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2019.10.11

眠気チェックには睡眠トラッカーを取り入れてみる【快眠ナビ#5】

kencom公式:睡眠改善インストラクター・鈴木麻里子

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前回、自分の眠りを主観や評価法をもとに評価することについてご紹介しました。
もっと簡単にできる方法はないの? とお考えの方や、日頃からしっかりとチェックしたい方向けに、ここでは睡眠時間や眠りの深さを自動的にグラフ化できる睡眠トラッカーの活用についてご紹介しましょう。

主観的な睡眠のチェックに「睡眠トラッカー」を取り入れてみる方法

研究でも小型デバイスが活用されている

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科学的に睡眠の状態を判断するには、睡眠ポリグラフという方法が用いられています。
これは脳波、眼球運動、筋肉の収縮を測定するもの。眠りの状態を正しく把握しようとする場合、これらの情報をすべて取る必要が出てくるため、さまざまな装置をたくさん顔に貼り付けなくてはなりません。これでは被験者も大変な思いをしてしまいます。

そこで、研究用現場でも加速度センサーを搭載したリストバンド型のウェアラブルデバイスが使われています。
最も有名なものだと「アクチグラフ」という製品になります。
これは高精度の加速度センサーを内蔵した腕時計型のデバイスで、利き手と反対側の手首に巻いておくだけで1日の活動状態を記録できるのが特徴です。睡眠ポリグラフに対して88~90%の相関を持っており、睡眠と覚醒を判定できるとされています。

このアクチグラフをつけておけば、実際にいつ寝ていつ起きたのかが自動的に分かるのでかなり便利です。しかし、研究用機器ゆえに一般人が気軽に買えるものではありません。

自動的に睡眠を記録する睡眠トラッカー

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そこで同じような仕組みを使った市販品を活用する方法が考えられます。すでにアクチグラフと似たようなものは多数登場しているのです。
それこそが、睡眠トラッカー。
アクチグラフと同様に加速度センサーを内蔵しており、手首に巻くタイプが主流です。

もともとは歩数や消費カロリー、移動距離などがわかる「活動量計(アクティビティトラッカー)」として登場しましたが、ほどなくして睡眠の測定も可能になりました。
バッテリー充電タイプの製品では、5日から1週間の連続使用が可能。ボタン電池を使うものなら、20日ほど持つ製品もあります。

スマートフォンと連携でき、専用アプリにデータを転送すると、入眠時間や起床時間を自動的に記録でき、体動の様子から眠りの深さまでわかる(推定する)というのが大きな特徴。以前は深い、浅い、中途覚醒が記録されるくらいでしたが、最近はレム睡眠までグラフに含めるようになっています。

また、最近の傾向としては心拍数を測定できるものも多く、加速度センサーが捉えた動きとあわせて、睡眠の状態をより正確に記録できるようになっています。
医療機器ではありませんし、臨床研究現場で使われるデバイスほど精度は高くないものの、睡眠市場への注目の高まりとともに、製品やアプリもバージョンアップを繰り返しており、その精度はかなり向上してきているようです。

睡眠トラッカー最大の利点は「楽」

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このような製品を活用すると、自分は眠るだけで何もしなくて良いので、とにかく記録が楽になります。アプリが自動的に睡眠時間や状態を記録・グラフ化してくれるので、手間いらずなのです。

活動量や心拍数の測定も可能なデバイスでは睡眠時間や眠りの深さの変化だけでなく、それに影響を与えそうな活動量やストレスについても把握できます。1日を通した活動量からは、昼間アクティブに過ごせたかどうかがわかり、心拍数からはストレスの有無が推測できるからです。

そこから不調の原因を推測することもできます。たとえば、あまり眠れない日が続く時によく見たら、1日の歩数が1000歩程度で、ほとんど外出しない日が続いていたと分かった、など。

