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2020.01.07

ピルを飲み続けると妊娠しにくくなる?【1分で学べる病気の疑問】

kencom公式:ライター・森下千佳

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医師からのコメント

ピルの服用は生理痛が改善するだけでなく、卵巣がんや子内膜症にもなりにくいと言う良い効果も多いですが、その結果妊娠できない身体になることはありません。
一方で、残念ながら妊孕性(妊娠のしやすさ)が上がるというということもありません。

女性は、生まれる時には卵巣に卵子を約200万個蓄えています。
その卵子は、生まれてから月経のはじまる思春期頃に約170万個から180万個が自然に消滅し、 思春期・生殖年齢の頃には約20~30万個、その後も、一回の月経に約1000個が減少していきます。これは、まるで洗顔の時に泡立てた泡が、時間の経過とともに徐々に消えていくようなもの。

たとえ、20歳から40歳までピルを飲んでいたからといって、40歳の時点で20歳の時の卵子の数が残っている事はありえません。残念ながら、卵子は時間経過とともに変化していきます。

▼もっと詳しく「生理痛」や「PMS」を知りたい方は記事をチェック!

監修医師

■高尾美穂(たかお・みほ)先生
イーク表参道 副院長
東京慈恵会医科大学大学院修了後、慈恵医大病院 産婦人科助教などを経て現職。専門は婦人科がん(特に卵巣がん)。産婦人科専門医・医学博士・スポーツドクターのほか、ヨガ講師としてGyne Yogaを主宰する。

著者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
お茶の水女子大学理学部卒。2000年に東海テレビ放送に入社し、主に報道記者として事件、事故を取材制作。女性ならではの目線で取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。2009年に家族の転勤で、ニューヨークに渡り4年間移住。当時日本ではなかなか手に入らなかったオーガニックのベビー商品、コスメなどを日本に届けるベンチャー起業を立ち上げに関わる。2013年帰国し翌年に女児を出産。2016年より子宮頸がん検診の啓発活動と健康教育を手掛ける一般社団法人の理事を務める。2019年よりフリーのエディターとして、主に女性と子供の健康、子育てに関する取材、発信している。