバーする。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。

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