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2019.12.19

風邪の身体に嬉しい!「お粥」のレベルを上げるちょい足し5選

kencom公式:管理栄養士・圓尾和紀

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自分や家族が風邪を引いて寝込んでいるときの食事として定番なのがお粥ですよね。簡単に作れて消化にもやさしく、身体を内側から温めてくれる頼れる存在です。一時的であればお米に塩だけのシンプルなお粥でもいいですが、風邪はなかなか一日で治るものでもありません。最初は美味しいお粥も続くと飽きてきますし、栄養バランスも偏ってしまいます。

「風邪を引いてしまって、手間のかかる料理はできない…」という時も当然あるでしょう。

そこで今回は管理栄養士がおすすめする、ちょい足しトッピングををご紹介したいと思います!

管理栄養士が提案するちょい足し5選

1:定番の梅干し

昔からの定番で「なんとなく身体に良さそう」というイメージを持っている方も多い梅干しですが、やはり昔から受け継がれているものにはそれなりの理由が隠されています。梅干しにはクエン酸をはじめ各種の有機酸が含まれており、これが疲労回復効果や肝臓の機能を活性化させて代謝を活発にする働きがあります。また、梅干しを焼いて作る「焼き梅干し」にすると、ムメフラールという成分ができ、これが血流を良くして免疫細胞が身体中に届きやすくなる効果も期待できます。

2:卵とわかめで食べ応えUP

「完全栄養食」とさえ言われる卵。その名の通り、いろんな栄養素をバランスよく含んでいます。とくにタンパク質は風邪の菌と戦う免疫細胞をつくる材料ですので、ちゃんと補給したいところ。肉や魚もタンパク源ですが、卵のほうが手間がかからず、消化にもやさしいです。卵を入れるタイミングは、おかゆがある程度煮立ってから最後の仕上げに溶き卵を入れて、ひと煮立ちさせてとろみがついたぐらいが食べごろです。
また、お好みでわかめを加えると、見た目も美味しそうに見えますし、食物繊維をとることで食後の血糖値の上昇も緩やかにしてくれます。消化にはあまりよくないので、入れすぎは禁物。お腹の調子に合わせて調節してください。

3:ホタテ水煮缶とザーサイで中華風に

手軽にタンパク質を補給できるのは卵だけではありません。お手軽な缶詰を活用する方法もあります。ホタテの水煮缶なら油が少なく、消化に優しい上にタンパク質もたっぷり含まれています。ホタテのうま味が加わり、途端に風味を増します。ザーサイを加えれば簡単に中華風のお粥を楽しむこともできますよ。

4:じゃことねぎの和風粥

「風邪をひいたときはねぎがいい」というのもよく言われていることですよね。これも現代栄養学から見て正しいと言えます。ねぎにはアリシンという辛味成分が含まれているのですが、これが疲労回復効果や殺菌作用があることが分かっており、風邪で弱っている身体には嬉しい食材です。じゃこを加えればねぎと味の相性も良いですし、タンパク質が簡単に補給できます。

5:豆乳と生姜でまろやか粥

ごはんと生姜、だし汁を鍋に入れて煮込み、最後に豆乳と塩を加えて味をととのえ、再度煮立ったら出来上がり(だし汁と豆乳の割合は1:1で)。
生姜にはジンゲロールという成分が含まれており、これが加熱によってショウガオールという身体の深部を温める作用のある成分に変わります。この効果を狙うために生姜は最後に加えるよりも一緒に火にかけるようにしましょう。大豆から作られる豆乳にもタンパク質が含まれています。食欲のない時はこういった口当たりの良いものでもタンパク質を補給する方法もあります。

「風邪で食欲がない…」。そんな時こそ食事で栄養補給を!

風邪を引いている時は、身体は風邪の菌と戦うためにエネルギーを必要とするので、あまり消化に負担のかかる食事は避けたいですが、かといって栄養が不足すると治りも遅くなります。
今回ご紹介したレシピを参考に、なるべく身体に負担をかけないようにしながら食事で栄養をしっかりとって早く風邪を治しましょう。

著者プロフィール

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■圓尾和紀(まるお かずき)
“日本人の身体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。日本の伝統食の良さを現代の生活に活かす「和ごはん」の考え方を伝えている。『一日の終わりに地味だけど「ほっとする」食べ方』がワニブックスより発売中。

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