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2019.12.10

若いのに"老人歩き"する人が全身不調になる訳|立ち方、歩き方はこうやって修正する

東洋経済オンライン

年齢問わず、体の機能をきちんと使えていない“老人歩き”をしている方が増えています
(写真:kou / PIXTA)

参照元:https://toyokeizai.net/articles/-/317506?utm_source=deschl&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=article

年齢問わず、体の機能をきちんと使えていない“老人歩き”をしている方が増えています (写真:kou / PIXTA)

皆さんはご自分の歩き方を見たことがありますか? ほとんどの方が見たことがないと思いますが、ぜひ一度歩いている動画を撮ってみてほしいのです。

老人のような歩き方?

私はウォーキングレッスンの体験会をするときに必ずお一人おひとりの歩き方を動画に撮り、一緒に見ていただきます。そこで体の歪みや筋肉の使い方、重心のバランスなど歩くときの癖をフィードバックするのですが、ほとんどの方が残念な歩き方をされています。大体の方が、

「私、こんな変な歩き方してるんですか?」

「わ、まっすぐ歩いてない(汗)」

と、多くの方がビックリされます。

筆者は、年齢は若いのに“老人のような歩き方”をする方が多いことにも、不安を感じています。“老人歩き”は見かけが残念なだけではなく、体の機能をきちんと使えていない歩行のため、筋力低下に直結します。もったいない歩き方なのです。

健康のために1日1万歩を目指す方も増えていますが、この歩き方でずっと歩くのは、曲がった釘をガンガン打ち続けていることと等しい行為で、体を壊しかねません。

ここで老人歩きの特徴を挙げていきましょう。

◯老人歩きの特徴

・体重の移動がうまくできずペタペタ歩く「むくみ」歩き
・上半身が揺れる「体幹ブレブレ」歩き
・腕の振り方が左右違っていたり ほとんど腕を振らない「肩こり」歩き
・猫背になっていて首に負担をかける「ストレートネック」歩き
・左右の肩の高さが違う「歪み」歩き
・つま先が上がらず 歩幅の狭い「すり足」歩き

動画を撮らなくても靴の擦れ方が左右違っていたり、靴のかかとが極端に擦れていたら間違いなく、いずれかの歩き方をしています。

この老人歩きを続けていると、いろいろな弊害が出てきます。

まずは筋力が落ちてしまいます。高齢者の場合は、筋肉が落ちたために前述のような歩き方になりますが、若い人の場合はそうではありませんね。パソコンやスマホを前に、悪い姿勢で長時間体を固定し、筋力を硬直させていることが原因です。

また、私は老人歩きのことを別名「省エネ歩き」とも呼んでいます。使う筋肉が少なく、どんなに歩いてもエネルギーを使わない歩き方のことです。

使う筋肉に偏りがあるのも「省エネ歩き」の特徴です。とくに背中やお尻といった体の後ろ側についている筋肉をちゃんと使わず歩いてしまうので、どんどん弱くなります。使わない筋肉は弱るだけでなく、硬くなっていくので、背中側に痛みが出やすくなります。

かばい合って補い合って“不治の病化”

体も一緒です。肩こり、首こり、腰痛などは背中が硬くなり、錆びついている代表的なトラブルたちです。そして腰回りの硬さは骨盤の動きも悪くさせるので、お腹回りにお肉がつきやすくなります。

また、骨盤と繋がっている股関節の可動域が悪くなり、左右差が出やすくなります。股関節のトラブルは膝のトラブルと直結するので歩くと太ももの付け根だけでなく膝が痛くなったり歩いただけなのにすぐに疲れてしまうようになります。もう負の連鎖でしかありません。

多くの人が痛みをかばい、それを補う方法を勝手に編み出します。かばう歩き方を続けると、体の歪みはどんどんひどくなります。

「かばい合って補い合って」を繰り返す中で、そのしわ寄せがきているところが痛み出します。そして痛みが出たところの治療をしてしまうわけですが、痛みが出ているところに原因があることはほぼなく、“不治の病化”してしまいます。

問題は痛みだけではありません。筋肉がしっかり動くことで血液やリンパが流れやすくなるので、体の機能を正常に動かすためにも筋肉はちゃんと使わなくてはいけません。

また筋肉はエネルギーを生成する工場でもあるので、よりたくさんの筋肉がバランスよく動くことで代謝も上がり太りにくくなります。

それでは、正しく歩くための姿勢と歩き方はどうしたらいいでしょうか。

まずは、足裏や足首、そして骨盤がゆがんでいないか先にチェックをしましょう。

▶チェック1

まず、全体重を支えている足がきちんと仕事をしているかどうかを確かめてみましょう。

目をつぶって片足で立ってみてください。最低でも1分体を支えられたら足の裏の準備はできています。左右両方の足でやってみてください。もし苦手なほうがあれば骨盤の歪みが考えられ股関節や膝に負担がかかっている可能性があります。

▶チェック2

左足を真っすぐに前を向けて立ち、そのまん前に右足をくっつけて置いてください(1本の線の上に左右の足をくっつけて立っている状態)。
立てたら左右を見るように目だけでなく頭をキョロキョロと振ってみてください。ブレずに立っていられたら足裏と内腿そしてお尻の筋肉が連携して働いている合図。安定した歩き方には必須の筋肉がちゃんと働いています。

▶チェック3

両足をそろえてしゃがんでください。次にしゃがんだまま1分間前後に体を揺らしてみてください。尻もちをつかずにできれば 歩くときにしっかり働かせたいふくらはぎと足首の連動もできています。

立ち方から見直して、正しく歩こう!

正しく歩くためには正しく立つことが基本になります。重要なポイントは、骨盤の傾きと頭の位置です。

1 まずは壁を背にして立ちます。

2 壁に「かかと・お尻・肩甲骨・後頭部」の4点がつくようにします。

3 肩の位置が前に来ないように小指が壁に当たるくらい腕を後ろに引きます。

4 肩が上に上がらないように肩を下に下げます。

これが壁がなくても楽にできるようになると正しい立ち方はマスターできます。壁と腰の間の隙間は手のひら1枚分の厚みが入るくらいが理想で、それ以上隙間があるときは骨盤が前に倒れていて腰痛になりやすい可能性があります。力ずくで無理やり行うと腰や関節を痛める恐れがあるので要注意です。しなやかに力を入れずできるようになることがポイントです。

立ち方がわかってきたら、今度は歩き方です。

1 幅20センチの平均台の上を歩くイメージで足を運びます。 (靴1足分の足幅からはみ出ないようにまっすぐ足を出していきます)

2 前に出した足はかかとから着地し片足で全体重を支えます。

3 後ろから前に出す足は親指の付け根で蹴り出すようにします。

4 肩甲骨を動かすように腕は後ろに振りましょう。

5 壁で立ったときのように頭は骨盤の延長線上にあることをイメージして頭が前に出ないように気をつけて歩きましょう。

初めから歩数や時間を目標にするのではなく、自宅やオフィスの廊下で短い距離を丁寧にやってください。

「質のいい歩き方をちょこっとずつ」を意識して積み重ね、無意識にできることを目指しましょう。

習慣になれば、歩くだけでバランスのいい筋トレを勝手に行う体が手に入ります。ぜひ楽しみながらやり続けてもらえればと思います。

記事画像

山﨑 美歩呼:一般社団法人 日本姿勢改善ウォーキング協会

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