メニュー

2019.10.24

新連載・本気で集中したい時のちょっとしたコツ【定時帰りのライフハック】

kencom公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

記事画像

昨今ライフ・ワーク・バランスに注目が集まっています。
内閣府などでも2012年頃から謳われはじめ、今では多くの会社で通用している概念ではないでしょうか。ですが、どうこのライフ・ワーク・バランスを整えていくべきなのか。
その方法を具体的に指し示しているものはなかなかありません。
本連載では、少しでも仕事と私生活のバランスを整えるため、まずは定時で帰れるように心や考え方の面から変えていこうという試みをまとめたものです。
いわゆる仕事術やライフハックと言われるものですが、実践してみると意外に効果が高いことを体感できるかもしれませんよ。

集中して仕事をするにはどうしたらいいのか

仕事で全力を出せないのは「疲れ」と「時間のなさ」のせい?

記事画像

早速最初に取り上げたいのが、仕事と集中についてです。
仕事をするとき、集中して全力を出した方が、適当に仕事するよりはいいような気がするのではないかと思います。
ただ私たちは、「いつも全力で集中してやるように」と言われても、なかなかそうできないときがあるでしょう。

そこでちょっと立ち止まって、「そもそもどうして全力を出して仕事をする気になれないか」を考えてみましょう。

真っ先に思いつくのがおそらく以下のようなことではないでしょうか?

・いつも全力では疲れてしまう
・そんな時間や気持ちの余裕がない

他にも会社の環境や人間関係といった問題があるかもしれませんが、どんな人でも当てはまる「全力を尽くせない理由」としてはやはり「疲れと時間のなさ」だろうと思います。

本気の仕事で感動した体験を記録しよう!

記事画像

ここで少し視点を変えてみます。

そもそも「本気で仕事をするメリット」のことを確認しましょう。具体的にはどんなことをするのかといえば、「私たちが他者の本気の仕事に癒やされている瞬間を記録する」というライフハック(一般的にいう仕事術)です。実はこれを私は盛んにやっています。

これをやっても何の損もありません。何しろ自分が仕事をするのではなく、そのメリットを享受するほうだからです。
たとえば

・手を抜いて淹れられるとはとても思えないほどおいしいコーヒーを飲んだとき
・本気の仕事だとうならされるような映画を見て感動したとき
・これはこだわりが感じられるという手作りの製品などにうっとりしたとき

などの時に、写真を撮ったり感想を述べておくのです。
そうしてため込んだ記録をまとめて振り返ってみるわけです。多くは写真ですが、たまには音楽もあります。ジャンルも分野もかまわず、アプリの『Evernote』などにためておき、たまに「本気の仕事集」として振り返っていきます。

これをすると、いかに本気の仕事というものが、人間に至福をもたらすかがよくわかります。こうして自分もまた「本気で仕事をしたい」というモチベーションの糧にするわけです。

自らが「本気を出す」コストを考える

記事画像

モチベーションが高まったら、次は「本気を出すコスト」です。その最も簡単な計測方法は、仕事に対して支払った時間でしょう。
できれば普段から、少なくとも仕事にかかった「時間」を計測しておくといいです。最近ではスマホのアプリで様々な計測アプリが発売されているので、それらを活用するのが早いです。
私は『タスクシュート』というアプリで記録していますが、ライフログアプリはたくさんあります。タイマーで仕事にかかった時間を計り、Googleスプレッドシートなどで記録を集めてもいいと思います。

そして、「本気でやると、いつもよりもどれほど多くの時間がかかるか?」を本気で仕事をしてみて比較するわけです。
たぶん、手を抜いても本気でやってもかかる時間はそれほど変わらないと思います。

ただこれは、そんなことを言われても納得できるものではなく、自分でやって計ってみるのがいちばんですからそれをオススメしたいのです。

そうして少なくとも「本気のコスト」というものが、自分がイメージしているほどすさまじくパワーのかかるものではないことがわかったら、本気を出す抵抗がぐっと薄まるでしょう。

自分の仕事が誰かに良いものを与えると信じてみよう

記事画像

本気のモチベーションを高めておいて、本気にかかるコストが少ないことを知る。

このようにして、仕事のモチベーション自体を高く保つというライフハックの紹介でした。
もちろん本気にかかるコストは時間だけではありません。疲れるのが恐ろしいかもしれません。であれば、疲れのことも記録に残してみたほうがいいと思います。

ただ、本気になる前から疲れや時間のことを過度に恐れているのは、もったいないこと。
人が本気の仕事に至福を得られるのであれば、自分の仕事によって何かしらいいものを得る人も必ずいるはずです。そのことを直接知る機会は少ないかもしれません。でもそれは、「本気の仕事」から多くを得ている生活そのものに目を向けていれば、きっと信じられるようになっていきます。

著者プロフィール

記事画像

■佐々木正悟(ささき・しょうご)
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

この記事に関連するキーワード