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2019.09.12

一度挫折した「習慣」を身に着けるとっておきの方法【習慣の心理学#32】

kencom公式:心理学ジャーナリスト・佐々木正悟

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現代で「習慣化」という言葉に少しでも興味のある人であれば、「三日坊主」という言葉もよくご存じでしょう。
習慣化の挫折がいつでも「4日目」に起こるというわけではありませんが、ちょっとした成果にすらありつけないまま止めてしまうという日数として3日というのはよくわかります。
新しいことを始めて3日続けるだけでも、実はそう簡単ではありません。ただ、ほとんどのことは3日では成果が見えてきません。

しかし「三日坊主に終わること」も無意味ではないと私は思っています。もう少し補足するなら、それに意味を見いだすことはできます。

挫折した習慣にこそチャンスは眠っている

三日坊主で終わったことをやってみる

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実は、かつて1度でも挑戦したことのあることならば、2度目はけっこううまくやれます。
たとえば私はかつてしょっちゅう挫折していたこととして、「糖質制限食」があります。

私は自分自身の体質改善の一環として糖質制限を行ったのですが、とにかく最初はひどいものでした。
要するにやり出して効果が上がると、すぐにお酒などを飲んでしまいました。それも「暴飲」してしまっていたのです。
言うまでもなく、それまでに数十日に及ぶ苦労が一夜にして消失してしまうわけです。

それが今では20年近くうまくいっています。個人的に悩んでいた体質面も改善方向に向かっています。

理由ははっきり言ってシンプルです。挫折はたしかに肉体、精神を問わずいろいろなダメージを残します。それでも1度目よりは2度目の方がコツをつかむし、2度目より3度目、3度目より4度目、4度目よりも5度目の方が何もかもうまくやれるようになるからです。

こう書けばおわかりいただけるとおり、私は覚えているだけでも糖質制限に4度は挫折しています。

挫折ではなく、知の集積と考えてみる

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私たちはそもそも挫折したくないし、挫折したことなど思い出したくもありません。だから挫折した習慣を放置している人は多いでしょう。
でもそれは意外なほどもったいない話なのです。

人間が優れているのはなんと言っても知能です。中でも経験と知識を蓄積することができるところです。
過去の失敗経験は、忘れているようでも意外と覚えています。過去の失敗したときに得た教訓も、知識として蓄積されています。

それに、記録する癖をつけていたなら、それらは記録として残っているはずです。この連載でも何度か、記録をつける重要性を解いてきました。
特に習慣化において記録を残すべきなのは、それが挫折したとしても非常に役に立つからです。

電子ノートの習慣化から考える挫折対策

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一般的に言うところの「習慣化」と少し違いますが、私は電子ノートアプリ『Evernote』を使うという習慣にも、2度ほど挫折しています。
いまはEvernoteを使いこなしていますが、これは3度目の挑戦によって継続できるようになったのです。

デジタルノートを利用するという習慣ですから、挫折すれば使わなければいいだけという意見ももちろんあるでしょう。
ですが私にとっては記録すると言う意味で、やはりなくてはならないツールだったのです。Evernoteは日記、仕事の資料、家族との大事な写真など、ありとあらゆる情報をひとつにまとめておけるツールです。このようなツールを使うのに大事なのが「習慣化」なのです。

言うまでもなくEvernoteを使うのは2度目より3度目の方がうまくなります。単に情報を記入するだけでなく、情報の整理の仕方やノートブック・タグの使い方なども、繰り返すほどうまくなります。知識が増える一方だからです。

それにEvernoteの場合には、使うことがそのまま記録になります。記録をとることが習慣そのものだからです。
こうして溜まっていく記録を振り返ることで、挫折は失敗を学ぶ知識となり、再挑戦時の良き道しるべになるわけです。

挫折した経験を掘り起こして、再挑戦してみよう!

ぜひ本連載の読者の方にも、かつて挫折した習慣を掘り起こしてみていただきたいと思います。
前は続かなかったかもしれません。しかしいまなら続けられるかもしれないのです。

そしてそれは思わぬ実りをもたらす可能性を秘めています。

■習慣化するコツが満載!好評連載は下からどうぞ

著者プロフィール

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■佐々木正悟(ささき・しょうご)
心理学ジャーナリスト。「ライフハック」の第一人者。専門は認知心理学。1997年獨協大学を卒業後、ドコモサービスに入社。2001年米アヴィラ大学心理学科に留学。04年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。05年帰国以来、「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求し続けている。
著書にベストセラーとなった『ビジネスハックス』『スピードハックス』などのハックシリーズ(日本実業出版)のほか、『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)などがある。

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