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2020.01.23

どうしたら「冷え」を解消できる?種類別の対策を公開!

kencom編集部

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前回の記事では冷え症の原因やその種類についてご紹介しました。ご自身がどのタイプか、思い当たることはありましたか?
ここでは、冷え症のタイプごとの対策を田中奏多先生にご説明いただきました。

■冷えの基本と種類はこちらをチェック!

冷え症は種類によって対策を変えよう

冷え対策の基本は生活習慣にあり

冷え症に対する根本対策は、厚着でもなく、カイロでもなく、実は生活習慣である食事と運動になります。
特に食事は、食物摂取量が少ない場合や、胃腸が虚弱で栄養吸収が悪い場合、熱生産性が不足して体温が低下してしまいます。

運動では筋肉量を増やすことで代謝を上げることが大事になります。運動を通して自律神経のバランスを整えるほか、十分な熱や栄養を送る心肺機能を鍛えることができるので、効果も高いです。

血流を良くするという意味では、お風呂も全ての冷え症を通して有効な対策と言えます。長湯がのぼせる原因にもなる冷え症もあるので、基本的には全身浴で、5分程度浸かるのが良いでしょう。

ただ、冷え症のパターンによっては対策によってうまくいかない場合や身体に負荷をかけてしまう場合があります。ここからはタイプ別の対策をご紹介します。

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まずは、自分の冷えの種類がどれなのかを把握して、読み進めてみてください。

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冷えの種類別対策

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下半身型の冷え症の方は、まずは筋肉をつけていくことが大事になります。
そこで大事なのが食事と運動。食事はタンパク質が積極的にとるように心がけましょう。といってもお肉ばかり食べるというわけではありません。普段の食事に1品魚や肉などを加える程度で大丈夫です。

運動でいうと、まず手軽なのがストレッチ。筋肉を刺激できるほか、血の巡りを良くすることができます。特に臀部のストレッチが有効です。

また、下半身型冷えの主な原因は座りすぎ。1時間に1回程度は立ち上がってストレッチをするようにしましょう。腰部の筋肉をほぐしやすい鍼灸や指圧などでも改善しやすい冷え症なので試してみるのもいいでしょう。

服装は、足元から冷えが上がってこないよう夏でも靴下をしっかりと着用するようにしましょう。女性の場合はスカートよりパンツスタイルの方が底冷えしないので対策になります。

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四肢末端型に有効なのが足指のストレッチ。一般的なストレッチの効果の他、自律神経を整える手助けもしてくれます。
これはイスなどに座りながら行うほか、お風呂の中などで行うと効果的です。

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全身が温まりますし、血管の拡張と収縮をリズミカルに行えるので自律神経に良い影響を与えます。

運動でいうと、軽い有酸素運動もよいでしょう。

食事ではややカロリーが多めな食事が有効です。カロリーを多めに摂ることで全身の体温を高めてあげると、より末端まで血液が届きやすくなります。

服装は、重ね履きやカイロなど外部から温めるような方法は根本的な解決になりません。いわゆるババシャツのような厚手の下着を身につけて熱が逃げないようにしましょう。

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内蔵型の主な原因は運動不足。
運動は自律神経を整える効果もありますので、内蔵型にも有効です。
運動した効果を生かすために、食事もタンパク質を多めに摂るようにしましょう。下半身型と同様1品加える程度で構いません。タンパク質を摂ることで筋肉をサポートしてあげることができます。

内蔵型の場合、汗をかきやすいので熱が体外に逃げていきやすい傾向があります。ウインドブレーカーなど汗をかかない程度で保温できる衣類を身に付けるようにしましょう。また、手袋や靴下なども熱を逃がさないので有効です。

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全身型は心身の体力が落ちていますので、消化にいい食事から始めてみましょう。その際には、カロリーをやや多めに摂るよう意識すると、血液が全身に巡りやすくなります。まずは普段より少しだけご飯の量を増やすなど工夫してみましょう。

また、軽い運動も行なっていくことが大事です。体力が落ちているということは筋力なども低下しているということ。激しい運動だと身体を傷める結果になってしまいますので、負荷をあまりかけない程度の有酸素運動やストレッチからはじめるといいでしょう。

服装も重ね着などで対策することが大切です。しかし、あまりにも重ね着しすぎると輪ゴムのように全身を締めてしまい血液の流れを阻害することになります。動きにくくならない程度に抑えましょう。

冷え症対策・局所型

局所型は原因が古傷や別の病気にあることが多いです。
まずはかかりつけ医など病院に行って局所型冷え症について相談してみてください。

自分にあった対策で、冷えを解消しよう

どれも無理なく取り入れやすい方法ですが、実行すれば効果が出やすいものばかりです。
まずは自分のタイプをしっかり把握し、ひとつずつ実行していってみましょう。

田中奏多(たなか・かなた)先生

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「働く人を支える」薬に依存しない心の医療を展開するBESLI CLINICを2014年協同創設。ハーバード大学TMSコース修了、マサチューセッツ大学MBAコース在学、コンサルタントの経験、産業医の視点から「生産性」を高めるヘルスケアを臨床で実践している。BESLI CLINICでは、和漢の漢方外来で腹診による処方相談も行っている。産業医と主治医両方の観点からビジネスマン、ビジネスウーマンのパフォーマンス発揮をサポートしている。

参考文献

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