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2019.11.08

ワインは毎日飲むとがん予防になる?【医師Q&A】

kencom公式ライター:森下千佳

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医師からのコメント

アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドと言う物質には発がん性があります。
そのため、どんな種類のお酒でも習慣として大量に摂取していれば、がんのリスクが確実に高くなります。
1日あたりの平均アルコール摂取量が、純エタノール量で46g以上(日本酒で約2合、ワイングラス4杯ほど)で40%程度。69g(日本酒で約3合、ワイングラス6杯ほど)以上で60%程度、がんになるリスクが高くなります。
そのため、国際的には全く飲まない方が良いと推奨されています。

ただ、少量の飲酒や節酒は心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げることが知られているので、疾患横断的に判断して、「飲むなら節度のある飲酒をする」ということを推奨しています。
具体的には、ワインならグラス2杯、日本酒なら1合、缶ビール2本以内におさめるようにしましょう。(アルコール換算で1日当たり約23g程度まで)

また、休肝日を作ることも大切です。
休肝日がある人とない人を比べると、休肝日がある人の方が死亡リスクが有意に下がることがわかっています。

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監修医師

■井上真奈美(いのうえ・まなみ)先生
国立がん研究センター 社会と健康研究センター予防研究部部長
1990年筑波大学医学専門学群卒。1995年医学博士取得。1996年ハーバード大学公衆衛生大学院修士課程修了。愛知県がんセンター研究員、国立がんセンター室長、東京大学特任教授等を経て、2018年より現職。専門分野はがん疫学。

著者プロフィール

■森下千佳(もりした・ちか)
お茶の水女子大学理学部卒。2000年に東海テレビ放送に入社し、主に報道記者として事件、事故を取材制作。女性ならではの目線で取材先の言葉や見過ごされがちな出来事を引き出す事を得意とする。2009年に家族の転勤で、ニューヨークに渡り4年間移住。当時日本ではなかなか手に入らなかったオーガニックのベビー商品、コスメなどを日本に届けるベンチャー起業を立ち上げに関わる。2013年帰国し翌年に女児を出産。2016年より子宮頸がん検診の啓発活動と健康教育を手掛ける一般社団法人の理事を務める。2019年よりフリーのエディターとして、主に女性と子供の健康、子育てに関する取材、発信している。