また最近のトレンドとしては、睡眠の知識がない人でも自分の眠りの状態がひとめで分かるように、アプリ上で点数化してくれるものや、睡眠に関する知識を提供してくれるものも登場しています。グラフを見て良し悪しが分からなくても、点数が教えてくれるので判断しやすいですし、使っているうちに知識がついてくるというわけです。

目覚まし機能を備えたタイプの製品もあります。腕で振動することで起こしてくれるので、アラームが周囲の迷惑になることがありません。また、眠りが浅くなったタイミングで起こす機能を備えた製品もあり、スッキリとした目覚めも期待できます。

睡眠トラッカーの形はさまざま

睡眠トラッカーの形状のメインストリームは、アクチグラフと同様にリストバンドタイプになります。
リストバンドの場合、装着している間はずっと活動を測定してくれるので、バッテリーが持続する限り、活動量と睡眠の両方を記録できます。

ただし、そもそも手首に何かをつけて眠りたくないという人もいますし、充電したままうっかり装着しわすれることもあります。
そんなケースにも備えて、実は様々な形の睡眠トラッカーが存在しています。
例えば、ベッドマットレスの下に敷いて使えるデバイス。ベッドに横になったこと、起き上がったことが自動的に認識されて、睡眠を記録できるため、つけ忘れなどがありません。
据え置きタイプなので、旅行先や出張先では使えませんが、寝る場所が限られているなら便利です。いびきの有無を記録してくれるものもあります。

このほかに脳波を使うアイマスクタイプやヘッドバンド型の製品も登場していますが、慣れないと手首以上に違和感を覚える恐れも。
また、寝ている間にはずしてしまうことがあるのがネックです。これらは自分のライフスタイルにあったものを選ぶといいでしょう。

なお、スマートフォンのアプリでも睡眠時間を測定することができます。睡眠トラッカーが多数登場する前は、睡眠の測定といえばスマートフォンのアプリが主流でした。
アプリでは、枕元に置いたスマートフォンが音や振動を検知して睡眠時間や眠りの深さを記録してくれます。
正確性は睡眠トラッカーに比べて劣りますが、目安として用いたり、試しに使ってみるなら良いかもしれません。

データと自分の睡眠感をあわせて考えることがポイント

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医療機器ではないことや、製品によって得られるグラフが異なるといった問題もありますが、睡眠時間、深い眠りの状態、中途覚醒の状態の3点を中心に、目覚めの実感とデータをあわせてチェックする習慣ができると体調管理にも役立ちます。データ上ではすばらしい波形を描いているけれど、自分の熟眠感はいまいちと言うことはあり得るからです。

特に眠気を感じた日、快適だった日、それぞれグラフ上の最初の深い睡眠がどれくらい出ているか、中途覚醒はどうなっているか、全体の睡眠時間は何時間になっているかなどをチェックしてみましょう。

筆者の場合、深い睡眠が1時間前後出た日は、トータルの睡眠時間が5時間程度でも眠気を感じることなくアクティブに過ごせますが、6時間半眠っても深い睡眠の合計が30分程度しかでなかった日は、目覚めた瞬間から物足りなさを感じ、昼間にも眠気をもよおしやすいとわかりました。
このように、自分の実感値とデータとのすり合わせができるようになると睡眠の質向上につなげやすくなります。

睡眠トラッカーで睡眠の質を楽しく上げていこう!

自分の睡眠の特徴がわかるというのは面白いものです。何かせずとも自動でスマホと連携してくれる睡眠トラッカーなら、ストレス少なく続けられるはず。
ぜひ興味のある方は試してみてください。

ただし、睡眠は年齢やストレス、性別、ライフステージの影響を受けやすいことをお忘れなく。

著者プロフィール

■鈴木麻里子(すずき・まりこ)
ライター、睡眠改善インストラクター。睡眠系の話題に限らず、IT系から家電関連まで幅広いジャンルをカバーする。主な著書に「Facebook仕事便利帳」「iPhone 4 仕事便利帳」(ソフトバンククリエイティブ)など。

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