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2019.10.02

コーヒーは片頭痛の引き金になるのか?【kencom監修医・最新研究レビュー】

kencom監修医:石原藤樹先生

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近年健康効果があると注目を集めているコーヒー。ただ、コーヒーを飲むと頭痛を誘発するという声もあるようです。実際、コーヒーと頭痛には因果関係があるのでしょうか。

当連載は、クリニックでの診療を行いながら、世界中の最先端の論文を研究し、さらにkencom監修医も務める石原藤樹先生の人気ブログ「北品川藤クリニック院長のブログ」より、kencom読者におすすめの内容をピックアップしてご紹介させていただきます。

今回ご紹介するのは、2019年のAmerican Journal of Medicine誌に掲載された、カフェインの摂取と片頭痛との関連についての論文です。

▼石原先生のブログはこちら

コーヒーを飲むと頭痛がする?

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片頭痛は頭の片側に強いズキズキとした頭痛で、その本態は脳の一時的な興奮状態であると考えられています。

片頭痛にはそれを誘発するきっかけが見られることが多く、睡眠不足や食事を抜くことなど、多くの片頭痛の患者さんに共通するきっかけがある一方、特定の人しか当てはまらないようなものもあります。

比較的多くの方が片頭痛のきっかけと認識にしているのが、コーヒーなどのカフェインを含む、刺激性のある飲み物です。

ただ、一般には、「コーヒーを飲むと頭痛がする」という意見があるのですが、これまであまりそれを実証したような臨床データはありませんでした。

カフェイン飲料の摂取量と片頭痛の関連を調査

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今回の研究では、アメリカの3つの専門医療機関において、習慣性の片頭痛の患者さんトータル98名に生活記録を付けてもらい、観察期間中の片頭痛の発生と、コーヒーなどのカフェイン含有飲料の使用との関連を検証しています。

その結果、1日1、2杯のカフェイン含有飲料では、当日翌日を含め片頭痛の発生リスクは増加せず、1日3杯以上の摂取ではやや増加する傾向はみとめたものの、5杯以上でも有意なリスクの増加は見られませんでした。

これは勿論アルコール摂取など、他のリスク因子は補正した結果のデータです。

一日1~2杯のコーヒーなら片頭痛リスクには影響せず

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このように、カフェイン含有飲料を1日3杯以上飲むことで、片頭痛のリスクが増加するという可能性は否定出来ませんが、その影響は概ね軽微で、少なくとも1日1から2杯のコーヒーに関しては、片頭痛でも問題はない、と判断して良いようです。

▼参考文献

<著者/監修医プロフィール>

■石原藤樹(いしはら・ふじき)先生
1963年東京都渋谷区生まれ。信州大学医学部医学科、大学院卒業。医学博士。研究領域はインスリン分泌、カルシウム代謝。臨床は糖尿病、内分泌、循環器を主に研修。信州大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科を研修の後、1998年より六号通り診療所所長として、地域医療全般に従事。2015年8月六号通り診療所を退職し、北品川藤クリニックを開設、院長に就任。著書に「誰も教えてくれなかったくすりの始め方・やめ方-ガイドラインと文献と臨床知に学ぶ-」(総合医学社)などがある。
・略歴
東京医科大学地域医療指導教授/日本プライマリ・ケア連合学会会員/医師会認定産業医/医師会認定スポーツ医/日本糖尿病協会療養指導医/認知症サポート医
・発表論文
-Differential metabolic requirement for initiation and augmentation of insulin release by glucose: a study with rat pancreatic islets. Journal of Endocrinology(1994)143, 497-503
-Role of Adrenal Androgens in the Development of Arteriosclerosis as Judged by Pulse Wave Velocity and Calcification of the Aorta. Cardiology(1992)80,332-338
-Role of Dehydroepiandrosterone and Dehydroepiandrosterone Sulfate for the Maintenance of Axillary Hair in Women. Horm. Metab.Res.(1993)25,34-36